マイスターです。
本日、新しく、我が国最大の国立大学が誕生しました。
【教育関連ニュース】—————————————–
■「阪大と大阪外大が統合=学生数、国立大最多に」(内外教育研究会)
http://book.jiji.com/kyouin/cgi-bin/edu.cgi?20071001-3
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大阪大(大阪府吹田市)と大阪外国語大(同府箕面市)が1日、統合し、大阪大外国語学部に生まれ変わった旧大阪外大キャンパスで校名の看板の掛け替えが行われた。統合後の大阪大は計11学部、学生数は国立大最多の約1万6400人となる。
大阪外大は1921年創立。約50に及ぶ多彩な言語を学ぶことができた。統合後の阪大はこうした伝統を受け継ぎ、第2語学の選択を現在のドイツ語など4言語から朝鮮語などを加えた7言語に増やすなど、外国語教育に力を入れた総合大学となる。
旧大阪外大の箕面キャンパスで新看板の除幕式に出席した鷲田清一総長(58)は「多彩な語学を学べることで、英語圏以外の国でも現地語で活動ができる研究者を育成できる。また、第2語学が増えることで、将来のキャリアデザインの幅も広がるだろう」と語った。
(上記記事より)
旧帝大の1つで、日本を代表する研究大学でもある大阪大学。
そして、非常に充実した外国語教育を展開する語学教育の名門、大阪外国語大学。
この両者が統合し、国立大学の中では学生数日本一となる、新生・大阪大学となりました。
現在は、大阪外国語大学のサイトと、大阪大学の外国語学部のサイトとが並立している状態です。
■大阪大学 外国語学部
http://www.sfs.osaka-u.ac.jp/
■大阪外国語大学(更新停止)
http://www.osaka-gaidai.ac.jp/
旧帝大では唯一、外国語学部を備える大学になります。
今後、外国語を専攻しようとする受験生の間で、今まで以上に存在感を増していくことが予想されます。
外語大生にとっても、総合力を持った大阪大学との統合は、大きなメリットになります。
この辺りについては、昨日のAsahi.comの記事が詳しいです。
■「どう変わる? 大阪大と大阪外大、10月1日に統合」(Asahi.com)
http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200709280020.html
新・阪大は外国語学部が新設され、11学部となる。外大の校地は、外国語学部を核とする阪大の箕面キャンパスになり、同学部の学生は今後、共通教育を受ける1回生は豊中、2回生からは箕面のキャンパスで学ぶ。
外国語学部は外大の多言語教育を引き継ぎ、約50言語を学ぶことができる。特徴だったスワヒリ語、ハンガリー語、デンマーク語、スウェーデン語なども残る。
阪大生にとっては、第2外国語がこれまでの独、仏、露、中の4言語から、伊、朝鮮、スペインを加えた7言語に増える。外大生は、1回生の時に受ける共通教育の科目が理系を中心に7倍に増えるうえ、総合大学の卒業生として職業選択の幅も広がりそうだ。
鷲田清一・阪大総長は「海外での現地調査を、その地域の言語でできる。そんな人間が、さまざまな分野で多く出てほしい」と期待する。
(上記記事より)
語学教育の充実もさることながら、外語大生の共通教育科目が7倍に増えるというのもすごいですね。
理系に強い大阪大学と、人文科学系を中心にした大阪外国語大学という、お互いの強みを活かし合う組合せも良かったのでしょう。
同じ記事に、
阪大は学部生と大学院生計約2万人のうち女性は4分の1。外大は4人中3人近くが女性。統合後、女性比率は一気に1割近く上がる。
(上記記事より)
……なんて興味深い記述も。うーん、この辺りもバランスがいい(?)のかも。
記事では、「カラーの違う大学同士の『結婚』」なんて表現が使われていますが、なかなか象徴的な言い回しです。
……と、このように理想的な面が多い、この「結婚」。
ただ、唯一、受験生だけは頭を悩ませそうです。
外大で7月末にあったオープンキャンパスには、昨年より約300人多い約2300人が集まった。参加した高校生たちからは「入試の科目数が増えるのか」と戸惑いの声が上がった。
外国語学部の来春の入試は、阪大の試験内容に合わせ、外大時代とは大きく変わる。一般入試の前期日程では、大学入試センター試験で受けなければいけないのが、「5教科5科目」から「5教科(または6教科)7科目」になり、1科目だった数学も2科目に。外国語と小論文のみだった2次試験も、「外国語」「国語」「地理歴史または数学」になる。
(上記記事より)
このように、受験科目が増えるようです。
なんてこった! ……とショックを受けている受験生も、少なからずいるかも知れません。
ただ、教える側からすれば、「多くの科目を学んだ学生の方が望ましい」という思いは以前からやはり、あったんじゃないかと思います。
でも大抵、受験科目を増やすことは、しません。
なぜなら、理由もなく受験科目が増えると、受験生に敬遠されるから。
そう考えると、「大学が統合された」というのは、言い方は悪いかもしれませんが、受験科目を増やす絶好の口実になったんじゃないかな、なんて思ったりもします。
そんなわけで、今後、新生・大阪大学がどのように発展していくか、楽しみです。
既存の大学序列を打ち破ってくれることを、個人的には期待します。
以上、マイスターでした。
失礼致します。いつも購読しております。
一つ聞きたいことがあるのですが、国立大学法人、私立大学職員はたとえ全国に名前の知れ渡っている大学でも、リストラなどはあるのでしょうか?