センター試験、出願スタート

マイスターです。

現在、住んでいる神楽坂には、赤城神社という神社があります。
その境内の一角に、「蛍雪天神」という、何とも風流な名前の天神様があります。

天神と言えば、学問の神様である菅原道真。そこに、さらに「蛍雪」の二文字。
すごい「御利益感」です。

こりゃあ、受験生も参拝に来るかもなぁ……などと思いつつ、
ふと横の説明書きを見ると、

「旺○社寄贈」

の文字。

……『蛍雪○代』から取ったんかい!

と、脱力しながらつっこんだマイスターです。

由来を知ってしまうと、途端、妙に現世利益的に思えてきてしまうのが、悲しいところです。

そんなことを思い出したのは、↓こんな報道を見たからです。

【教育関連ニュース】—————————————–

■「巨大絵馬に春を託す 湯島天神 センター試験出願 初日は1万1000人」(東京新聞)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2007100202053148.html
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そう、今日からセンター試験の出願が始まったのです。
今回のセンター試験には、4年制大学が622校(国立82、公立73、私立467)、短大が156校(公立17、私立139)が参加するとのこと。いずれも、過去最高です。

そんな報道がされる中で、ちょっと目を引いたのが、上の記事でした。

来年一月十九、二十日に実施される大学入試センター試験の出願受け付けが始まった一日、東京都文京区の湯島天神に受験生たちが合格への思いを託した巨大絵馬(縦九十センチ、横百二十センチ)三枚が奉納された。

奉納したのは同区白山にキャンパスがある東洋大学で、夏に実施したオープンキャンパスや入試説明会などに集まった受験生に寄せ書きしてもらった。

千人以上が書き込んだ絵馬もあり、学内で「千人絵馬」と呼ばれている。二〇〇〇年から毎年奉納している。

絵馬には「絶対合格」「最後まで死力を尽くす」など強い決意のほか、「受かったら毎週遊ぶぞ〜」といった“バラ色の未来”への思いも記されていた。同大学広報課は「書いてくれた人の合格を祈っている」と意気込むが、学問の神様、菅原道真公を祭る同天神は「御利益は平等」と絵馬のサイズでの“特別扱い”はしないという。

(上記記事より)

というわけで、やるな東洋大学広報課、という感じです。

オープンキャンパス来訪者のために絵馬を書くコーナーを設けている大学は、他にも聞いたことがありますが、東洋大学の場合は、「目立つサイズ」と「湯島天神への奉納」がポイント。
これだけデカけりゃ、メディアにも取り上げられるというものです。

ところで、今日の報道を見ていて思ったのですが、

「センター試験の出願が始まる。いよいよ受験生にとっては、勝負の季節になる」

……というトーンの記事が、少なくないです。
世間的には、まだまだ<センター試験に出願 = 受験スタート>という図式なのですね。

でも本当は、この図式はもはや、あまり成立しません。

今では、AO・推薦入試で学生の過半数を確保する大学が珍しくないからです。

■「AO・推薦で学生確保、私立大の一般入試入学者が5割切る」(読売オンライン)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070925i313.htm
■「平成19年度国公私立大学・短期大学入学者選抜実施状況の概要」(文部科学省)
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/19/09/07092611.htm

実際、本日の時点で既に、AO入試の合格発表があった大学もあるようです。
世間の受験イメージと、実際の受験の進め方に、相当の開きが出てきているようです。

元日の湯島天神の参拝客は、今後は減ってくるかも知れません。

以上、マイスターでした。

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(おまけ)

冒頭でご紹介した「蛍雪天神」が、記事で紹介されていました。

■「神楽坂の赤城神社『合格祈願の新名所に』」(読売オンライン)
http://www.yomiuri.co.jp/tabi/news/20051231tb06.htm

あまりにもズバリな組合せなものですから、思わず脱力してしまいましたが、企業がこうした事業に寄付をするということ自体は、良いことですよね。