マイスターです。
日曜日になりましたので、恒例のニュースクリップをお届けします。
法令違反は解消されたものの。
■「LEC大 再び改善要請」(読売オンライン)
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/news/20070928ur02.htm
資格試験予備校とほぼ同じ授業を行っていたなどとして改善勧告を受けた「LEC東京リーガルマインド大学」に対し、文部科学省は28日にも授業や組織体制について再び改善を求める「留意事項」を通知する。
(略)勧告後、同省が全国の14キャンパスを調査したところ、法令違反の状態は解消されていたものの、複数のキャンパスで、教室を間仕切りで三つに区切り、一つの教室で三つの授業を同時に行っていることが判明。また、大阪キャンパスには専任教員が一人もいないことなどもわかった。
このため、同省では、〈1〉カリキュラム編成〈2〉教員配置〈3〉授業で使うテレビ会議システム〈4〉学生への情報提供〈5〉施設設備――などの11項目について、急きょ、改善を求めることにした。
(上記記事より)
記事を読むと、「なんだか問題がありそうだなぁ」と思えます。
ところで、
「法令には違反していないけれど」、
(複数のキャンパスで)一つの教室で三つの授業を行ったり、
専任教員が一人もいないキャンパスがあったりする……んですよね。
それってなんとなく推察するに、「LEC大は、法令には違反しない、ギリギリの範囲を、故意に狙って運営している」ということなのでは。
うーん。
ちなみに「法令に違反していないけれど、文科省が改善を求める」という状況も、考えてみると、なんだかわかりにくいです。法的根拠とか。
(過去の関連記事)
・「文科省、LEC大に改善勧告へ 設置基準に違反の疑い」(2007年01月22日)
https://unipro-note.net/wpc/archives/50282439.html
・LEC大学の改善計画が発表されました(2007年02月24日)
https://unipro-note.net/wpc/archives/50292669.html
インターナショナルスクールのあり方も変化。
■「コリア国際学園が大阪に来春開校 大学進学にも注力」(SankeiWEB)
http://www.sankei.co.jp/kyouiku/gakko/070927/gkk070927000.htm
在日韓国・朝鮮人の子供を対象にした中高一貫のインターナショナルスクール「コリア国際学園(KIS)」が来年4月、大阪府茨木市に開校する。民族教育を中心とした既存の民族学校とは一線を画し、「現役合格」を“看板”に大学進学にも力を入れるのが最大の特徴。韓国語を中心に日本語、英語で授業を行い、学習指導要領にとらわれないカリキュラムを組むという。理事長には政治学者の姜尚中・東大教授が就任する予定で、在日社会の注目を集めている。
(略)授業は1日7時限で、土曜日も実施。夏休みや冬休みも短めで、年間の授業時間数は日本の公立学校の約1・3倍を確保する。狙いは国内外の大学への「現役合格」だ。
特に力を入れるのが語学で、英語は6年間を通して週に12時間学習。韓国語は初心者でも対応できるよう中学1年次に集中的に学び、卒業時には「自分の主張を語れるレベル」にまでもっていく。受験教科の指導などでは大手進学塾との連携も図るという。
こうしたカリキュラムには「コリア版エリート養成校」と批判する声もあるが、姜さんは「実践的な学力をつける試みであり、勝ち組のための学校にするつもりはない」と指摘。
(上記記事より)
インターナショナルスクールの位置づけが、時代の変化にあわせて、段々と変わってきているようです。
上記の「コリア国際学園」の場合、「大学への現役合格」にも相当、力を入れているとか。
■KIS:コリア国際学園
http://www.kis-korea.org/
最近では、インド式の教育を施すインターナショナルスクールも注目を集めていると聞きます。
「自国文化の教育」「民族教育」といった側面だけでなく、インターナショナルスクールが持つ「国際教育」や「特徴的でユニークな教育」という側面が、これからクローズアップされていくのかも知れません。
滞納こんなに!
■「奨学金滞納、2000億円超す・06年度」(NIKKEI NET)
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20070917AT3S0301E16092007.html
政府が大学生などに貸し出す奨学金事業で、返済が滞っている債権が2006年度末は前年度末より11%増え、初めて2000億円を超えたことがわかった。この7年で滞納額は倍増。滞納額の一部は一般会計から税金で穴埋めする。政府は回収強化策や事業そのものの見直しに向け、年内に有識者会議を設ける方針だ。
奨学金は親の年収などを審査した上で、無利子もしくは有利子で貸す仕組み。申し込みは年々増えており、利用者は昨年度末で約114万人。貸出総額は4兆7243億円に上る。
(上記記事より)
奨学金というのは、
「今は学費がないので、学んでから働いて返す」
という前提の上に成り立っている仕組みです。
その滞納が多いというのは、「学んでも返せない」からなのか。それとも「学んでも返さない」のか。
うーん、どっちにしても、良いことではありませんね。
(過去の関連記事)
・教育資金の調達に関する課題(2007年09月24日)
https://unipro-note.net/wpc/archives/50343245.html
アニメも学問に認定だそうです。
■「アニメは学問 国立大お墨付き 東京芸大、院に専攻新設」(SankeiWEB)
http://www.sankei.co.jp/kyouiku/gakko/070918/gkk070918000.htm
国際的に活躍できるアニメの監督や研究者を育成するため、東京芸術大学(宮田亮平学長)が大学院にアニメーション専攻を新設することが17日、分かった。芸大は文部科学省に設置を申請しており、11月に予定される大学設置審議会で正式決定される。大学院にアニメや漫画の専攻ができるのは全国で初めて。芸術系大学の最高峰に新設されることで、アニメの芸術性が学問的にも認められた格好だ。
文科省や大学関係者らによると、新設するアニメーション専攻は、日本の文化として認知されつつあるアニメを、より積極的に世界に発信していく狙いもある。
(略)東京芸大には美術学部、音楽学部とそれぞれの大学院があるが、平成17年、総合芸術大学への転身をはかるため、学部を持たない大学院だけの映像研究科を横浜市に新設。映画専攻とメディア映像専攻を設置し、黒沢清監督や北野武監督らを教授に迎えて話題になった。
(上記記事より)
東京芸大にコースができると、途端に、こういうタイトルの報道が流れるのですね。やはり芸大は「権威」ということでしょうか。
個人的には、マンガやアニメの教育・研究拠点づくりに力を入れた方が良いと思っているので、アニメコースの設立には賛成です。
ちなみに、芸術としての歴史がアニメより遙かに長く、伝統文化という側面もあり、世界で活躍する人材も多いわりに、いまだに芸大にないのが「演劇学部」。
パフォーミング・アートは、学問ではないということでしょうか。
こちらも、ぜひつくってあげてください >東京芸大関係者様
(昔は演劇と言えば「アングラ」「反社会的な活動」というイメージであったため国立大学で教えるということに対して反対意見が多かった、という説を聞いたことがありますが、さて真相はいかに)
容疑者つかまる。
■「米大学の銃撃で男子学生逮捕・殺人未遂容疑など」(NIKKEI NET)
http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20070925STXKC008525092007.html
米東部のデラウェア州立大で21日起きた銃撃事件で、同州警察は24日、殺人未遂などの疑いで同大の男子学生(18)を逮捕した。犯行を認めており、警察で詳しい動機などを調べている。
(上記記事より)
↓以前ご紹介した事件の続報です。
(過去の関連記事)
・ニュースクリップ[-9/23]「キャンパスで発砲事件、学生2人負傷 デラウェア州立大」ほか(2007年09月23日)
https://unipro-note.net/wpc/archives/50343003.html
進展があったのは良いことなのかも知れませんが、被害者が出ている以上、手放しでは喜べません。
強いて言えば、今回は大学側の対応も素早く、バージニア工科大学の教訓が活かされていたということが、救われる点でしょうか。
以上、今週のニュースクリップでした。
今週も一週間、本ブログをごひいきにしていただき、ありがとうございました。
今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。
マイスターでした。