このままだと大学進学後の中退者が増加しそうです

3月から始まった一斉休校の影響で、高校や大学の活動は大幅に制限されました。4月の今なお先行きは不透明なまま。GW明けまで休校とする学校が多いと思いますが、ではGW明けに平常運転できるかといえば、その保証もありません。現在は高校も大学も、関係者は「通常授業をどうするか」という最重要トピックに取り組まれていることと思います。手探りでオンライン授業に挑戦されている教育者の皆様などには、頭が下がる思いです。

私は普段、高校生の進路学習やキャリア学習に関わっています。高校教員にとっては進路指導や進路支援です。大学の方から見れば高大接続、入試広報、学生募集といった領域になりますね。こうした学びも当然、ストップさせるわけにはいきません。

特に新高校3年生にとっては本来、今は高校卒業後の大事な進路を決める時期です。仮に夏・秋頃までに具体的な進学先を検討するのであれば、リサーチに使えるのは春・夏まででしょう。

もちろん、高校1・2年生のうちから十分に時間を割き、自分の進路について調べ、進学先を検証し、着々と意志を固めてきた生徒もいるでしょう。その一方で

「まだ迷っている」
「まだ全然、考えてない」
「まだまったく、調べてない」

……なんて高校生も現実的には少なくありません。通常であれば春休み・夏休みには、大学や専門学校がオープンキャンパスを行っていますから、そこでえいやっと決めることもできたと思います(ギリギリのリサーチは個人的にお勧めしませんけれど……)。

しかし今年は、2〜4月に学校で行われる進路学習のための行事やイベントがことごとく中止・延期になっており、今後も実施の目処が立っておりません。個別の進路指導なども、延期されている通常授業のあおりで十分な時間を取れるか怪しい状況です。大学や専門学校のオープンキャンパスも、果たして開催できるかどうか、なんとも言えません。

ちょうど本日、こんな報道がありました。

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、萩生田光一文部科学相は17日、閣議後記者会見で、秋ごろに実施するケースが多い各大学のアドミッション・オフィス(AO)入試や推薦入試について「募集の時期を遅らせる必要がある」との見解を示した。これらの入試では、高校3年間の活動などを評価するが、感染拡大の影響で休校が長期化し、部活動の大会が実施できない地域も多いため、評価することが難しい状況になっている。

■大学AO入試や推薦入試「募集時期、遅らせる必要」 萩生田文科相見解(毎日新聞、Yahoo!NEWS掲載)

大学が受験生を評価することが難しい状況になりつつある、というのはその通りだと思います。加えますと、大学が受験生を評価するだけではなく、受験生も大学を評価するんです(忘れられがちですけれど)。そして本来なら、後者の方が順番的に先のはずです。

元々の予定では、これまで以上にじっくり進路を検討しなければ受験できない新入試が始まるはずの年でした。現状は、それどころか入試難易度の数字と、漠然とした広報イメージ以外に出願先のことをほぼ調べていないまま受験に突入する高校生がこれまで以上に増えそうです。

その影響は、いずれ大学や専門学校の側に現れます。いま、進学後に大学を中退する学生は8人に1人。いずれ別の投稿で詳しく触れたいと思いますが、「高校時代にちゃんと進路を理解していなかった」という方はかなり多いのです。

例年以上に家計が厳しい状況で進学する学生が増えそうなのに、例年以上に進学後の中退者が増える可能性が高いです。これは非常に危険な状況です。

大学も高校も、通常の授業をなんとか(オンライン教育などで)立て直すことに精一杯だと思います。そのため、上記のような状況に対するアクションの優先順位は低いかも知れません。ただ、こうした問題が起きつつあることを共有させていただければと思います。

別投稿にてまた改めて「こうしたらどうでしょうか」といった具体的なアイディアなどを随時、投稿していきたいと思います。