80周年記念「マンガ」を制作 文教大学

マイスターです。

先日、早稲田大学の周年事業をご紹介したばかりですが、今日は同じ周年事業でも、ちょっと珍しい取り組みをご紹介します。

【教育関連ニュース】—————————————–

■「文教大生たち、大学生活を描いた漫画本を制作」(Asahi.com)
http://www.asahi.com/komimi/TKY200710190176.html
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文教大の越谷(埼玉県)、湘南(神奈川県)両校舎の学生たちが学園創立80周年を記念して、大学生活をテーマにした漫画本を制作した。短編集で、課題研究やサークル活動、地域との交流など日々の生活を題材に、大学の歴史や特色を描いた。キャンパスの空気が伝わってくる記念誌に仕上がり、同大は大学紹介の冊子としても活用したいという。

(略)漫画本の制作は、越谷校舎にある教育学部の中川素子教授(美術)が提案した。授業で漫画を課題にすることもあり、「80周年を記念して形に残るものを作れたら」と美術専修の学生に呼びかけた。

越谷からは2、3年生11人と卒業生の漫画家1人が参加。神奈川県茅ケ崎市の湘南校舎からも情報学部の学生12人が制作に加わった。両校舎で作風は異なるが、共通しているのは学生の目線で見た大学生活。越谷の学生たちは過去を振り返り、認め合い、思いやる建学精神の「人間愛」もテーマにした。

越谷から掲載されているのは8編。かつての立正女子大を卒業した母親の思い出話と、それを聞いて入学を決めた学生の物語。地域交流のフリーペーパー作りの話、全国レベルの吹奏楽部の演奏を聴いて日常に流されていた学生が発奮する話など様々だ。

(略)冊子は同大出版事業部が発行。A5判、91ページ。非売品で初版は1000部を作成した。
(上記記事より)

文教大学は、80周年記念「マンガ」を制作したのですね。

↓大学のプレスリリースはこちら。

■ 「【大学】文教大学生による学園創立80周年記念マンガ 『ば・び・ぶ・べ・ぶんきょう』-マンガで読む建学の精神『人間愛』-」(文教大学)
http://www.bunkyo.ac.jp/newstopics/2007/newstopic47.htm

○周年記念の冊子というと、通常、大学史をまとめた分厚い冊子や、写真集のようなものが思い浮かびます。
マイスターは、そういった資料を読むのが好きな方です。学園の歴史を、適切なタイミングで、きちんとまとめていくことは、非常に大事です。

ただ、そういった周年事業は、基本的に大学関係者のための活動です。
こういった周年事業で制作される出版物の多くは、「詳細な記録を残す」という編集方針によるものですから、大学のことをよく知らない受験生などにとって、読みやすいものではありません。

でも、せっかく歴史的なタイミングを迎えたわけですから、どうせなら広くそのすごさを知って欲しいですよね。
それもできれば受験生の方に読んでいただけるようなものを作成して、大学に興味を持つきっかけにしてほしいところ。

というわけで文教大学では、なんとマンガを制作したのだそうです。

冒頭でご紹介した記事によれば、在学生達による短編集の形で、大学の歴史を伝えつつ、いまの大学生活も伝えるような内容に仕上がっているようです。

個人的には、どんな内容なのか、興味があります。
webサイトで公開されたりしないでしょうか。ぜひ読んでみたいです。

現在、初版1000部を作成し、10月17日に行われた創立記念式典で配布したとのことですが、この内容でしたら、やはり受験生に向けて配布しない手はないでしょう。

もちろん、マンガ形式が万能というわけではありません。
ただ、(作り手がしばしば忘れてしまう事実ですが)受験生というのは、複数の大学から資料を取り寄せているわけです。そして(残念ながら)取り寄せた大学のパンフレットすべてを、詳細に読み込んではいません。
さらに、大学のパンフレットはたいてい総花的で、「とりあえず大学のすべてを盛り込んでおこう」という方針で制作されています。その結果、どこが一番伝えたいポイントなのかわからず、印象に残らないままパラパラめくられただけで終わったりします。
うーん、大学関係者にとっては、あまり想像したくない事実ですね……。

ですから、ここだけは知って欲しいとか、こういう想いを共有して欲しいとかいったポイントはマンガ形式にしておけば、まだ読まれる可能性は高くなると思います。

それに、マンガにしようとすると、ストーリーを構成する必要がありますよね。
「自分達の大学を、どのようなストーリーで見せようか?」
と考えていく中で、自分達の強みや、普段あまり明確に意識していない魅力を再認識できるかもしれません。
制作に関わった学生にとっても、自分達の大学をよりいっそう好きになれるという点でも、いいかもしれません。

文教大学の場合、教員が学生に呼びかけて制作したとのことですから、大学の広報部や入試課はまだあまり関わっていないのかも知れませんが、せっかくこういった成果物ができたのですから、大学でうまく活用されるといいのではないでしょうか。

というわけで個人的に、ちょっと気になる取り組みをご紹介しました。

以上、マイスターでした。