本日は、昨日の続きです。
・大学のキャラクター活用(1):日本人の○○%はキャラクターが好き!?
http://blog.livedoor.jp/shiki01/archives/50166404.html
↑昨日の記事でキャラクターの活用について簡単に考えを述べさせていただきました。
今日からは、具体的な大学のキャラクター活用事例をご紹介していきましょう。
というわけで本日は、大学の「オリジナルキャラクター」について考えてみたいと思います。
大学が、自分達のためだけにデザインしたマスコットキャラクターや、イメージキャラクターですね。
では、さっそく見てみてください!
マイスターが小一時間ばかりネットサーフィンして見つけた、大学のwebサイトに出てくるキャラクターたちです。
大変お手数なのですが、画像をここに貼り付けると著作権に触れますので、リンクを一つ一つクリックしていただければと!
せっかく探したので、ぜひとも皆様に、一つ残らず見ていただきたい!(ワガママ)
——————————————————
■岩手大学イメージキャラクター「がんちゃん」
http://www.iwate-u.ac.jp/ganchan/index.html
■新潟国際情報大学マスコットキャラ「Nabbit(ナビット)」
http://www.nuis.ac.jp/shoukai/symbol/mascot.html
■新潟産業大学マスコットキャラクター「サンチャッカル」
http://www.nsu.ac.jp/nsu_j/news/media_20060104_1.html
■城西大学マスコットキャラクター(犀。名称なし)
http://www.josai.ac.jp/josai/news2005/mascot_tanjyo20050705.pdf
■城西大学大学院 経営学研究科ビジネス・イノベーション専攻「かわせみ君」
http://www.josai.ac.jp/~gsb/jbs/kawasemi.htm
■早稲田大学創立125周年記念マスコットキャラクター「WASEDA BEAR(ワセダベア)」
http://www.waseda-shop.com/about_bear.php
■東京理科大学創立125周年記念イメージキャラクター「坊っちゃん」
http://www.tus.ac.jp/news/2005/0513_2.html
■青山学院大学「イーゴ」
http://www.aoyama.ac.jp/agunews_archiv/vol_2/info_6.html
■嘉悦大学「ミミー」
http://www.kaetsu.ac.jp/News-j/02-04-03.html
■名古屋大学高等教育センター「ティップス先生」
http://www.cshe.nagoya-u.ac.jp/chr.html
■愛知文教大学キャラクター「あぶちゃん」
http://www.abu.ac.jp/abuchan.html
■奈良大学オリジナルキャラクター「こと」
http://www.nara-u.ac.jp/koto.html
■同志社女子大学キャラクター「VIVI」
http://www.dwc.doshisha.ac.jp/campus_info/vivi.html
■大阪国際大学マスコット・キャラクター「キャプテングロービー」他
http://www.oiu.ac.jp/gaiyo/mascot.htm
■関西大学(ふくろう と、記念事業に伴うキャラの募集)
http://www.kansai-u.ac.jp/Fc_com/blog/pages/symbol.html
■大阪学院短期大学「フェニックスくん」
http://www.ogjc.osaka-gu.ac.jp/guide/mascot.html
■兵庫教育大学マスコットキャラクター「ひょうちゃん」
http://www.office.hyogo-u.ac.jp/pro/koho/doc/logo4.html
■高松短期大学「かすがたぬきたーちゃん」
http://www.takamatsu-u.ac.jp/mascot.html
——————————————————
はぁ、はぁ、いかがでしたでしょうか?
見るほうも大変ですよね。一時間かそこらの調査でこれだけ見つかりました。
日本人がキャラクター好きというのは、大学の広報実態からも立証できそうです。
ところで全部見られた方に、ちょっとお聞きしたいのですが、
「ワシ(鷲)」を使っていた大学って、どこだったか覚えてます?
上の画面を見ないで、目をつぶって思い出してみてください。
正確に思い出せた方、ほとんどいないのではないでしょうか?
実は、ワシをキャラクターにしている大学は、上記に二つあるんです。
上記の18キャラクターのうち、7つが「鳥系」なんです。これじゃすぐに覚えられるはずがありませんよね。
別に、マイスターが鳥系のキャラクターを持つ大学を意図的に選んだのではなくて、しらみつぶしにご紹介していったらこうなりました。
鳥を大学のイメージキャラクターにしている大学は、探せばもっとあるんじゃないかと思います。
就職活動中の学生を、
「おいおい、こんな履歴書じゃ、誰の印象にも残らないぞ?
性格『物事に打ち込めるけど、集中すると周りが見えなくなります』って、世の中のほとんどの学生が、こう書くって知ってた?
当たり障りのないことばっかり書いても意味ないぞ。もっと差別化しなきゃ~。」
…みたいな指導でしごいている大学は多そうですが、おっとっと、実は自分達自身のアピールが差別化できていないみたいです。いけませんねー。
おそらく、
<21世紀に「はばたく」大学 → 鳥キャラ>
みたいなノリが背景にあるんじゃないかと思うのですが、その結果、文字通りキャラがかぶっていることに、関係者の皆様は注意してくださいね。
そもそも、昨日の記事で書いたとおり、大学に限らず、世の中は多種多様なキャラクターであふれているのです。
大学の外でも見かけるようなありふれたキャラクターでは、残念ながら、覚えてもらうことさえ難しいでしょう。
また、なんだか、Jリーグチームのマネをしたようなキャラが多いのも気になります。
露出度ではJリーグキャラにかなうはずがないのですから、似た路線は避けてしかるべきです。
わざわざ「Jリーグ風」にした結果、本来ビジュアル情報で大学を印象づけてくれるはずのキャラクターが、まったく意味を成さなくなってしまっています。
<キャラクターデザイン = マーケティング>
といってもいいくらいなのですから、みなさんも、まずは市場調査をしてみてくださいね。これ、大事です。
その他にも、個人的には、いくつか気になったことがあります。
■キャラクターが、webサイトにほとんど使われていない。
どういうことかと言いますと、
上記のキャラクターって、「本学のキャラクターはこれです!」といったプレスリリースで見つけたものがほとんどなんですよ。
もし、大学の広報にこうしたキャラクターが活用されているのなら、
大学公式webサイトのトップページにアクセスした時点で、画面のどこかにキャラクターがいてもいいはず、そう思いませんか?
昨日の記事で述べたとおり、キャラクターは、複数のメディアをつなぐ存在なのですよね。なのに、「大学パンフで使ってwebサイトでは使わない」とか、「気分が向いたときしか使わない」とかいうのでは、キャラクターの力はあんまり発揮されないのです。。
わざわざ大学の公式キャラクターを設定するのであれば、ちょっとくどいと思うくらいに活用したほうがいいと、マイスターは思うのです!
(早稲田大学の「ワセダベア」などは、漫画家の弘兼憲史氏デザインだそうですが、早稲田関連のイベントや広報でちらほら見かけます。意識して使われていて、効果的だと思います)
またその意味で言うと、「あまりにかわいすぎるキャラクターデザイン」は、使えない場面が多いので、なるべく避けた方が賢明だと思います。
企業の一時キャンペーンと違って、大学のキャラクターはある程度長い期間、ずっと広報で使われるのですから、どんな場合でも使えるキャラクターこそ理想なのです。
大学のトップページに表示したり、学内で使う封筒などに印刷したりするのがためらわれるような、過度にキャピキャピしたキャラクターは、作っても使えませんからね。使えないのでは、あまり意味がなく、せっかくなのにもったいないです。
(逆に言うと、一時的なキャンペーンや記念事業のためのキャラクターは、インパクトのあるデザインの方がいいです!)
■キャラクターが統一されていない場合がある
上記だと、残念ながら、城西大学の事例がそれにあたります。
大学のキャラクターに加えて、特定の大学院のキャラクターがあるという状態なのですが、なるべくこうした事態は避けたほうがいいですよ。
どちらも(失礼ですが)まだまだ世間一般に定着していないのに、キャラクターが林立していては、存在を打ち消しあうだけになっていまいます。
しかも悪いことに、「サイ」と「かわせみ」ってのが、また見事に全然関係ないキャラクターなのですね…。
犬と狼とか、クジラとイルカとか、イメージがまとまる組み合わせならまだいいのですが、サイ&かわせみでは、どんなイメージを打ち出したいのかがわかりませんよね。見た方が、かえって混乱してしまいます。
キャラクターは一つに絞るか、もしくは、「全員さかな系」「全員、森の動物」みたいに、イメージを統一できるような1セットで売り出してみるといいかもしれません。
■無理してゼロからひねり出したような(?)キャラクターが多い
動物をそのままキャラクターにした大学が非常に多いのですが、その動物は、その大学に何かゆかりがあるのでしょうか?
おそらく、ほとんど関係ないですよね。
かわいいのはかわいいのですが、発注したイラストレーターの「オリジナリティ」に任せたという印象の、無難な動物ばかりになってしまっています。
これらを見る限り、
<キャラクター活用 = かわいいイラストを多様すること>
と、大学業界のみなさまが考えているんじゃないかと思います。
(もしくは、Jリーグに影響を受けすぎてしまったか、です)
せっかく、大学には歴史があるのですから、そうした「従来からあるイメージ」をもっと活かせばいいのにとマイスターは思うのですよ。
今回ご紹介した事例の中で個人的に最も良いと思ったのは、東京理科大学のキャラクターなのですが、それは自分達の持っているイメージ資産をちゃんと活かしていると思えるからです。
■東京理科大学創立125周年記念イメージキャラクター「坊っちゃん」
http://www.tus.ac.jp/news/2005/0513_2.html
夏目漱石の小説「坊ちゃん」の主人公が、東京理科大学(当時は東京物理学校)の卒業生として描かれているのは、知っている人は知っている事実です。
それを素直にキャラクターとして立ち上げた訳ですね。
「坊ちゃん」を知っている人には、「理科大=坊ちゃんの母校」のイメージを刷り込み、愚直に学問にまい進する、いい意味で真面目な教師のイメージを与えられます。
(実際、今でも理科大の卒業生で教員になる方は多く、大学がアピールしたいポイントの一つなのです)
「坊ちゃん」を読んでいない人、理科大を知らない人でも、夏目漱石の小説の名前くらいは耳にしたことがあるでしょうから、正体不明の動物イラストなんかよりは、ずっと印象に残るはず!
あ、上述した「未来にはばたく大学→鳥」みたいな、強引な意味づけはNGですよ。
他のどの大学でも当てはめられるような理由付けですと、キャラだけ見て「あぁ、○○大学ね」と連想させることができませんからね。
岩手大学の「がんちゃん」は、その意味ではいかにも岩手っぽくていいです。
せっかくだから、もっと活用してあげていただきたいなと思います。
…とあれこれ書いていたら、長くなってまいりました。
大学のオリジナルキャラクターについては、このくらいにしておきますね。
公式キャラクターは、大学のあらゆるところで使われて、その大学のイメージの一翼を担う存在であるはずです。
「作って満足」ではなくて、せっかく作ったら、ちゃんと使ってあげてください。
そして、使うならぜひ、徹底的に使ってあげてくださいね。
卒業する学生達が、キャラとの別れを惜しみ、おもわず購買でぬいぐるみを購入してしまうくらい浸透させたら、オリジナルキャラクターとして機能している状態だと思います。
以上、マイスターでした。
———————————————–
注:ギフレンジャーもある意味、大学オリジナルキャラクターかな、と思って岐阜経済大学のwebサイトを見てみたら、サイトがリニューアルされて、レンジャーがなくなっていました。
解散しちゃったんでしょうか…残念です。
(というか…自分がここで紹介したのが消滅の原因でないことを祈ります(汗))
(関連記事)
・大学のキャラクター活用(1):日本人の○○%はキャラクターが好き!?
http://blog.livedoor.jp/shiki01/archives/50166404.html
・大学のキャラクター活用(3):人気キャラクターを自校の広報に利用する
http://blog.livedoor.jp/shiki01/archives/50166950.html
おひさです
記事おもしろく拝見しました。
某大学の○ーミンとか、たまに渋谷駅ジャック
していて、すごいなーと思いますけど
ああいうのもキャラクター戦略ですかね。
まとめて掲載していただき、
見やすくありがたかったです。
これらを見ながら、
このキャラクター達が戦ったら
どれが一番強いんだろう…
などと考えたりしてしまいました。
各大学の威信をかけて
紙相撲大会やムシキングのように
してもおもしろいかも。
そういえば、先日のTVでも
ベネッセのしまじろう戦略について
やっていましたね。
立正大学では、RISSHOの頭文字で「リス」をシンボルキャラクターとしているようですよ。
大学のアドレスも、http://www.ris.ac.jp/ですしね。
元々は「Rissho Information System」の略だったようですが、語感が良いこともあって、キャラクターになったようです。あんまり表に出ていないのが残念ですけどね。
鳥以外のキャラクターとしては貴重かもしれません。
愛知県にある一宮女子短期大学にも「商標登録」されたキャラクターがあります。
その名も「イッチー」。(白熊がモチーフになっています。)
一般企業では当たり前の「キャラクター」ですが、教育業界では浸透が遅すぎると思いますね!