大学のキャラクター活用(1):日本人の○○%はキャラクターが好き!?

平均的な日本人の男の子として、小さな頃は、「○○戦隊」みたいな番組を見ていたマイスターです。

最近はイケメンの起用が多いらしく、若いお母様方もよくこうした番組を観ているそうですね。
しかし、少なくとも20ウン年以上経っているのに、赤、黒、青、黄、ピンクといった配色構成がほとんど変わらないのは、すごいというか、手抜きというか、とにかく驚きです。

デパートのおもちゃコーナーを通り過ぎる時にそれとなくリサーチしてみると、巨大ロボットらしきものも相変わらず売られているようですし。

 ○なぜか色違いで無意味に5人もいる(怪人1人に対し、いつも多勢に無勢だという指摘はタブー)
→○おそろいのバイクや剣を一応持っている(が、それで敵を倒すことはあまりない)
→○5人そろっての必殺武器がある
→○倒したはずの敵が、なぜか必ず巨大化して蘇る
→○毎回、最後は必ずロボットに乗って敵をやっつける

…という戦隊モノ番組の流れのすべてが、番組スポンサーであるおもちゃメーカーの巧妙な策略であることに気づいたのは、こうした番組を見なくなってから10年以上経った頃でした。
マイスターの予想ですが、この流れ、きっと今もあんまり変わっていないのでしょうね。

核となるのは、キャラクターの骨組みと、それに付随するストーリーの「流れ」のみ。骨子はそのまま使いまわしで、ディテールだけ着せ替えているようなものです。
メーカーはたった一つのビジネスモデルで、2~30年間は利益を上げ続けているわけで、実においしい話です
「戦隊モノ」を最初に考えた人は、文字通り、おもちゃ界のヒーローでしょうね。
ちょっとの変更だけでリユース可能という点では、キャラクタービジネスの中でも、傑出したモデルではないかと思います。

ストーリーではなく、キャラクターがコンテンツの核であるという点でも、キャラクタービジネスの王道であると言えましょう。
と言うのも、こういうコンテンツは、他のメディアにコピーしやすいのです。

遊園地の戦隊ショーなんて、ストーリーなんかどうでもよさそうでしょ?
ただただキャラクター見たさに、子供が親を行楽地まで引っ張って来てくれるんですから、こんなにおいしい話はありませんよね。
映画にする時も、マンガにする時も、グッズにする時も、キャラクターがあればとりあえず何とかなってしまうのですから、すごい汎用性の高さです。
政府が、コンテンツビジネスの育成を掲げるのも、よくわかります。

というわけで今日は、日本社会の特徴的な文化の一つである「キャラクター」と広報との関係、大学との関わりについて考えてみたいと思います。

しかし、こうして思い返してみると、
「じゃじゃまる、ぴっころ、ぽろり」や、こうした「戦隊モノ」を皮切りに、
ドラえもん、ディズニー、ジブリ作品、ガンダムなどなど、
これまで一体どれだけ多くのキャラクターに触れてきたんだろうかと思います。

マイスターだけではなく、日本人なら、みんなキャラクターが身近にある生活を送ってきているのではないでしょうか。

小さな時に持っていたキャラクタープリント入りの靴やカバン、小学校時代の筆箱やノートや学習デスク、ぬいぐるみやキーホルダー、ポストペットから最近では携帯の待ち受け画像まで、身につけてきたキャラクターの人数を数えたら…

恐らく平均的な日本人は、少なくとも百種類程度はキャラクターを知っていると思います。
大人も子供もおねーさんも、好きなキャラクターのひとつやふたつ、あるでしょう?

そう、日本人は、世界でも類を見ないくらい、キャラクター大好きな国民なのです。

87%の日本人がキャラクターを好きな理由―なぜ現代人はキャラクターなしで生きられないのだろう?

上記は、バンダイ・キャラクター研究所が、精神科医の香山リカ氏と協同で進めたプロジェクトを、書籍にまとめたものです。

■「87%の日本人がキャラクターを好きな理由: キャラクターと日本人の奇妙な関係」(バンダイ・キャラクター研究所)
http://www.chara-labo.com/87.html?blog_id=393964

書籍の内容は、「なぜ好きなのか?」という原因の分析に関する部分が多いので、ご興味のある方だけご一読ください。

ここで訴えたいのは、「87%」の部分!
いや、ほんとスゴイ数字です。

(マンガ&アニメ大国だから、キャラクター好きな人が多いのか、それともキャラクター好きな国民性が、マンガやアニメの文化を育てたのかは、ここではおいておきます)

実際、キャラクター好きが暮らす我が国では、企業も、キャラクターを活用して消費者の心をゲットする試みに余念がありません。
「消費の対象としてのキャラクター」は、今や、産業の重要なファクターとして位置づけられています。

それというのも、キャラクターには、あらゆるメディアを横断的に結びつける特性があるからです。

・テレビ
・マンガ
・アニメ
・ゲーム
・映画
・グッズ
・音楽
・待ち受けキャラクターなど、キャラクター価値そのものの販売
・ある製品を差別化するための素材
・ある製品の宣伝やPR活動を差別化するための素材

キャラクターには、強いイメージによって、上記のような多様なメディア、多様な役割を、容易にカバーしてしまう力があるのです。
したがって広報の視点で見ても、キャラクターは、非常に重要な要素なのです。

キャラクターを使わずにこうしたメディア展開を行うのは、困難です。
レベルの高いコピーライターや、凄腕のアートディレクターをもってしても、統一された強力なイメージを作り出すというのは、大変なことなのです。

今の世の中で、キャラクターを使ったビジネスやサービスがいかに多いかを考えれば、みなさんもキャラクターの強力さはおわかりでしょう。

マイスターは賭け事は一切やらないのですが、パチスロの店舗の前を通ると、

「この中で、夏休み子供アニメ映画祭でもやってるのか?」

と思ってしまうくらい、キャラクターのポスターが多いですよね。
キャラクターが、大人に対しても強力な訴求力を持っていることの、一つの証左でありましょう。

そんなわけで、
製品企画の担当は、キャラクター製品の開発を、
広報担当者は、キャラクターを活かしたPRの手法を、
コンテンツ担当者は、新しいキャラクターの創造を、それぞれ仕事として真剣に考えているわけです。

となれば、大学も、そうした「キャラクターの特性」に通じた人材を育成してもよさそうです。

で、実はちゃんと四年制大学に、キャラクターデザインを専門に扱う学科があるのですね。

「■大阪芸術大学 キャラクター造形学科」(大阪芸術大学)
■日本のアニメや漫画が、世界の大学生に与える影響
http://blog.livedoor.jp/shiki01/archives/50059242.html

以上、今日は「キャラクター」を活用することで生まれるパワーをご紹介しました。

ところで、ここまで読まれて、

大学も、キャラクターを広報に活かさぬ手はないじゃないか!

と、思いましたか? 思いますよね。

というわけで、次回は、「大学のキャラクター活用」について考えてみたいと思います。お楽しみに。

以上、マイスターでした。