マイスターです。
日曜日になりましたので、今週も一週間の教育ニュースの中から、いくつかを選んでご紹介します。
【一足お先に。】
■「工事用フェンスはキャンバスだ? 京都精華大」(Asahi.com)
芸術やマンガなどの学部を持つ京都精華大(京都市)で4月から始まった本館工事用の白いフェンスに早速、何者かが絵を描き、「キャンバス」と化している。
(略)今年は同大学の前身の短期大が開学して40周年。秋にはこのフェンスに記念のペイントを考えていたという島本浣(かん)学長は「先を越された。センスのいい絵は残したい」。
(上記記事より)
芸術系の学部を持つ大学らしいニュース。
学長の「先を越された」というコメントが、何か良いですね。
【双方とも気をつけて。】
■「茨城大:教授の入力ミスで卒業不可扱いに /茨城」(毎日.jp)
茨城大で今春、指導教授の成績入力ミスから、卒業見込みの人文学部の男子学生が卒業不可の扱いとされていたことが24日、分かった。3月25日の卒業式当日に卒業証書を受け取ることができなかった本人の指摘でミスが発覚した。大学は当日に卒業を認める措置を取り、学生に謝罪。後日、証書を郵送した。
茨城大によると、学生は昨年4月の履修登録時に、卒業論文の成績に当たる「卒業研究」の登録を失念。今年2月中旬に未登録であることが分かり、大学側が追加登録を認めた。しかし、所属するゼミの担当教授が、この単位について学内のコンピューターシステム上の成績入力をし忘れ、卒業判定会議でも「卒業不可」となっていたことを見落としたという。
(上記記事より)
最終的には担当教授のミスですから、大学側が謝罪したのは適切だと思います。
ただ、どの大学でも通常、履修登録を行った直後に、必ず登録結果の確認をさせるはずです。それも4月に登録した科目なら、後期(秋期)の授業が始まる9~10月頃にも、確認の機会があったと思います。
2月のギリギリになってから言い出すのではなく、早期にちゃんと自分で確認をしていればこういったエラーは減らせますので、学生の皆さんも気をつけましょう。
【園児向け 学生による「ぬいぐるみ病院」。】
■「キャンパる・なにコレ!?:北里大学『ぬいぐるみ病院』」(毎日.jp)
「ぬいぐるみ病院」とは、2004年に発足した北里大学公認の部活動で、現在の部員は34人。医学部など6学部の学生が参加している。主な活動は、大学周辺の保育園にて、ぬいぐるみが患者役、園児がぬいぐるみの親役、学生が医師や看護師、薬剤師などになり「病院ごっこ」をするというもの。
「ごっこ」といっても本格的だ! まず、園児に患者の症状などを問診票に記入してもらう。次に、学生が診察・治療などを行う。このとき使用する聴診器や注射器などは本物。「リアリティーを出したくて」と前代表の伊東妙希子さんは語る。
最後に、園児は薬を処方してもらい、カルテと共に持ち帰る。3日後、学生はカルテを回収し、園児が帰宅後も看護できたかを確認する。
活動の目的の一つは、医療への恐怖感の緩和。例えば「注射はダメ!」とぬいぐるみへの治療を嫌がる園児もいる。しかし、「ぬいぐるみの○○くんが早く元気になるためなんだよ」と説明すると「そうなんだぁ!」と納得してくれるという。また、園児が親役になることで、思いやりの心が育つと保護者からも好評だ。
さらに、毎回テーマを変えて保健教育も行っている。目的は、園児に良い生活習慣を身につけてもらうこと。このとき使う人体模型などはすべて学生の手作りだ。「温かみのある指導をしたいから」と伊東さん。以前、手洗いの大切さを説明した翌日には水道に行列ができたとか。園児に思いが届いている証拠だ。
一方、学生側からも「コミュニケーションの取り方一つで園児の反応がまったく違い、勉強になる」「硬くなっていた子が笑顔になると手応えを感じる」との声が。医療人を目指す学生たちにとっても貴重な体験になっている。
(上記記事より)
なんて素敵な活動でしょうか。
医師役をする学生の皆さんにとっても、勉強になりそうですが、園児達や保護者の方に喜ばれそう。
マイスターはこれまで知らなかったのですが、「ぬいぐるみ病院」というのは世界的に行われている活動なのだそうです。
ぬいぐるみ病院という活動はメジャーな活動ではまだありませんが、世界規模で行われている
活動で、日本でも北里の他に筑波大、福井大、東海大などでも行われています。立ち上げ最
中の大学も数校あり、少しずつですが広がりつつある活動です。
この活動は、子ども達に看病やケアの気持ちを養ってもらうことや知らないことから生じる医療に
対する恐怖感を緩和することを目的としています。
(上記記事より)
意義のある活動ですね。
自分が園児の親なら、ぜひ連れて行きたいです。
【人材獲得もねらい?】
■「イオン、中国の清華大に奨学金制度創設」(nikkansports.com)
イオンは中国・北京市の清華大学に奨学金制度を創設する。流通業で働くことを希望する大学生と大学院生が対象で、9月から1年間支給する。奨学金の総額は約450万円。来年9月以降も同制度を継続するとともに、ほかの大学にも広げる方針だ。
(上記記事より)
最近、日本企業が海外、特に中国の大学に対して奨学金を出すようになりました。
学術支援やイメージアップなど、目的は色々でしょうが、最終的には「あちらの大学から、優秀な人材を獲得できれば」という想いがあるのでしょう。
日本向けの奨学金が減らされないよう、私達もがんばりましょう。
【巨額寄付。】
■「米ハーバード大に100億円の寄付」(nikkansports.com)
米名門ハーバード大(マサチューセッツ州ケンブリッジ)は25日、米大富豪のデービッド・ロックフェラー氏(92)から総額1億ドル(約100億円)の寄付を受けたと発表した。同大出身者からの寄付金としては過去最高額。
同氏は伝説的な実業家、故ジョン・ロックフェラーの孫で、ロックフェラー家を率いている。同大を1936年に卒業し、寄付に当たり「ハーバードは私の目と心を世界に開いてくれた」との声明を出した。
同大によると、1億ドルのうち7000万ドルは学生の留学支援に、3000万ドルは芸術教育支援に用いられるという。
(上記記事より)
海外での大学に対する巨額寄付のニュースは、しばしば報じられます。
今回は、ハーバード大学。
「ハーバードは私の目と心を世界に開いてくれた」というコメント付きです。大学の方々が聞いたら、感激するでしょう。
学生の目と心を世界に開くような教育をしたら、そのうち巨額の寄付がやってくる……かどうか保証はありませんが、少なくともコメントの方はもらえるようにがんばりましょう。
以上、今週のニュースクリップでした。
今年も朝日新聞出版から、『大学ランキング』が発売されました。
昨年に引き続き、さりげなくマイスターも書かせていただいています。
よろしければ、見てみてください。
今週も一週間、本ブログを読んでくださいまして、ありがとうございました。
来週も、お互いがんばりましょう。
マイスターでした。
※この記事は、現役高校生のための予備校「早稲田塾」在籍当時、早稲田塾webサイト上に掲載したものです。