マイスターです。
少し前のニュースですが、興味深い報道があったので、ご紹介します。
【教育関連ニュース】—————————————–
■「大阪市、米カーネギーメロン大大学院の研究拠点を誘致へ」(Asahi.com)
http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200704190043.html
————————————————————
コンピューターなどの分野で世界最高水準と言われ、ノーベル賞受賞者が輩出している米国・カーネギーメロン大大学院(ペンシルベニア州ピッツバーグ)の海外拠点を、大阪市が誘致する。世界的な頭脳の「輸入」で関西の地盤沈下に歯止めをかけたい考えだ。大学側もアニメ分野などで高い水準を誇る日本への進出に前向きとされ、関淳一市長自ら24日に渡米し、大学側と折衝する。
市が誘致するのは、科学技術と芸術の融合をテーマとする同大学院の「エンターテインメント・テクノロジーセンター」。約120人の院生が、ウォルト・ディズニー社やイーストマン・コダック社と提携し、ゲームソフトやテーマパークのアトラクション、舞台芸術装置などの開発に取り組んでいる。外部からの開発依頼も多く、01年9月の同時多発テロを教訓に、爆発物や毒ガスなどの特殊な災害下での対処法をゲーム形式で学ぶ消防士訓練シミュレーターを、ニューヨーク市消防局と共同で開発した実績もある。
企業での実地研修を重視しており、すでに海外での研修の足場として、オーストラリアとシンガポールに拠点がある。
大阪市は30~50人の院生が、それぞれ半年~1年半程度滞在するプログラムを想定。任天堂や松下電器産業、シャープなどの大手企業に加え、中小のソフトメーカーなどでの研修を見込んでいる。企業側にも、院生の独創的なアイデアを製品開発に生かせるメリットがあるとみている。JR大阪駅北側の梅田貨物駅(北ヤード)再開発で計画しているロボット研究開発拠点も活用してもらいたい考えだ。
(上記記事より)
元記事にもありますが、カーネギーメロン大学はコンピューター・サイエンスで非常に高い評価を得ている大学です。日本の研究者や開発やの方にも、この大学で学位を取ったというかたは結構おられるのではないでしょうか。
(実は芸術系の評判も良く、ポップアートの旗手アンディー・ウォーホルの出身校だったりもするの
ですが、とりあえずここでは置いておきましょう)
そしてこのカーネギーメロン大学、すでに「日本校」を開設済みなんですね。
■カーネギーメロン大学日本校
http://www.cmuj.jp/index_jp.html
(過去の関連記事)
・黒船来航? 文部科学省より『外国大学の日本校』として正式に指定を受けている大学(2006年01月11日)
http://blog.livedoor.jp/shiki01/archives/50131590.html
この日本校、現在は大学院「情報セキュリティ研究科」修士課程のみですが、世界トップクラスの大学がついに日本に学びの場を開設してきたかー! というインパクトはありました。
日本人の学生(社会人学生含む)が、日本にいながら世界トップレベルの教育プログラムを受けられるなんて、良い時代になったなぁと思いました。
さて今回の報道は、アメリカの学生達が、日本に来て学ぶための拠点作りについてです。特に、企業と組んでの研修です。
これまた、良い時代になったものです。全米トップのカーネギーメロン大学の学生達が、日本の大阪にある企業を訪れて、研修するのですからね。
カーネギーメロン大学側は、特に日本のアニメ産業について期待を寄せておられるとのこと。日本発の漫画やアニメは世界的に成功を収めている産業ですが、こうして海外から研修生を受け入れるまでになったとなると、いよいよ産業としても芸術としても一段上のレベルに来たと言えそうです。
逆に言えばこれらの産業は、売り込み方次第で、世界トップクラスの有名大学を誘致できてしまうくらいのレベルにあるということなのかも知れませんね……。
日本の潜在力にちょっと気づかされるニュースではないでしょうか。
以上、マイスターでした。