現地の学生達と共同で、英語を使って(!)都市デザインを提案するプロジェクトを進めるという内容でした。その間の宿泊先は、向こうの大学寮。寮と言いつつ、実際には10階建てぐらいのマンションでした。
食事には困りませんでした。さすが食の国、学食が充実しているのですよ。学食なのに、厨房にニワトリ丸ごととか、豚の足とかがぶら下がってましたし。
ワークショップ自体は、一週間程度の滞在で終わりました。最終日はインターネットを使って日本の講評会場と中継をつないでの発表。マイスターも苦手なりに、身振り手振りを交えながら、なんとか英語で必死にプレゼンしました。
あまりの必死さがおかしかったのか、会場は爆笑(本人は真剣)。日本会場にいるマイスターの指導教員が一番笑っていたのが、印象的でした。
(中継なので、3秒遅れのタイミングで笑ってました)
ともあれ現地での生活は快適でした。都市部にある割にはキャンパスも広くて、面白かったです。
このまま母校での講義が始まるまでここに滞在して、デザイン案を練りながら過ごすのも悪くない、そう思えた22歳の夏でした。
大学同士が交流協定を結んでいて、例えば現地の大学内に母校の教育交流拠点があったりしたら、もっと頻繁に、そんな体験ができるのかも知れません。
【教育関連ニュース】—————————————-
■「同志社大学とスタンフォード大学との学術協力及び学術交流に関する協定について」(同志社大学)
http://www.doshisha.ac.jp/news_contents/kyotei.php
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このニュース、大学職員.net -Blog/News-でも取り上げられていました。
■「同志社大学 スタンフォード大学との学術協力」(大学職員.net -Blog/News-)
http://blog.university-staff.net/archives/2006/0704/0007post_485.html
同志社大学とスタンフォード大学が、学術協力及び学術交流に関する協定を締結いたしたとのことです。同志社大学が出したプレスリリースによれば、その内容は以下の通りです。
○「スタンフォード日本センターStanford Japan Center」のオフィスを、同志社大学今出川校地内の明徳館2階に設置。スペースは、事務室、教室、図書室などの7室で、総面積は約200㎡。その他に、同志社大学は、優先的な使用権をもつ教室2室などの施設をSJCに無償で提供。
○SJCの教育プログラムであるSCTIの学生に対して、同志社大学は外国人留学生(特別学生)の身分を付与。それによってSCTIの学生は、図書館やネットワークなどの利用など、同志社大学の学生と同じように同志社大学の教育施設・資源を活用することが可能となる。
○スタンフォード大学は、同志社大学の大学院学生2名を毎年度授業料免除の非正規学生として受け入れる。希望すれば正規の科目履修成績証明書を得て同志社大学での単位認定を申請することも可能。
こうした取り組みの意義として、以下のような点が強調されています。
○SCTIの学生は、同志社大学のキャンパス内での生活、学習を通して、同世代の日本の学生との知的・精神的交流の機会を得て、その相方の文化についての理解・交流を豊かにすることができるようになる。
○同志社大学の学生は、AKPプログラム、テュービンゲン大学日本プログラム参加の優秀な留学生に加えて、SCTIの学生を迎え入れることで大きな知的刺激を受けられる。また、国際的視野を拡げられる。
○同志社大学およびその関係組織と連携することで、SJC-R(Stanford Japan Center-Research、SJCの研究部門)と同志社、双方の研究の量的、質的活性化が図られる。
拠点を構築しての学術交流には、研究者同士のための交流もあります(というか、そういう交流の方が多い気がします)。そういったケースでは、一般の在学生には正直言って、拠点の開設はあまり関係がありません。しかし今回の同志社大学の場合、リリースを読む限りでは「大学院生同士の交流」ということです。ですから、同志社の在学生の皆さんにとっても、ひょっとすると何かしら影響があるかも知れませんね。
もともと同志社大学は、Associated Kyoto Program(AKP)という団体の活動拠点としての実績を持っているとのこと。
(AKPの公式webサイトは↓こちら。不思議なオーラが漂うデザインです)
■「Associated Kyoto Program」
http://www.associatedkyotoprogram.org/
このAKPは、同志社大学によれば「米国トップクラスのリベラル・アーツカレッジで構成される日本研究のための大学連合体」だそうです。
「スタンフォード日本センター」のオフィスが、同志社大学のキャンパス内に開設された背景には、こうした活動が成果を上げていたことも関係しているのでしょう。
今回、同志社のキャンパス内にスタンフォードのセンターができたことで、両校の交流はより活発になると期待されています。ちょっとしたサテライトキャンパスと呼べる程の面積を持っているようですから、サマープログラムなどを始め、色々とできることがあるでしょうね。
互いに学生を交換する仕組みもできたとのことですから、双方の学生にとっては、願ってもないチャンスですよね。スタンフォードで日本研究に興味を持っている学生にとっては京都という立地や、同志社大学の持つ研究資産は魅力でしょう。同志社大学の学生にとっても、スタンフォードでの研究生活は、いい経験になると思います。
もっとも、実を言うとスタンフォードの学生は、このAKPの活動の他にも日本の様々な学術活動にアプローチしておりました。さすが、世界のスタンフォード大学。選択肢、いっぱいあります↓。
■「Study Abroad Programs in Japan」(Stanford Japan Guide)
http://jguide.stanford.edu/site/us_university_language_programs_in_japan_296.html
今後は、スタンフォード大学にとって同志社大学が「特別の存在」となるのかも知れません。しかし学術交流というのは、何よりも「人」が命です。交流が活性化し、スタンフォードから学生が次々に訪れるようになるかどうかは、今後の両校の取り組み次第なのでしょう、きっと。
(そのあたりで、AKPでの実績が生きてくるのでしょうね)
ところで、冒頭のニュースが流れる数日前には、↓こんなニュースも流れていました。
【教育関連ニュース】—————————————-
■「三田キャンパス東別館に延世大学東京オフィス開所」(慶應義塾大学・2006年6月27日)
http://www.ogi.keio.ac.jp/news-yonseitokyooffice.html
■「韓国 延世大学に慶應ソウルオフィス開設」(慶應義塾大学・2006年3月31日)
http://www.ogi.keio.ac.jp/news-seouloffice.html
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慶應義塾大学が、韓国の名門大学である「延世大学」との学術交流の一環で、三田キャンパスに「延世大学東京オフィス」を開設したとのリリースです。
さかのぼること3月には、慶應義塾大学のオフィスが、延世大学のキャンパス内に解説されています。
お互いのキャンパス内に、お互いのオフィスを開設するのですから、両校はかなり密接な協力関係にあると言えそうです。
ただ、「何のために」開設するのかについては、
1970年来の交流の歴史を有する同大学と義塾との更なる協力、連携活動を進めるために設置されました。
(略)
今後、同オフィスを韓国における義塾の教育、研究活動の拠点として活発に活用する方向で準備を進めていきます。(上記リリースより)
……としか書かれていませんでした。
もしかするともう既に、どのような日程でどのように研究・教育交流が行われるか、決まっているかも知れません。
韓国の名門校が、東京という立地を手に入れて、これからどのような活動に着手するのか。
日本の名門校が、どのような戦略のもと、ソウルの名門大学キャンパス内に拠点を構築したのか。
これは、気になりますね。
これから両校がどう動くのか、ちょっと楽しみです。
以上、本日は、「海外の提携大学キャンパス内に、オフィスを作る」という報道をご紹介しました。
ともに、ごく最近の報道。
最近はダブルディグリー等の取り組みも急速に増えているようですし、なんだかこの数年、急速に大学の海外提携が普及している気がします。
海外の大学同士で互いのキャンパス内にオフィスを開設しあうという行為も、今後、流行ったりするのかも知れませんね。
以上、マイスターでした。
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(おまけ)
■「東京大学 アサツー ディ・ケイ中国育英基金による奨学生の募集」(東京大学)
http://www.u-tokyo.ac.jp/res03/i01-3_j.html
今回、あれこれ調べている中でたまたま見つけたリリース。
日本の広告代理店が、中国のエリート大学の学生達に奨学金を拠出する理由を、色々想像してしまいました。
早稲田大学も中国の北京大学や韓国の
高麗大学、アメリカでもオレゴンオフィスや
フランスのパリ政治学院にオフィスを持つなど
かなり海外協定校の中にオフィスがあります
よ。一度調べてみてはいかがでしょうか?