マイスターです。
最近、こんな企画が話題になりました。
【今日の大学関連ニュース】
■「キャンパる・なにコレ!?:立教おもちゃ缶」(毎日jp)
「5月9日(土)立教おもちゃ缶、当たる。」
何だろうと、つい立ち止まってしまうようなポスターが4月20日、立教の全キャンパスに張り出された。
この企画は、立教学院創立135周年記念企画の一つ。160枚のトランプが張られた巨大ポスターが5月9日、立教大学から小学校まで「オール立教」の各校に計36枚、設置される。そのトランプの中から立教創立者であるウィリアムズ主教のカードを見つけると、「立教おもちゃ缶」がもらえる--というもの。
しかし、企画実施の前日まで詳細はシークレット。じらされた学生たちは、5月8日に詳しい内容が書かれたポスターに張りかえられると情報収集に奔走。各キャンパスの窓口には問い合わせが殺到した。大学側のじらし作戦の効果と言えそうだ。
当日は大盛況。設置場所に人山ができ、ポスター設置中にトランプを取り始める学生や、1人で何枚も取ってしまう学生が出るほどだった。当たり缶の総数は107個。中身は、トランプセットやシールなど立教のオリジナルグッズ。トランプには、立教にまつわる40種類のトリビアが書かれており、外れても楽しめるようになっている。
(上記記事より)
「立教おもちゃ缶」。
立教学院が行った企画で、正式名称は、「デザインポスタープロジェクト」です。
企画の詳細については上記のページ、および以下のプレスリリースをご覧ください。
■「立教学院が創立135周年記念企画「デザインポスタープロジェクト」を開催」(大学プレスセンター)
このプロジェクト、盛り上げ方が非常にユニークです。
まず、これはいわゆるシークレット企画。
最初は企画の全容を敢えて知らせず、↓このように「何だろう?」と、期待を持たせる告知のみが出されました。
■「[135周年企画]デザインポスタープロジェクト始動」(立教大学)
この4月20日の時点で知らせているのは、「立教おもちゃ缶」という、何だか妙に気になるキーワードと、それが5月9日に「当たる」らしいという日付情報のみ。
何をどうしたら当たるのかも書かれていません。
これを付属の小・中・高校から大学まで、学院の全キャンパスで一斉に実行したのです。
5月8~9日には、ついに企画の主旨と、トランプ付き巨大ポスターの設置場所を告知。
■「[135周年企画] デザインポスタープロジェクトについて」(立教大学)
■「[135周年企画] デザインポスタープロジェクトについて」(立教小学校)
■「[135周年企画] デザインポスタープロジェクトについて」(立教新座中学・高等学校)
5月9日(土)、140枚のトランプが貼られた巨大ポスターが、以下の場所に設置されます。トランプの中からウィリアムズ主教のカードを見つけたら、カードと引き換えに立教おもちゃ缶を差し上げます。奮ってご参加ください。
(上記記事より)
そして9日以降、ついに各キャンパスに巨大ポスターが登場。
この3段階作戦の結果は、冒頭の記事にあるとおりです。
当日の様子は、↓こちらにも写真付きで紹介されています。
学院全体をイベント会場にしてしまい、全構成員を盛り上げる仕掛け。
楽しい遊び心を感じますが、広報的にもうまく計算されていると思います。
制作物の用意や学院全体での一斉実施の段取りなど、準備は大変だったと思いますが、学内のコミュニケーションは活性化されたのではないでしょうか。
企業がこういったシークレットキャンペーンを行うことはしばしばありますが、学校が行う事例は非常に珍しいと思います。
会場が「キャンパス内」に限定されているのも特徴的。企業が行う場合、駅貼りのポスターなどを借りて大々的に展開しますが、自校の掲示板だけならポスター制作費以外にコストはかかりません。
学院の構成員を盛り上げるだけなら、アイディア次第であまりコストをかけず、けっこう楽しい企画ができるんだなぁ、と思わせてくれる事例です。
この企画に関わった教職員の方々も、楽しまれたのではないでしょうか。
なおおもちゃ缶の中身は立教のオリジナルグッズだとのことですが、最初から「立教グッズが当たる」としていたら、ここまで盛り上がらなかったのではないかと、個人的には思ったりも。
「立教おもちゃ缶」という、色々と想像を働かせてしまう記述は、大きな成功要因の一つだったのではないでしょうか。
(誰もが子どものときに欲しがった、チョコボールの「おもちゃの缶詰」を連想しますね)
周年行事というと、一般的には厳粛な式典やカッチリした講演、または大きなコストをかけての校舎建設などが思い浮かびます。
でも、この立教学院の事例のように、遊び心で学園メンバーを楽しませる企画が少しくらいあってもいいですね。
以上、そんなことを思ったマイスターでした。
※この記事は、現役高校生のための予備校「早稲田塾」在籍当時、早稲田塾webサイト上に掲載したものです。