寝た時間も確かに遅かったけど、それでもたっぷり12時間くらいは寝ました。
夕飯食べてブログ書いたらもう一日の終わり。うーん…。
さて、今日は日曜日なので、ニュースクリップをお届けします!
日本の高校生、一言で言えば「無気力」…?
■「高校生の友人関係と生活意識」(日本青少年研究所)
http://www1.odn.ne.jp/youth-study/
■「日本は「できる生徒」より「人気者」…高校生意識調査」(読売オンライン)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060301it14.htm?from=top
■「日本の高校生は意欲足りない 日米中韓で意識調査」(Asahi.com)
http://www.asahi.com/edu/news/TKY200603010412.html
Yahoo!JAPANトップページなど様々なところで報道されていたので、皆様も結果の解説をどこかでご覧になったかと思います。
内容は、読売オンラインの記事が簡潔にまとめてくれていますが…うーん。
どうも日本の高校生は、「将来」より「現在」に関心が強いのかな、という気がしますね…。「若者」ではあるけど、「学生」ではない、というか。
例えば、社会に学校というものがなくて、ただ若者として暮らしていればいいのだとしたら、今回のアンケートの、日本の回答結果に近づいていくのかなと思います。
…って、ヤバイじゃんそれ!
さらに気になったのが、↓これ。
-他の3カ国と、日本の高校生の回答が大きく違ったのは、「現在、一番大事にしていることは」という設問だった。3カ国が多くの「希望」に丸をつけたのに、日本の生徒の回答は圧倒的に「やりたいことがない」という結果になった。-(Asahi.com記事より)
若者が本来持っているものとおもわれていた好奇心やエネルギー、将来への希望や野心。それすらも日本の高校生は持っていないみたいで、こっちはより深刻なことだと思います。
低迷する社会の雰囲気が若者の将来観に影響を与えている結果だと言うこともできますが、社会に元気があれば、学校が何もしなくても若者は元気なわけで。
本来は、社会に元気がないからこそ、普段の教育の真価が現れると思うのです。
高校生段階の学力調査では、世界トップレベルの日本。
そういった結果から、「日本の教育は成功している!」という声もたまに聞きます。
でも、これでどうして、成功しているなんて言えるのか。
意欲も将来観もないんじゃ、数学の得点が良くても、なんにもならないじゃないか。
↓と思ったら、今度は…。
総合学習の成果、筆記試験で測定?
■「総合的な学習:試験に出ちゃう… 東京都、学力テスト対象に」(毎日新聞 MSNニュース掲載)
http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/edu/archive/news/2006/02/23/20060223ddm041040129000c.html
-東京都は、公立の中学2年と小学5年を対象に行っている学力テストに、06年度から「総合分野」の試験を取り入れることを決めた。各教科で培った知識や技能で、日常生活での課題を解決できるかどうかをみるのが目的で「総合的な学習」に対応する。-(上記記事より)
日常生活での課題を解決できる能力がついたかどうかを、筆記試験で測るのでしょうか。他の方法でも、評価したり向上させたりする方法はある気もします。
いや、「数字で成果を測定すること」は確かにとても重要ですが、それでも、筆記試験では総合学習の太陽な学習成果の、ほんの一部を測れるに過ぎません。
この数字だけが、教育の目的にならないといいなと思います。
イノベーターが高齢化しているみたいです。
■「コラム:187イノベーターの高齢化?」(RIETI 経済産業研究所)
http://www.rieti.go.jp/jp/columns/a01_0187.html
ノーベル賞の対象となるような画期的な技術開発をした年齢が、高齢化してきているというコラム。
↓元になった論文はBen Jones氏のサイトで読めます。
http://www.kellogg.northwestern.edu/faculty/jones-ben/htm/ResearchframeInvention.htm
Ben Jones氏によればこれは、社会全体の高齢化とはあまり関係がないのだとか。
教育の期間が長くなって、昔であればすでに自らで創造的な研究を開始していた時期にまだ教育をうけていることが、その原因の一つだと分析しています。
「巨人の肩の上に乗れば、巨人より遠くが見渡せる」と言いますが、科学が高度化し、巨人の肩に乗るまでに、科学者が生涯に持っている持ち時間をほとんど使い果たしてしまうということなのではないかと、このコラムでは述べられています。なるほど。
ある意味これは、仕方のないことでもあるのでしょうね。
ちなみに海外では、2~30代の内は研究に力を注いでテニュア(終身雇用権)を確保し、年齢が進んで創造力が落ちてきたら教育に注力するというキャリアパスが一般的になっていると聞きます。
それに対し、日本の学術界では、60過ぎても「研究者」であることが一種のステータスとされているようで、なかなか教育にシフトしてもらえません。弊害、多いです。もちろん、研究のすべてがノーベル賞のようにイノベーティブなものである必要はありませんが…。
春日部共栄校、学ぶ権利を否定です。
■「松本被告の次男の入学拒否 埼玉の私立中」(Asahi.com)
http://www.asahi.com/edu/news/TKY200603020305.html
-入学を拒否したのは埼玉県春日部市の春日部共栄中学校。次男の代理人の弁護士によると、合格発表は1月18日。入学金を支払った後の2月7日、学校側から電話で「松本被告の息子とわかったため、入学を辞退してほしい」と言われたという。
学校側は2月11日、代理人の弁護士に対し、学校敷地内への次男の立ち入りを禁ずると通告。その後、「2月19日の入学説明会に来なかったから形式的にも入学資格がない。入学金などを返還するため振込先の口座を教えてほしい」と内容証明郵便を送ってきたという。-
個人的には、対応のすべてが最悪だと思ってしまうのですが、これについての意見は分かれる…のでしょうか?
オウム(現アレフ)は反社会的な行為を行った団体で、マイスターもとても容認できないのですが、だからといって、松本被告の次男が反社会的な人物であるかどうかは全く別の問題です。
また、この次男を入学させたからといって教団からの悪い影響が周囲にひろがるかどうかは、わかりません。
「2月19日の入学説明会に来なかったから形式的にも入学資格がない」
とありますが、春日部共栄校は例年、入学説明会に来なかった学生を全員不合格にしているのでしょうか。おそらく、していないでしょう。
こういう説明をする組織が、若者に知性を授けるはずの教育機関に存在するのは、残念です。
本ブログでは以前、↓このような記事で、九州大学医学部の、元オウム信者入学取り消し事件についてご紹介しました。
・学校と「世間の目」
http://blog.livedoor.jp/shiki01/archives/50095109.html
筆記試験合格後、元教団信者ということがわかり受験生を不合格にした九州大学医学部のケースについて、刑法学者の佐藤直樹氏は以下のような指摘をしています。
-九大医学部もバカではないから、入学許可の取り消しをやったら違法になるかもしれないという、その程度のことは考えたはずである。にもかかわらず、九大医学部があえて、このオウム真理教元幹部の入学許可の取り消しをおこなったのはなぜか。
答えは簡単である。もしこの男性を合格させ、写真誌がそのことを大々的に報道したばあいの、「世間」からの”なぜオウム真理教の元信者を合格させるのか”という医学部にたいする避難や、そのことによる医学部のイメージ・ダウンを考えたからである。(略)
あきらかにここでは、「世間」の感情のほうが、個人の「人権」より優先されているのだ。-(「世間の目」より)
九大医学部の事例について、
・憲法14条「法の下の平等」
・および憲法20条「信教の自由の保障」
に反している違法行為であり、ムチャクチャであると、佐藤氏は法学者の立場で指摘しています。
春日部共栄校の場合、本人にはまったく落ち度がないわけで、九州大以上にムチャクチャです。
「春日部共栄中の矢口秀樹校長の話」として、記事では以下のような見解が紹介されています。
「中学生は互いに影響しあいながら勉強することが大事。保護者も安心して通わせることを求めている。教団の影響下にないとは言い切れない生徒を入学させれば大きな支障が出る恐れがある。本人に罪はないが、現在の教育環境を守りたい。」
この校長の論理に従えば、この松本被告の次男は、全国のどこの学校でも学べません。
そもそも「大きな支障が出る」かどうかまったくわからないのに、学ぶ機会を奪ってしまうことで、問題を起こさないようにしようというのは、教育者としていかがでしょうか。
同校は全人教育を標榜しているようですが、だったらなおのこと、教団の影響を断ち切れるような教育をすればいいのではないでしょうか。それが教育者として選択できる唯一の行動なのでは。
と、つい熱くならざるを得ないマイスターです。
■春日部共栄中学校
http://www.k-kyoei.ed.jp/jr/edu/edu-01.html
ニート、どうしましょう?
■「『大人ニート』増加 25~34歳が6割を超す」(Asahi.com)
http://www.asahi.com/life/update/0304/006.html?ref=rss
-厚労省はニートを「若年無業者」とし、15~34歳で、就職活動をしておらず、家事も通学もしていない人、として集計。00年は44万人だったが、02年に64万人となった。
内訳は、15~24歳が02年の29万人から05年は25万人と4万人減ったのに対し、25~34歳は35万人から39万人に増加。景気回復で新卒者の就職状況が好転し、ニートになる人が減る一方、バブル後の不況で就職の機会を逸した若者が、ニートのままで年齢を重ねている可能性が高いとみられる。-
こういう現象が起きた原因は様々でしょうが、このニートのままの方々が社会の中で今後どう生きていくのか、その対策の方がこれから求められてくるのでしょう。
ただ、就職口がないだけなら、経済の回復に従ってニートは減ってくるはずですが、ニートである理由はそれだけではないでしょうから、一筋縄ではいきません。
大学は、働きたいけど知識や技術がない、という方のサポートはできますが、働く意志も学ぶ意思もない方には、あんまりできることがありません。
公的な支援センターなどができることにも、限界がありそうです。
正直、どうすればいいのか、マイスターにはわかりません。
フリーターには、飲食業などを中心に、経済を支えているという面がありますし、
将来を考えるためのチャンスを作っているという見方もできます。
自分なりの生き方をするための、多様な選択肢のひとつということもできます。
一方ニートいう生き方には、生産性はあんまりないわけで、マイスターもフォローしようがなくて、困っちゃいます。
一時的にニートということならいいのですが(昔風に言うと「家事手伝い」?)、可能な限りずっとアクションを起こさずに過ごしていきたい、なんてなると。
他の先進国にもニートはいますから、現代的な現象なのだとも言えます。
また、ニートであっても周囲がそれを容認し、本人が生きていけるならそれでいい、という考え方も、(相当な極論ですが)あります。
でも、なぁ。
ねつ造疑惑、また。
■論文取り下げ、産総研が勧告 東大大学院教授捏造疑惑
http://www.asahi.com/national/update/0304/TKY200603030389.html?ref=rss
この手の報道、最近、多いですよね。
残念なことではありますが、逆の見方をすると、日本の学術界の相互チェックがきちんと機能しているということでもあるわけです。
そこは、評価されていいと思います。
■「研究ミスコンダクトに関する調査結果報告と今後の措置について」(産業技術総合研究所)
http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2006/pr20060303/pr20060303.html
■「多比良和誠教授発表の論文に関わる調査について」(日本RNA学会)
http://wwwsoc.nii.ac.jp/rnaj/tahira_jap.html
■「多比良和誠教授の公表したコメント」(Biotechnology Japan)
http://biotech.nikkeibp.co.jp/BIONEWS/IMAGE/TokyoUniv2.htm
上記のように、疑いの起きた経緯や調査の結果などについて、我々でも情報を得ることができます。
社会と学術界との間に不信感を生まないためにも、こうした取り組みは大切ですよね。
以上、今週のニュースクリップでした。
ご紹介したニュースの本数は少ないのに、長さはいつもより長くなってしまいました。書かずにはいられないことが多かったので、つい…。
日曜には、なるべくたくさんのニュースをご紹介したいと思います。
3月になりましたね。
企業におつとめの方も、学校関係者も、年度末進行で忙しくなると思います。
睡眠時間を確保しながら、がんばりましょう!
今週も一週間、ブログを読んでいただき、ありがとうございました。
今後も、どうぞよろしくお願いいたします。
マイスターでした。