マイスターです。
■大学のキャラクター活用(1):キャラクターを使う理由って?
■大学のキャラクター活用(2):「あらゆる場面で使える」キャラクターをつくろう
■大学のキャラクター活用(3):学外にも飛び出した武庫川女子大学のキャラクター「Lavy」
↑先日、3回に渡り、大学のキャラクター活用についてご紹介しました。
ところで日本の大学は、実際にどんなキャラクターをつくっているのでしょうか。
せっかくですから、試しに具体的な例を見てみましょう。
※大変お手数なのですが、画像をここに貼り付けると著作権に触れますので、リンクを一つ一つクリックしてください。
せっかく探したので、ぜひとも皆様に、一つ残らず見ていただきたい!(ワガママ)
【各大学のオリジナルキャラクター(例)】
■愛知文教大学キャラクター「あぶちゃん」
■青山学院大学「イーゴ」
■芦屋学園キャラクター「サンアシヤ」、「ソラアシヤ」
■岩手大学イメージキャラクター「がんちゃん」
■大阪学院短期大学「フェニックスくん」
■大阪国際大学・大阪国際大学短期大学部「キャプテングロービー」、「チャーミィジェンヌ」
■嘉悦大学「ミミー」
■金沢星稜大学マスコットキャラクター「ヒューマ」、「エコミ」
■京都教育大学マスコットキャラクター「そったくん」
■埼玉工業大学オリジナルキャラクター「フカニャン」
■佐賀大学マスコットキャラクター「カッチーくん」
■札幌大学キャラクター「SAPP(サップ)」、「UNIPON(ユニポン)」
■静岡大学キャンパス・キャラクター「しずっぴー」
■高松短期大学「かすがたぬきたーちゃん」
■東京歯科大学マスコットキャラクター「ビバノスケ」
■同志社女子大学キャラクター「VIVI」
■獨協大学イメージキャラクター「どく太くん」
■鳥取大学イメージキャラクター「とりりん」
■長崎総合科学大学イメージキャラクター「あばまる」
■名古屋大学高等教育センター「ティップス先生」
■奈良大学オリジナルキャラクター「こと」
■奈良教育大学 イメージキャラクター「なっきょん」
■新潟国際情報大学マスコットキャラ「Nabbit(ナビット)」
■新潟産業大学マスコットキャラクター「サンチャッカル」
■兵庫教育大学マスコットキャラクター「ひょうちゃん」
■放送大学イメージキャラクター「まなぴー」
■横浜市大キャラクター(愛称募集)
はぁ、はぁ、いかがでしたでしょうか?
見るほうも大変ですよね。一時間かそこらの調査でこれだけ見つかりました。
おそらく、これ以外にもまだまだあるでしょう。
日本人がキャラクター好きというのは、大学の広報実態からも立証できそうです。
上記は、「大学のPRに使われている公式キャラクター」に限定しています。
実際には、大学図書館とか、学部・学科の単位でキャラクターをつくっている大学が少なくないようですが、それをご紹介し始めると本当にきりがないので、ここでは外しました。
この中には、メディアで取り上げられたものもあります。
■「国立大にも“ゆるキャラ” 佐賀で公認マスコット人気」(47NEWS)
カッチーくんは、学生生活課職員の馬場友紀子さん(26)の落書きがきっかけで誕生。HPのリニューアルを担当した際「HPを隅々まで見てほしい」と載せた。名前はカササギを佐賀などでカチガラスと呼ぶことにちなんだ。夏休みは麦わら帽子姿、秋はハロウィーンの仮装など、季節ごとに装いを変える。
かわいらしさが評判となり、農学部収穫の米で醸造した日本酒をPRするうちわに酒瓶を持って登場。JRとの共催イベントで配る記念品のハンカチに使用されることも決まっている。
(上記記事より)
本学学生センターのHPに生息していた「カッチーくん」。
ポロシャツのエンブレムやオリジナルハンカチなどに着々と進出し、ついに、この度、佐賀大学の正式なマスコットキャラクターへの昇格を果たしました。
(「カッチーくんのページ」(佐賀大学)より)
佐賀大学の「カッチーくん」は、学生生活課職員の方の落書きが、大学の公式キャラクターとして認定されたという異色の存在。
色々な場所で使われていたのが、段々と人気を集めていき、ついに「昇格」を果たしたのだとか。
愛されていますね。
謎なキャラクターもいます。
↑岡山大学のTOPページで交代に走っているキャラクター達。
名前や性格などの解説まで出るのですが、大学の公式キャラクターなのかどうかがいまひとつ不明。
TOPページのFLASH以外に、公式な情報が見つかりませんでした。
■「岡山大学オリジナルロゴグッズ」(岡山大学生協)
↑唯一見つかったのがこちら。どうやら大学のキャラクターのようですが、何かと気になる存在です。
あと、色々な大学キャラクターを見ていて、「こういうキャラが多い!」という点をいくつか発見しました。
以下はマイスターの個人的な感想に過ぎませんので、あくまでもひとつの意見として、ご参考にしていただければと思います。
【鳥系】
かわいいキャラクターが多いのは、さすがキャラクター大国、日本。
ただ、ほとんど全部動物である上、多くが「鳥」です。
<21世紀に「はばたく」大学 → 鳥キャラ>
みたいなノリが背景にあるんじゃないかと想像します。もしくはオウムやフクロウのように、「知恵者」のイメージがあるキャラクターに鳥が多いからでしょうか。
ただ文字通り、キャラクターがかぶってしまっています。プロ野球やJリーグのキャラクターに似ているものも少なくありません。
上でご紹介した大学キャラクター達の中で、どの動物がどの大学のキャラだったか、もう皆さんほとんど記憶に残っていないと思います。
大学に限らず、世の中は多種多様なキャラクターであふれているので、大学の外でも見かけるようなありふれたキャラクターは、むしろ印象づけるのが大変なのではないかと、個人的には思います。
難易度の高いところを狙うよりは、誰も思いつかないようなキャラクターにするのも効果的なのでは、という気はします。
【プレスリリースにしか登場しないキャラクター】
上記のキャラクターって、実は「本学のキャラクターはこれです!」といったプレスリリースで見つけたものがほとんどなんです。
先日の記事でも書かせていただいたとおり、もし、大学の広報にこうしたキャラクターが活用されているのなら、大学公式webサイトのトップページにアクセスした時点で、画面のどこかにキャラクターがいても良さそうです。
キャラクターは、複数のメディアをつなぐ存在なので、「大学パンフで使ってwebサイトでは使わない」とか、「気分が向いたときしか使わない」とかいうのでは、キャラクターの力はあんまり発揮されないように思います。
【無理矢理ゼロからデザインした(?)キャラクター】
動物をそのままキャラクターにした大学が非常に多いのですが、その大学に何かゆかりがある動物なのかというと、ほとんど関係ないケースが多いような気がします。
かわいいのはかわいいのですが、発注したイラストレーターの「オリジナリティ」に任せたという印象の、無難な動物ばかりになってしまっているような。
<キャラクター活用 = かわいいイラストを多様すること> ……という点が優先され、愛らしい動物に偏ってしまったのかも知れません。
でも、せっかく大学には歴史があるのですから、そうした「従来からあるイメージ」をもっと活かせばいいのにとマイスターは思います。
例えば、先日の記事でもご紹介した東京理科大学のキャラクターは、大学の持っているイメージ資産をちゃんと活かしていると思います。
■東京理科大学創立125周年記念イメージキャラクター「坊っちゃん」
夏目漱石の小説「坊ちゃん」の主人公が、東京理科大学(当時は東京物理学校)の卒業生として描かれているのは、知っている人は知っている事実。それを素直にキャラクターとして立ち上げた訳です。
「坊ちゃん」を知っている人には、「理科大=坊ちゃんの母校」のイメージを刷り込み、愚直に学問にまい進する、いい意味で真面目な教師のイメージを与えられます。
(実際、今でも理科大の卒業生で教員になる方は多く、大学がアピールしたいポイントの一つなのです)
「坊ちゃん」を読んでいない人、理科大を知らない人でも、夏目漱石の小説の名前くらいは耳にしたことがあるでしょうから、動物イラストよりずっと印象に残るはず。
かわいいだけではなく、なるべくその大学を連想させ、印象づけるキャラクターであることが望ましいように思います。
また、上ではご紹介していないのですが、立正大学は「リス」のイメージを打ち出しています。
学生の皆さんのアンケートにより、RISSHOを略すと「RIS」ということで、大学を表す動物は「リス」だということになったのだとか。
大学のサイトのドメインも「ris.ac.jp」ですから、耳馴染みがあるわけで、覚えやすいです。
■「立正大学グッズ」(立正大学)
■「りす@ねっと」
↑このように、リスつながりの企画がぽろぽろと。こんな発想もアリですね。
(冒頭でご紹介した、愛知文教大学キャラクター(abu.ac.jp)の「あぶちゃん」などもおそらく、同様の発想からです)
この他、<かなり前にキャラクターを公募していたようなのだけど、サイトのどこにもキャラクターがいない>とか、<学部学科、図書館などがそれぞれ独自のキャラクターを乱立させていて、しかもキャラの個性が統一されていない>とか、色々な大学がありました。
大学のキャラクターを比較したら、面白い研究になりそうな気がします。
大学の皆様も、他大学のキャラクターをぜひ参考にしてみて下さい。
以上、マイスターでした。
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(オマケ)
↓こんなものも見つけました。
■「香川大学キャラクター及びキャッチコピー取扱要項」(香川大学)
キャラクターを始め、ブランドに関わるデザインについては、たいてい企業でも取り扱いポリシーを定めているものですが、大学の場合、こういった学則チックなもので規定されていることもあるのですね。
なんだかちょっと大学っぽくて、面白いです。
※この記事は、現役高校生のための予備校「早稲田塾」在籍当時、早稲田塾webサイト上に掲載したものです。
獨協大学 総合企画課の濱野と申します。
いつもお世話になっております。
貴社のウェブサイトの中で、以下のページに記載された本学マスコットキャラクターへのリンクが切れているようです。
http://www.wasedajuku.com/wasemaga/unipro-note/2008/11/post_251.html
→■獨協大学イメージキャラクター「どく太くん」
現在、「どく太くん」紹介ページは以下のものになっておりますので、可能でしたらリンクの更新をお願いいたします。
http://www.dokkyo.ac.jp/daigaku/a01_07_02_j.html
恐れ入りますが、どうぞよろしくお願いします。
濱野さま
こんにちは。
わざわざご親切に、ご連絡ありがとうございました。先ほど、リンクを差し替えました。
今後も、何かお気づきの点などございましたら、ご連絡いただければと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。