東芝が、製品のプロモーションで「早慶戦」

マイスターです。

■沖縄6大学が商品開発勝負! 沖縄ファミリーマートによる実戦型インターンシップ
■ニュースクリップ[-10/26] 「専門学校に大学並み位置付けも 文科省会議が報告書案」ほか

↑全国各地で行われている、大学生によるコンビニ弁当の商品開発。その多くは、地元の大学数校と連携しての企画です。
大学生にとっては、商品の企画から流通・販売までを体験する貴重な機会となりますし、企業にとってもプロモーションの効果が見込めます。やり方によっては、地域の活性化にもつながるでしょう。

このように大学生を巻き込んで企業が商品を展開するという動きは、以前からないわけではありませんでしたが、「地域」という切り口でキャンペーンにしたのは見事です。
特に沖縄ファミリーマートの場合は、企業側のスタッフが商品の開発プロセスに関した講義などを行うなど、しっかりしたカリキュラムとして全社的に支えているのが印象的でした。

さて、大学生による企業の商品プロモーションということで、こんな事例も見つけました。

【今日の大学関連ニュース】
■「広告でも『早慶』が激突! 学生が東芝製品でプロモーション合戦」(BCNランキング)

東芝は11月1-3日と11月22日の4日間、学生の広告研究会と共同で「プロモーション早慶戦2008」を開催する。学生たちによる自由な発想や着眼点で同社製品の広告・マーケティングを実践するもので、昨年に続き今回で2回目。慶應義塾大学の「慶應義塾広告学研究会」と早稲田大学の「早稲田大学広告研究会」が広告の展開の腕を競う。対象製品は液晶テレビ「REGZA(レグザ)」とHDD・DVDレコーダー「VARDIA(ヴァルディア)」。
(上記記事より)

■「早慶が東芝製品でプロモーション合戦、早大は『内』から、慶応は『外』から製品をPR」(Asahi.com)

慶應義塾広告学研究会(慶応広告研)と早稲田大学広告研究会(早大広告研)は11月1-3日、東芝が主催する「プロモーション早慶戦2008」で、それぞれが企画立案したプロモーションイベントを実施した。慶応広告研は「ミス慶応コンテスト(ミス慶応)」とタイアップしたトークイベントを、早大広告研は「早稲田祭」で体感イベントを行い、東芝の液晶テレビ「REGZA(レグザ)」とレコーダー「VARDIA(ヴァルディア)」をPRした。
(上記記事より)

東芝の液晶テレビを、早稲田大学広告研究会と、慶應義塾広告学研究会とがそれぞれプロモーションするという企画です。

↓こちらが、東芝によるコンテンツ。

■「プロモーション早慶戦2008」(東芝)

それぞれの学生達が、どのようなプロモーションを行ったかは、これらのページで紹介されていますので、興味がある方はご覧になってみて下さい。
両校とも企画の柱として、「学園祭を絡める」、「ミスコンと絡める(女性の「美」と製品の魅力を結びつける)」という点を同じように打ち出しているのは、偶然の一致なのか、それとも企業側の要請なのかはわかりません。

メディアはこの両校の話題、特に「早慶戦」という打ち出しが好きなようです。
「ミスコン」も同様。
実際に、冒頭の記事を始め、いくつかのメディアが話題にしたようです。

■「“ワセコレ”モデルが「ワセジョクエスト」で東芝製品のこだわりライフスタイルを体験!」(Digital Freak)

東芝側にとっては一定のメリットがあったのかもしれません。
また結果的にはそれぞれの学園祭に、大学生らしい企画がひとつ増えたわけですし、学生の皆さんも貴重な実践体験ができたわけですから、得られたものは大きいと思います。
個人的にも、こういった企画は好きです。

ただ個人的には、どうせなら、もっと多くの大学を巻き込めば良かったのにとも思います。
「早慶戦」という響きにこだわったのかと思いますが、逆に言うとそれ以上の広がりが期待できませんし、たった2校では、あんまり見せ方のバリエーションも出てこないでしょう。
地域全体が楽しめるお祭りとして学生を巻き込んだ沖縄ファミリーマートとは、その辺りが違います。
それに多様な大学が個性を競っている現在、昔ながらの「早慶戦」という打ち出しが、果たしてどこまでマーケットに響くのか、個人的はそもそもの疑問も感じたりします。
(どちらかというと、早稲田、慶應における東芝の企業イメージを強め、採用活動に結びつけるのが狙いなのかもと思ったり)

また沖縄ファミリーマートの企画が、教育活動としての「インターンシップ」という点にこだわって進められているのに対し、東芝のそれはどちらかというと、「プロモーションのために大学の知名度を借りる」という点に重心が置かれている印象を受けます。

もちろん、面白い取り組みには違いありませんし、参加した学生にとって有意義な経験になったのは確かだと思います。
今回は、製品開発ではなく、あくまでも「プロモーション」での試みですし、そういった位置づけの取り組みとしては、ユニークだと思います。

ぜひ来年以降、もう一歩進んだ取り組みが見られたら楽しいな、と、勝手に期待するマイスターでした。

※この記事は、現役高校生のための予備校「早稲田塾」在籍当時、早稲田塾webサイト上に掲載したものです。