マイスターです。
さて、日曜日になりましたので、今週も一週間の教育ニュースの中から、いくつかを選んでご紹介します。
【手続きが簡単に?】
■「日本留学の審査緩和、30万人計画後押し・法務省方針」(NIKKEI NET)
法務省は1日、日本の大学などに留学する外国人の入国審査を簡素化する方針を決めた。学校側が本人の代理で在留資格認定を求める場合は申請書の提出だけで済むようにし、平均で約2カ月かかっていた審査期間も大幅に短縮する。福田康夫首相が掲げる「留学生30万人計画」の実現に向け、今年度から入国審査を順次緩和していく。
海外在住の外国人が日本に留学する場合、ほとんどは学校側が代理で在留資格認定を申請する。これまでは滞在費や学費をまかなえる貯金、語学能力の証明書などの提出も必要で、「煩雑な手続きが日本への留学生を増やす障壁になっている」との指摘が出ていた。
(上記記事より)
日本に留学する場合の入国審査が簡素化されるとのことです。
「留学生を増やす」という、政府が掲げる目標に沿っての措置だとか。
その分、受け入れ大学の方で語学力を審査する、あるいは語学力が足りない場合でも一から学べるようにする、といった対応が必要になってくるのかなと思いますが、どうなのでしょうか。
【「バイキング」を巡る攻防。】
■「バイキングなのにお代わり禁止 京大の学食に不満の声」(Asahi.com)
京都大生協が吉田キャンパス(京都市左京区)の三つの食堂で4月から始めた「朝食バイキング」(税込み385円)が、学内で物議を醸している。学生の健康に配慮してお代わり禁止なのに対し、「バイキング=食べ放題」と考える学生から不満の声があがっているのだ。
朝食バイキングは平日朝8時~10時半に食べられる。ちくわの照り焼き、ジャガイモの甘辛煮、ホウレンソウのおろしあえ……。和風中心の10品前後のおかずから何品でも自由に選べる。ただ、おかずの取り皿は1枚、ご飯と汁も1杯限りで、レジで支払い後はお代わりができない。
京大生協は「ワンウェイ方式」と名づけている。
(略)お代わり禁止について、中島達弥・食堂部門統括店長は「朝食としての適量がある。取り過ぎれば元も子もない。多くの学生が適量以上に取ると、原料価格が高騰している折、コスト的にも厳しくなる」と説明する。
そんな「親心」を知ってか知らずか、男子学生らはご飯やおかずをてんこ盛りにして対抗している。大学院人間・環境学研究科修士2年の男性(24)は「昼食をとらないので、ご飯は盛れるだけ盛る。おかずの皿をもう少し大きくしてほしい」。ほぼ毎朝、生協で食べるという理学部2年の男性(19)は「1回では十分に盛れない。バイキングと言えるのか」と不平を口にする。
(上記記事より)
自分が大学生だったときのことを考えると、この朝食のチャンスに出来る限りたっぷり食べようとする学生の皆さんの気持ちは、よく分かります。
が、個人的には、これは食堂側の言い分に合わせた方がいいんじゃないかな、という気がします。
「昼食をとらないので、ご飯は盛れるだけ盛る。」というのは、学生の健康に配慮するという点では、本末転倒ですし、それに本当の「食べ放題」にするのだとしたら、当然、価格が上がると思いますよ。
もっとも、この記事を読んだだけだと、単に「バイキング」という言葉を使わなければ、このすれ違いは回避できるんじゃないかという気もするのですが……。
【今日は何の日?】
■「【きょうは何の日】大学入試センター開設」(MSN産経ニュース)
昭和52(1977)年5月2日、東京・駒場の東京教育大農学部跡に大学入試センターがオープンした。受験地獄を緩和し難問・奇問をなくすため、国公立大志願者を対象に54年に始まった共通一次試験を実施する機関としてつくられた。正解と思う欄を塗りつぶしコンピューター集計するマークシート方式が採用され話題に。平成2年からは私立大も参加できる大学入試センター試験に変更された。
(上記記事より)
MSN産経ニュース「今日は何の日?」コーナーで、渋いネタが取り上げられていました。
ちなみにこの後、
出題・校正ミスや選択科目間での難易度の差など、毎年のように批判されるが、業務の性質とはいえ、褒められることはほとんどなく、トラブルが起きた場合のみ、矢のような批判にさらされてしまうようだ。
(上記記事より)
……という解説が続きます。
【資金提供を受けながら客観的な研究は可能?】
■「企業から医師への資金提供 医学部7割ルールなし」(読売オンライン)
医学部を持つ全国の大学のうち、医師ら教員が製薬企業などから得た研究費や講演料を届け出たり、研究の独立性が保たれるかどうかを審査、監督したりするルールを策定、実施しているのは3割に過ぎないことが、読売新聞の調査でわかった。
特に私立大では、ルールを持つのは回答した24校中1校だけで、医師と企業の資金関係を「開示できる」としたのも2校にとどまり、情報公開の遅れが浮き彫りになった。
(上記記事より)
記事の下の「解説」が、より詳しいです。
企業から医師への資金提供を巡っては、薬物療法などの目安を定めた診療指針の作成委員を務める国公立大の医師の約9割が、製薬企業から寄付金を受け取っていたことが、読売新聞の調査で既に明らかになっている。しかし、私立大の場合、指針の作成委員に名を連ねる教授らも多いものの、製薬企業との資金関係はベールに包まれているのが実情だ。
寄付金について、国公立大のほとんどは、情報公開制度に基づき、受領した教員、講座名や提供した企業名、金額を開示している。一方、私立大では、今回の本紙調査に対し、10校が寄付金の総額(平均2億9400万円)は回答したが、個別の資金関係を「開示できる」としたのは東京医大、東海大の2校だけだった。調査に「答えられない」とした私立大も数校あり、情報開示に後ろ向きな姿勢が目立った。
資金についてルールを設けている私立大は慶応大だけで、医学部教員に外部委員(弁護士)1人を含めた委員会で、企業の資金提供で行う研究について審査、勧告などを行う。
インフルエンザ治療薬「タミフル」に関する厚生労働省研究班の医師が治療薬メーカーから寄付金を得ていた問題を機に、厚労省は先月、2010年度から、大学の医師が同省研究費を申請する場合、所属大学が資金関係のルールを運用していることを条件とすることを決めた。
(上記記事より)
「コトを起こしたくない。外部の目を入れず、内々に済ませたい」、「情報公開なんてやっかいなだけだ。公開する必要なんてないじゃないか」……なんていう大学側のホンネが透けて見えるような結果になってしまいました。
大学では、重要なことはすべて教授会で決められることになっていますが、そのシステムは、こういった大学教授達自身の問題については、残念ながら非常に機能しにくいです。
やましいことがないなら、公開すればいいのにと思いますが……うーむ。
【日本代表は同志社大学のチーム。】
■「マイクロソフト主催の学生技術コンテスト、日本代表は同志社大学のチームに」(ZDNet Japan)
マイクロソフトは4月27日、情報通信技術を活用した学生を対象とする人材育成支援イベント「The Student Day 2008」を開催した。The Student Dayは、世界規模のIT技術コンテスト「Imagine Cup」の日本代表チームを決定する選考会も兼ねている。
2008年のImagine Cupのテーマは「環境保護」。このテーマに基づき、最終選考に残ったチームがプレゼンテーションを行った。最終選考に残ったのは、同志社大学の松下知明氏、加藤宏樹氏、清水誠氏、中島申詞氏の4名からなる「NISLab」、国際情報科学芸術アカデミーの三浦剛史氏、浅野哲也氏、松浦星太氏、村木優貴氏の 4名からなる「IAMAS」、東京大学大学院の足立博氏、渡邊徹志氏、北陸先端科学技術大学院大学の岡本道明氏の3名からなる「Team EMET」の3チームだ。
(上記記事より)
マイクロソフト社が開催する技術コンテスト。
日本大会ではソフトウエアデザイン部門に3チームが出場し、同志社大学のチームが優勝しました。
こんな面白そうな大会があったんですね。
詳細は記事をご覧ください。いずれのチームの案も、非常に面白いアイディアのようです。
同志社大学のチームは、7月にパリで開催される世界大会に、日本代表として出場するそうです。
がんばってください!
以上、今週のニュースクリップでした。
今週も一週間、本ブログを読んでくださいまして、ありがとうございました。
来週も、お互いがんばりましょう。
マイスターでした。
※この記事は、現役高校生のための予備校「早稲田塾」在籍当時、早稲田塾webサイト上に掲載したものです。