マイスターです。
こんな話題を見つけました。
【教育関連ニュース】—————————————–
■「ソルボンヌで衝突、閉鎖 仏大学改革に抗議拡大」(東京新聞)
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2007112401000120.html
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フランスのサルコジ政権が進める大学改革に一部の学生が「大学が商業主義に陥る」と猛反発、各地で抗議行動が続いている。23日にはパリ大学ソルボンヌ校で校舎入り口を封鎖していた学生と、勉強を続けるため中に入ろうとした学生が衝突、大学当局は同校を閉鎖した。AP通信などが報じた。
反発が起きているのは8月に成立した「大学の自由と責任に関する法律」。同法は今後5年で予算や財産管理についての大学の裁量を拡大させると規定。職員採用などに関する学長の権限を強化し、民間資金の導入にも門戸を開く。日本の「国立大学法人」のフランス版ともいえる内容で、教育や研究の活性化を目指しているとされる。
「大学間の格差拡大」を危惧し、法律撤廃を求める学生らは全国で抗議行動を展開。フランス公共ラジオによると、全国の50大学で校舎封鎖などの動きが出ており、抗議行動は高校にも広がりつつある。
(上記記事より)
サルコジ大統領は特別年金改革だけでなく、昨年の夏に富裕層の減税政策で最近は大学の自律化、公務員削減に至るまで、新自由主義政策を押し切って、あちこちで反発を買っている。この点がサルコジ大統領には圧力として作用している。
先週、フランスの85のケ国立大学のうち、10数か所がサルコジ政府の大学自律化に対抗してデモをした。しかし今週は33大学に広がった。13日にパリ10大学では警察が催涙弾を発射しながら校内に進入し、デモをした学生を強制解散させるという事件も発生した。
学生たちは大学側に寄付金募集、学生選抜権、予算編成などで自立権を認めるサルコジ政府の大学改革に強く反発し、近隣の電車の駅を封鎖するなどで強く抵抗している。
(「フランス公共部門連帯ストライキ3日目」(レイバーネット)より)
フランスの大学生達が、政府の大学改革に対して抗議行動を続けているようです。
その大学改革とは、簡単に言えば、大学の裁量を拡大させ、大学間の競争を促進させようとするもの。
職員採用や学生選抜に関する大学の権限の強化や、予算編成や寄付金募集などの財産管理の裁量拡大といった内容です。民間資金の導入にも門戸を開くとのこと。
日本の「国立大学法人」のフランス版ともいえる内容で、教育や研究の活性化を目指しているとされる。
と、東京新聞には書かれています。
確かに、どこかで聞いたような話です。
(日本やフランスだけでなく、こういった改革を進めている国は他にもあると思います。どこも今、自国の大学の競争力を高めようと必死です)
様々な変化をもたらすこの改革は、しかしフランスの学生達からは反発を買ってしまいました。
フランスは今でも、国立大学の学費がほとんどゼロだと聞きます。わずかな登録料だけで済むのだとか。その裏には、「教育機会を得られたかどうかで格差が生まれてはいけない」という発想があるのでしょう。
どんな家庭環境でも、学生には同じ教育を受ける権利があるというわけです。
現在は、国を挙げてこの原則を守っているようですが、しかしそれぞれの大学の裁量権を拡大させれば、当然、経営がうまい大学と、そうでない大学が出てきます。
結果、大学間で様々な格差が生じてくる可能性があります。
どうも学生の皆様は、その点に反対しているようです。
中には大学を封鎖し、警察と衝突する学生も出ているとか。
もちろん、学生と言っても全員ではないでしょう。普通に大学に通って、授業を受けたい学生もいるでしょうし、抗議行動に力を入れる学生もいると思います。
ただ、今のところ抗議行動は拡大し、数十の大学に拡がっているとのことですから、結構、政策に対する反発は強いのでしょう。
それがすぐにこうして具体的な抗議行動に表れる辺り、さすがフランス革命の国(?)です。
都市郊外の若者達が暴動を起こしていたことがまだ記憶に新しいフランス。こうした抗議行動の背景には、学生が普段から抱えている経済的な問題や、不安定な将来に対する不安など、色々な不満も関係しているのかも知れません。
今後、どのような形で収束していくのでしょうか。
大学改革は断行されるのか、それとも今回の抗議行動に対して何らかの譲歩がされるのでしょうか。気になります。
以上、マイスターでした。
なぜ暴動が起きているのだ?新聞の報道の仕方では何が問題で暴動にまで発展したのかよく分かりませんね。