「大学職員サミット やまぐちカレッジ2008」 開催

マイスターです。

民間企業などと比べると大学業界は、同業の方々との交流が活発です。

大学教員が、研究活動のベースとなる「学会」を介して多くの研究者とつながっているのは言うまでもありませんが、大学の運営を司る大学職員の方々も、他大学の職員と様々な機会で交流しています。

多いのは、研修や勉強会でしょうか。
大学職員の間では、「大学行政管理学会」や「私立大学情報教育協会」、のような組織が主催するものがよく知られています。そしてさらに、こうした大きな研修を通じて知り合った他大学の職員同士がネットワークをつくり、ごく私的な懇親会から、かなり本格的な学習・研究の組織までが生まれています。

受験生を奪い合う「競合」であるライバル大学でも、職員同士が仲良く、業務のための勉強会を共同開催していたりするのですから、不思議といえば不思議かもしれません。
知を共有することで全体を向上させていく、という点では、研究者のネットワークに似ているところもあるように思います。

さて、そんなわけで、大学職員の方にお知らせしておきたいイベントをご紹介します。

【今日の大学関連ニュース】
■「第2回大学職員サミットやまぐちカレッジ2008」

「大学職員サミット やまぐちカレッジ2008 ~未完(蜜柑)の大器にメッセージ~」は,国公私立大学の枠を超えた,参加型のシンポジウムです。
個性輝く元気な大学を創るために,大学職員は何をしなければならないのでしょうか。
学生の学びを支えその力を引き出すために,大学職員はいかに使命感を持ち,各々が持つ力を存分に発揮してその役割を担っていけばよいのでしょうか。大学にとって職員の役割が重要とされる中,それを担う大学職員の可能性とはどのようなものだと思われますか。
これからの大学は,「学生・教員・職員の三者が一体となって,共に力を合わせ,共に育み合い,共に喜びを分かち合う」ことが重要であり,大学職員の可能性について語り合うとき,大学職員だけでなく,教員・学生と共に語り合うことがとても大切なことです。
国公私立大学の枠を超えて,それぞれの立場からそれぞれの視点で語り合い,大学職員の可能性を見いだすことで,大学職員はより輝き,教育・研究を支え,学生の元気を引き出す原動力になると思われます。
このサミットが,参加者にとって大きなネットワークの場となり,これからの個性ある大学創り,大学職員の可能性を探求する意識啓発の発露の場になればと思います。
そして,「大学職員サミット」終了時には,未完(蜜柑)の大器の学生に向けて,メッセージを発信できればと思っています。
(上記記事より)

2日間のプログラムで構成された、大学職員対象のシンポジウム。
大学職員の勉強会は、国立、公立、私立それぞれで分かれて運営されていることが少なくないのですが、こちらは「国公私立」ごちゃまぜでの開催というのがいいですね。

1日目の夜に「オールナイトディスカッション」が企画されているあたり、学生の合宿に近いノリがあります。
大学行政管理学会が、研究成果を共有する学術的な交流の場だとしたら、この「大学職員サミット」は、意識を共有させる場、でしょうか。

こういった学外の勉強会のいいところは、モチベーションの高い人達に知り合えるという点です。
特に今回は山口ですから、遠くから参加される方々などは相当、気合いの入った人達だと思います。
「うちの大学は今のままで本当に大丈夫なのか!?」……と、大学の中で普段、モヤモヤしている人は、参加されてみるといいかもしれません。

「モチベーション」というと、なんだかずいぶん個人的な問題というか、小さなことのように思われるかもしれません。しかし企業と異なり、大学は非営利組織。構成メンバーの意識やモチベーションが、組織の強さに与える影響には、無視できないものがあります。

改革が進まない大学を分析する際、その理由としては、「教授会のガバナンス」だとか、文部科学省の政策だとか、財政的なことだとか、教員と職員の関係とか、そういった問題がよく挙げられます。
しかし実際には、そういった外的環境や制度の問題以前に、「教職員の意識が低い」ということが大きな障害となっているケースだってあると思います。
あるいは、「一部の教職員の意識は高いのだけれど、なかなかそれが周りに波及していかないために、最終的にはやる気を失ってしまう」なんてケースも、皆さんの周りに、ありはしないでしょうか?

すぐにあきらめず、仲間をつくり、じっくりと土台を固めて準備を進めていけば、解決する問題もあるでしょう。しかし、その前に「どうせ無理だろう」とモチベーションを失ってしまっては、いけません。
そこで、例えばこの「大学職員サミット」のような場が、大きな意味を持ってくると言うわけです。

愚痴るのではなく、かといって学術的なアプローチに終始するのでもなく、建設的に意見や知識を共有する場。それも、全国から人材が集まっての開催。これは、結構貴重だと思います。

現状を変えたいと思っている方は、山口に行かれてみてはいかがでしょうか。
維新の志士を大勢輩出した土地で、改革の思いを同じくする仲間に出会えるかも知れませんよ。

以上、マイスターでした。

※この記事は、現役高校生のための予備校「早稲田塾」在籍当時、早稲田塾webサイト上に掲載したものです。