ニュースクリップ[-11/25]「48大学、『学力』重視で奨学金 支援機構の基準守らず」ほか

マイスターです。

以前、本ブログでご紹介させていただいたNPO法人「かものはしプロジェクト」が、国際的な賞を受賞されたようです。

(過去の関連記事)
・カンボジアの問題に向き合う 「かものはしプロジェクト」の試み(2006年07月04日)
https://unipro-note.net/wpc/archives/50217661.html

■「『この賞をかものはしに関わる全ての人に捧げます』〜JCIのトルコ世界大会で受賞〜」(かものはしプロジェクト)
http://www.kamonohashi-project.net/news/japan/20071112_376.php

先日著書をご紹介した駒崎氏と言い、日本の社会起業家は着実に成果を出し、国際的に注目されています。
大学業界の私達も負けていられませんね。

さて、日曜日になりましたので、恒例のニュースクリップをお届けします。

奨学金の意図。
■「48大学、『学力』重視で奨学金 支援機構の基準守らず」(Asahi.com)
http://www.asahi.com/life/update/1115/TKY200711150345.html

日本学生支援機構(旧日本育英会)の奨学金について、全国の48大学が高校時代の成績などの基準を設けて受給者を選んでいたことが15日、わかった。機構は99年に「学ぶ意欲を重視する」として、高校時代の学力を問う旧来の基準を廃止していた。このため、資格があるのに受給できなかった学生が多数いると見られる。渡海文部科学相は「機構の基準が守られていなかったのは遺憾」として、独自の基準をやめるよう各大学を指導する考えを明らかにした。

(略)外部からの指摘を受けて同機構が今年10月、国公私立の全756大学を調べたところ、全体の6.3%に当たる48校(国立6、公立4、私立38校)が、高校時代の成績など学力を基準に受給できる学生を選抜していた。

(上記記事より)

奨学金には、色々な種類があり、それぞれに役割があります。
成績を基準として給付あるいは貸与される奨学金もあるでしょうし、それ以外の部分を重視して出される奨学金もあるでしょう。
それぞれに、社会における機能が設定されているわけです。それが政策というものです。

ですから日本学生支援機構の奨学金が「学力を問わない」ものであるのなら、それは遵守しなければなりません。
与えられるべき対象に奨学金がわたらず、他の人達の救済に充てられていたのでは、本来ここで意図されていた奨学金の効果が失われます。

上記の記事で指摘されている48大学の奨学金担当者には、そういった政策的な意識がかけていたのではないでしょうか。

日本学生支援機構の基準が絶対に正しいとは言えませんし、日本ではこれ以外の奨学金が圧倒的に不足していますから、がんばった学生に奨学金を出したくなる気持も分からなくはありません。
しかし、そういった考えは、大学が自前で出している奨学金に繁栄させるべきです。ルール違反はいけません。

日本の話ではありませんが、↓このあたりの記事が、奨学金を考える上で参考になります。

■「Lottery Scholarship」(アメリカの大学政策事情)
http://ameblo.jp/yanatake/entry-10055570761.html
■「Lottery Scholarship 2」(アメリカの大学政策事情)
http://ameblo.jp/yanatake/entry-10055995992.html

維持できるか、目安箱。
■「『目安箱』で大学変えます 全入時代に向け広がる」(Asahi.com)
http://www.asahi.com/edu/news/TKY200711240262.html

庶民の声を施策に生かそうと、江戸時代に将軍徳川吉宗が設けた「目安箱」。その大学版とも言える取り組みが広がり始めた。学長に学生や職員が「直訴」できる仕組みだ。間近に迫る「全入時代」や国立大学の法人化で、一層の経営改善を求められている昨今の大学。享保の改革ならぬ平成の大学改革に、学生らの声を生かせるか。

(上記記事より)

インターネットが普及し始めた当時、政治家や企業家などの偉い人達の間で、「インターネット目安箱」の設置が流行りました。
要は、市長や社長宛の直通メールです。
「これで、社内から色々な意見を吸い上げるぞ」という意図に加え、「オープンな組織トップというイメージを打ちだそう」というPR的な意味合いもあったのでしょう。

しかし当時に「インターネット目安箱」をつくった組織で、現在までそういった仕組みを維持できているところは、ほとんど無いように思います。
トップがすべての意見に目を通すのは大変ですし、意見を集めても、それを反映し、問題解決していくのは容易ではありません。
結局、最初はいいのですが、何ヶ月かやっているうちにトップがパンクする、もしくは飽きてしまうようでした。

上記の記事に取り上げられたケースは、いずれも数多くの意見を集めているようです。
個人的には、学長だけが読むのではなく、ちゃんと企画部門などと情報を共有し、定期的に寄せられた問題のチェックをする体制をつくった方が、結果的には長く「目安箱」を運営できるような気がします。
せっかく好評なのですから、ぜひ長く事業を継続していって欲しいと思います。

地域総力戦。
■「小・中・高校、大学などが地域の安全度などを報告/藤沢」(カナロコ)
http://www.kanaloco.jp/localnews/entry/entryxiinov0711449/

藤沢市保護司会主催の「安全・安心まちづくりin藤沢」が二十日、藤沢市民会館小ホールで開かれ、小・中・高校、大学と地域から計六団体が、自分たちで調査した地域の安全度や防犯パトロールの様子など、それぞれの取り組みを写真や映像を使い発表した。

市立藤沢小学校は四年二組が全員で取り組んだ地域安全マップ作製の過程を代表の子供たちが発表。「ブロック塀より金網フェンスを」「緑が多いのはいいが、暗い茂みには街灯を」などと提言した。

市立湘洋中学校は一年生が総合学習で取り組んだ野外調査の様子と、「夜暗い道」「危ない交差点」などテーマ別デジタル地図作りを紹介。県立湘南台高校ボランティア部は、生活するまちとして藤沢、鎌倉、横浜の安全度などを発表した。

地域からは、夏の夜間パトロールの取り組みを続けている片瀬地区青少年育成協力会、地域の大学である日大生物資源科学部の学生と昨年から合同で防犯パトロールを始めた六会地区防犯協会が、それぞれ防犯の模範例として紹介された。

また茅ケ崎・浜見平団地の建て替え計画で、見通しの良い空間、コミュニティー力アップなどを住民らとともに研究している同大大学院建築・地域共生デザイン研究室による報告もあった。

(上記記事より)

大学が地域と連携し、調査や政策提言を行うことはありますが、上記は珍しい例。
大学に加え、小・中学校、高校と、地域の教育機関が色々な視点から発表を行ったそうです。
地域のことに関しては、大学だけではなく、色々な人達を巻き込んだ方が、その後の拡がりがありそうです。テーマにもよりますが、学校ごとに役割分担できることは案外、多いかもしれません。
こういった取り組み、拡がっていくといいですね。

アメリカでも……。
■「全面禁煙の大学が増加、60大学に 米報告」(CNN)
http://www.cnn.co.jp/usa/CNN200711130014.html

ジョージア州ゲインズビル(CNN)米国の大学で、キャンパス全体を禁煙にする動きが広がっている。大学当局が推進するとともに、反喫煙団体も、喫煙率の高い大学生にたばこを止めさせることを重要視している。

非喫煙者の権利を擁護する米団体の報告によると、構内の一部にとどまらず、すべての場所で喫煙を禁じている大学は、全米で約60に上っている。他の多くの大学では、部分的な禁煙措置が取られているという。

(略)同協会によると、米国では大学生と重なる18〜24歳の年齢層で喫煙率が最も高い。他の年齢層では喫煙率が減少傾向にあるなか、大学生では上昇しているといい、同協会では、禁煙ガムの配布など大学での禁煙の取り組みに力を入れている。

(上記記事より)

日本でも、大学キャンパスを全面禁煙にする動きが拡がっていますが、アメリカでも同じようです。
アメリカではたばこや麻薬、エイズなど、健康問題に対する社会的なキャンペーンが盛んですし、そういった問題を扱う非営利団体もたくさんあります。裏を返せば、それだけそういった問題が深刻だということです。

大学キャンパスの喫煙問題も、そういった活動と無関係ではないでしょう。
「他の年齢層では喫煙率が減少傾向にあるなか、大学生では上昇している」というのは確かに、放っておけないでしょう。
様々な機関が毎年のように統計データを出し、大学と連携して、喫煙に関する方針について議論をしているのだろうと想像します。

以上、今週のニュースクリップでした。

今週も一週間、本ブログをごひいきにしていただき、ありがとうございました。
今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。

マイスターでした。

1 個のコメント

  • Asahi.comの「目安箱」の記事ですが、そうした取り組みは今になって始まったことではないと思います。例えば私の勤務校では、十数年前に赴任したときそういうものが既にあり、現在まで続いています。他大学でも話に聞いたことがあります。最近の新聞記者はろくに調査せず、プレスリリースをそのまま記事にするといいますが、これなどもその一例だと思います。