大学院のあり方も柔軟に?

マイスターです。

昨日に引き続き、制度が変わりそうだ……という報道をご紹介します。

【教育関連ニュース】—————————————–

■「博士課程の年限弾力化へ 文科省が設置基準改正」(SankeiWEB)
http://www.sankei.co.jp/kyouiku/gakko/070921/gkk070921001.htm
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文部科学省は21日、大学院の博士課程の年限を弾力化できるよう、年内にも大学院設置基準を改正することを決めた。各大学院が、教育内容に応じた効果的なカリキュラムを組めるようにするのが狙い。

(略)大学院の博士課程は「前期2年、後期3年」もしくは「一貫で5年」のコースが標準。現行の設置基準は修業年限を超えたカリキュラム設定を明確には認めておらず、運用上認めている。

今回の改正ではこの年限を各大学院の判断で変更、延長できることを明確化。例えば、「前期2年、後期3年」を「前期3年、後期3年」といった前期を重視したコースに組み替えることが容易になる。

(上記記事より)

というわけで、今度は大学院設置基準の改正だそうです。

現在の「(修業年限を超えたカリキュラム設定を)明確には認めておらず、運用上認めている」というのも何だか微妙ですが、改正によって、正式に、自由度を高めていくようです。

年限を弾力化とのことですが、これ、取得単位数はどうなるのでしょう。

取得単位数は従来のままで、修業年限を柔軟に決められるようにする、ということでしょうか。
それとも、「大学院によって、単位数も違う」みたいなことになるということなのでしょうか。
もし後者だとすると、学位の扱いにもバラツキが出そうです。

個人的には、学部でも大学院でも、修業年限は柔軟になってほしいと思います。

人によって学ぶペースは違いますし、学びたい時間も違います。
本人にその能力があるのなら、1年で論文を仕上げて卒業する人がいてもいいし、10年かけて論文を仕上げてもいいんじゃないかと思います。
そういう学びを許容する環境こそが、学術を育てる社会のあり方だと考えるからです。

ただ、取得単位数や論文のレベルは、すべての人に同じものを課すべきです。
そうしなくては、「学位」というものが意味を失います。

「ここまで到達した」「こんな能力を持っている」ということの証明が学位。
そして、その高みに辿り着くまでに積み上げる石段の一つ一つが単位です。

そこさえ守られていれば、修業年限は柔軟でいいのではないかと、個人的には思うのですが、さて、いかがでしょうか。

(だからって、極端に時間をかけていると、「最初に学んだこと、忘れてない?」という心配も出てきそうですが)

もうひとつ、ご紹介します。

【教育関連ニュース】—————————————–

■「専門職大学院4割が定員割れ・文科省調査」(NIKKEI NET)
http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20070922AT1G2104A22092007.html
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文部科学省は、法科大学院やビジネススクールなどの専門職大学院について、初の実態調査の結果をまとめた。全140の大学院のうち、昨年秋時点で定員を満たしていないのは4割超に当たる60校。一部の有名校に人気が集まる二極化の傾向が強まっており、学生の獲得競争は今後一段と激しくなりそうだ。

(上記記事より)

こちらは、なんとなく実感がわきそうなニュースです。

確かに専門職大学院に進学する場合、学生が求める「成果」がはっきりしていることが多いです。
どの大学院ならモトが取れそうか……というところを当然、学生は見るはず。
特定の学校に人気が集中するのも、わからなくはありません。

最近、法科大学院の合格率が出たばかりですが……なかなか厳しいところも多いのではないでしょうか。

・法科大学院 平成19年度新司法試験(法学未修者含む)の合格率は何パーセント?(2007年09月14日)
https://unipro-note.net/wpc/archives/50340918.html

個人的には、専門職大学院は、「他がやるなら、ウチもやらないと」という理由で、意地で開設した大学も少なくないように思います。
採算がとれるかどうかをあまり検証せず、「ライバル大学が開設したから、うちもやらないと遅れる」といった、プライドで押し切ったところもあったのではないでしょか。

これから先、経営難に陥り閉鎖される専門職大学院も、少しずつ出てきそうな気がします。

というわけで今日は、大学院に関する報道をご紹介しました。

今日の話題も、人によって意見が分かれそうです。
どのような大学院が、これからの日本に求められているのかどうか、皆で考えるいい機会かもしれません。

以上、マイスターでした。