マイスターです。
数日前に見かけたニュースですが、ご紹介しておきたい記事がありました。
【教育関連ニュース】—————————————–
■「大学奨学生にも支援 南箕輪村が保証金を全額補助」(信毎web)
http://www.shinmai.co.jp/news/20070922/KT070921FTI090005000022.htm
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上伊那郡南箕輪村は来年度、大学に進学する村内の若者が金融機関から奨学金を借りる際に必要な保証金を全額補助する支援制度を始める。大学卒業後、奨学金を借りた期間と同じ年月、村内に住んだ場合は、返済利子の一部も補助する。唐木一直村長は「大学の教育費は子育て世帯最大の負担の1つ。社会人になるまで子育てをサポートできる制度を整備したい」と話している。
支援制度の対象は、世帯主の年間所得が300万円以下の世帯の大学生に限る方針。村によると、対象世帯は村内の約48%になるという。上伊那地方の大学進学率は約7割といい、村内の大学進学者数を推計すると毎年約110人前後で、制度対象は約50人と見込む。
(上記記事より)
■南箕輪村
http://www.vill.minamiminowa.nagano.jp/
南箕輪村は、人口およそ14,000人の村。
役場webサイトの統計資料を見ると、平成19年1月1日現在の15~19歳の人口が、男性393人、女性367人という状況です。
決して大きな自治体ではありません。
だからこそというべきか、教育の支援に力を入れています。
小学6年生までの医療費全額補助、村内全保育園での時間外保育なども既に実施しているとのことで、上記の記事でも「村づくりは人づくり。村の将来への投資」という村長の声が紹介されています。
そんな南箕輪村が、大学に進学する際に金融機関から奨学金を借りた場合の保証金や返済利子の一部を補助する仕組みをつくるということです。
マイスターも銀行から奨学金を借りたのですが、利子は案外、大きいです。
「対象世帯は村内の約48%になる」というわけで、けっこう多くの住民が、この制度の対象になるようです。
「上伊那地方の大学進学率は約7割」という記述も、おお、と思いました。
失礼ながら、なんとなく地方のこうしたエリアというと、平均より進学率が低いようなイメージを、マイスターは勝手に持ってしまっていたのです。とんでもありませんでした。こうした施策の影響なのかはわかりませんが、全国平均よりもずっと高い数字です。
地方こそ、「村づくりは人づくり。村の将来への投資」という考え方を大事にしているということでしょうか。
村によると、大学生を対象にした金融機関の奨学金制度で年間100万円を借りた場合、8万円前後の保証金を支払う必要がある。来年度予算には400万円を計上する方針だ。
(上記記事より)
この制度だけ見ると決して大きな額ではありませんが、前述の通り南箕輪村は、他にも色々なサポートを始めています。こうした細かなサポートを積み重ねていくことが、教育を大事にする自治体を作っていくのでしょう、きっと。
「村内に住んだ場合は」のような条件がついているあたり、村の振興策という意味合いも備えているのでしょう。
でも、それでもいいと思います。学ぶ意欲を持った方々の助けになるのは確かですし、それで村も活性化するなら、悪いことではないと、個人的には思います。
他の自治体からも、「(振興策としての)教育サポート案」の、ユニークなアイディアが出てくることを期待します。
以上、マイスターでした。
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(おまけ)
南箕輪村のサイトを見ていて、たまたま見つけたのですが、ここの村役場では村長を始め、様々な部門の職員さんが、出張講座をしてくれるのですね。
■「~ おしながき ~【出前講座メニュー】」(南箕輪村)
http://www.vill.minamiminowa.nagano.jp/demae/demae.html
「どこへでも出前します」「おおむね10人以上のグループでお申し込みください」とあります。
例えば、若者が10人集まって、村の財政について勉強会をしようと思ったら、財務課の方が来てくれるということです。
こういうのって、あんまり他では見たことがありません。
他にも、例えば小学校の図書館を火曜日~土曜日の午後1時~午後5時という範囲で一般開放していたりします。
「限られた予算や施設、人員の中で、できることは何でもやっていこう」という姿勢を感じました。
南箕輪村には信州大学の農学部のキャンパスがあることは大きいと思いますよ。
教育関連の情報の貴重なソースとして、毎回楽しく見させてもらってます!
南箕輪村の取り組みはとても興味深いですね!何かの折に参考にしたいと思います。