日本への進学者も多い中国のエリート校、東北育才学校

マイスターです。

↓こんなニュースを見つけました。

【教育関連ニュース】—————————————–

■「東大、京大に続々合格/中国瀋陽のエリート校」(四国新聞社)
http://www.shikoku-np.co.jp/national/international/article.aspx?id=20070606000319
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中国遼寧省瀋陽市のエリート校、東北育才学校高等部に毎年多数の東大、京大合格者を出す日本語クラスがある。宋玉良教諭は「今春は22人中7人が東大に入りました」と胸を張る。今も日本留学を目指す高校生が、秋の留学生試験に向けて勉強を続けている。

「東大で経営学を学びたい」という日本語クラスの胡書さん(19)=女性=は昨年10月、高校生の代表団として訪日、「デパートで店員の親切さに感心」し、留学してもっと日本を知りたくなった。

日本語クラスは1クラスで約30人。高等部に進む前の中1から日本語の勉強を始める。日本語以外の課目は中国でのカリキュラムをきちんと学べば、受験の1年前から日本の大学向けの「傾向と対策」だけで合格レベルに到達するという。

2002年からの5年間で日本の大学を受験した128人のうち38人が東大に、46人が京大に進学。一橋大や名古屋大なども少なくない。

(上記記事より。強調部分はマイスターによる)

日本の有名大学に続々と入学者を出す、中国のエリート校。皆様は、こんな学校があることをご存じでしたか?
恥ずかしながらマイスターは、上記の記事で初めて知りました。

でも本来この進学実績なら日本でも有名になっておかしくないでしょうが、知らない人の方がずっと多そうです。

よく、日本の雑誌メディアは「東大合格者数で見る高校ランキング」といった特集を組みますよね。この学校なら、ああいったランキングに入ってくるはずですが、掲載されているのでしょうか。
マイスターは、あの手の企画があんまり好きではないので、東大合格者特集は一切読んだことがないのですが、うーん、どうなんでしょうね。今度、機会があったら「東北育才学校高等部」がランクインしているか確認してみます。
(でも、日本のメディアは国内しか見ていませんから、なんとなく、含まれていないような気がします)

気になったので、この学校について、もうちょっと情報を探してみました。

■「日本へ熱 東大・京大へ合格者続々」(Asahi.com)
http://www.asahi.com/world/china/sinyo/02.html

東北育才学校は、幼稚部から高校まで8300人を抱えるエリート教育校だ。中でも徹底した日本語の英才教育では、中国有数の水準を誇る。生徒たちは中学2年ぐらいで日常会話に必要な日本語の聞き取り能力を習得するという。

卒業生の進学先は大半が日本の有名大学。同校によると、00~05年の6年間に計43人が東大に、計55人が京大に進んだ。

(上記記事より)

■「諸外国の学校情報:東北育才学校国際部」(外務省)
http://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/world_school/01asia/sch1080000622.html

東北育才学校(本部)は瀋陽市教育局直属遼寧省重点学校である。学生の50%は国内の重点大学に進学している。これまで数学オリンピックに出場し金メダル 8枚その他のメダル108枚を取得し、卒業生は中国国内の大学だけではなく、英国ケンブリッジ、オックスフォード大学、米国プリンストン、イリノイ大学、カナダトロント大学、日本では、東京、京都、東京工業、一橋、大阪、九州大学等々に入学している。

(上記記事より。強調部分はマイスターによる)

日本だけではなく、世界の超有名大学にも卒業生を送り出しているようですね。
数学オリンピックを始め、各種の輝かしい成果を上げているというのも、エリート校の風格を漂わせます。

見れば見るほど気になる!

で、↓こちらが、学校のwebサイトです。

■东北育才学校校园网
http://www.neyc.cn/Index.html
■东北育才学校校园网:高中部
http://www.neyc.cn/gaozhongbu/

幼稚園から高校までを含んだ学園なんだとわかりますね。
高校については、科学高中部 、国際部、外国語学校など、複数の学校を持っています。Asahi.comの記事に、「幼稚部から高校まで8300人を抱える」とありましたが、確かに規模だけ見ても、かなり大きな教育機関です。

webサイトで進学実績などを探そうと試みたのですが……すみません、マイスターには無理でした……。
中国語がわかるかたは、見てみてください。おそらく、国内外の有名大学の名前がズラリと並んでいるはずです。

探して回っていたら、この学園の「国際部」つまり外国人学生向けのページで、日本語で書かれている案内を見つけました。

■「Northeast Yucai Education Group」
http://www.study-in-china.org/jp/school/nyeg/

単なる受験指導ではなく、科学教育や芸術教育などにも力を入れているようです。
キャンパスの写真一つとっても、大変な投資がされているんだなとわかりますね。
国内外の有名大学に人材を送り出す、まさに国家的な教育機関なのだと思われます。
一度、実際の様子を見に行ってみたい学校です。

ふと、「この学校に、大学案内を持って行ったら、進学者が来るんじゃないか?」なんて思ってしまいました。中国からの留学生を増やしたい大学にとっては、一度訪問してみる価値がありそうです。
この学校だけでなく、「まだあまり日本では知られていない」世界の国際進学校って、まだまだありそうです。大学関係者にとっては、隠れた市場かも知れませんね。

というわけで、今日は中国のエリート校をご紹介しました。

マイスターでした。

1 個のコメント

  •  この夏、あるグループで瀋陽を訪問した際、バスで市内を移動中に、この種の有名進学校のそばを通り、全中国から優秀な生徒が集まる云々の紹介がありました。
     日本でも留学生にかかわる人々の間では、このような、海外の有名大学進学を直接目指す中国の進学校のことはかなり知られているようです。
     灘、開成、ラサールなど日本にいくつか存在する進学校の海外版というわけで、狙いは中国の現在の事情にも即していて納得でき、これからますます隆盛を極めていきそうな予感もします。
     他の途上国(たとえばベトナムなど)にも、趣旨の共通する学校等があり、日本の受験生は、うかうかしているとはじき出されそうですが、日本にとってはまさに「開国」の一環であり、基本的には喜ぶべきことです。
     日本の事情に明るい海外出身の優秀な人材くらい日本にとってありがたく、頼もしい存在はないといえます。いわば日本そのものの世界への拡大(まったく平和的な)です。
     日本人が海外へ進出することによっても、日本を拡大、発信できますが、あくまで日本人自身によるものであり、その(「自己主張」であると言う)限界は超えることが出来ません。
     それに対し、留学生等を受け入れれば、将来の期待効果として外国人による日本についての発信が行われるので、その効果は倍化します(内容が悪い場合も同様ですが)。
     海外進学校に関心を持ち、反日デモの一方でこのような動きもますます盛んとなるであろうことに思いをいたすこともまた、有意義ではないでしょうか。