マイスターです。
もうご覧になった方もいらっしゃるかと思いますが、4月14日、今年もこの本が出版されました。
【今日の大学関連ニュース】
週刊朝日進学MOOK『大学ランキング』の2010年版です。
今回、「おぉ!」と思ったのは、表紙にも大きく出ている、特集のテーマ。
<大学の「職員力」>
全国で発売され、多くの受験生や高校関係者が読まれている大学案内の書籍で、ついに、「大学職員」がフィーチャーされる時代になりました。
教員の研究力については、ずっと前から情報を提供し続けてきた『大学ランキング』ですが、大学の「職員力」もまた、その大学の実力を構成する重要な要素なのだということを、多くの方々に伝えてくれると思います。
冒頭の掲載項目は、ノーベル賞に関する調査結果なのですが、その後、
■事務職員力ランキング
~挑戦し続ける大学は職員力が発揮されている~
大学行政管理学会会長 横田利久氏
■事務職員採用ランキング
~大学運営の要となるプロフェッショナル~
立命館副総長 本間政雄氏
■事務職員規模ランキング
~学生のために大学を守る責任がある~
桜美林大学大学院大学アドミニストレーション研究科教授 高橋真義氏
……といったランキングが続きます。
それぞれ、業界を代表する方々が、熱い文章を寄せておられます。
「事務職員力ランキング」は、各大学の事務局長による、事務職員力が優れていると思う大学のランキング。
経営戦略、財務管理・資産運用、入試・広報、進路・キャリア教育などについて、それぞれのランキングが掲載されています。
これらの項目、どれも重要ですよね。
こうした大学の業務が、職員によって執り行われているのだということを、受験関係者が読むメジャーな大学案内誌が明示することは、これまでなかったと思います。
画期的な出来事です。
「事務職員採用ランキング」では、
・大学職員の新規採用者の人数
・全職員における新規採用者の割合
・新規採用者のうち新卒の割合
・新規採用者のうち自校出身者の割合
……といったランキングが紹介されています。
数年間、新卒採用をせず、派遣などに切り替えている大学も世の中には多いと思いますが、逆に「攻めの採用」をしている大学も多いようです。
また昨今では、大学でも中途採用者の活用が進んでいますが、「採用者は全員、新卒」という大学が11校ありました。また、「全員、自校出身者」という大学は、2校あります。
それぞれどこの大学なのか、ぜひ本誌をご覧になってみてください。
なお『大学ランキング』全体に言えることですが、こうした数字は、多ければいいとか、少なければいいとかいう単純な「評価」ではなく、あくまでも大学を読み解く情報のひとつ。
「へぇ、○○大学は、ずいぶん多くの職員を新規採用しているな。新学部ができたからかな。いや、○○方面の業務高度化に力を入れているという話も聞くな……」
……みたいに、他の情報と合わせて読み解いてみると、大学のあり方や、目指している方向性がイメージできると思います。
「事務職員規模ランキング」は、事務職員の総数、および「事務職員一人あたり学生数」で構成されています。
特に後者は、各方面に手厚いサポートを行ったり、高度な業務を行う上で、とても重要な指標。
そのことを、進路指導に関わる方々には知っていただきたいところです。
……というわけで、今年の『大学ランキング』は、大学関係者の方、必読です。
この『大学ランキング』は、他のランキングとは異なり、様々な指標から大学の姿を立体的に浮かび上がらせようとしている点が特徴。
読む側も、ひとつひとつのランクを絶対的な評価として受け取るのではなく、様々な良い点、悪い点を知る手がかりにできるのが、良いところだと思います。
今回は大学職員関係の項目が充実していますが、こうして情報を提示されてみて、なるほど職員の存在って重要なんだよな、と再認識できました。
もちろん上記の他にも、相変わらずユニークな調査項目が並んでいます。
いずれも、大学の事業展開を考える上で、参考になるものばかり。
特に大学職員の方々は、大学行政管理学会などで研究発表をするにあたっても、資料として使えるデータが多いと思いますので、お手元に1冊、いかがでしょうか。
上でご紹介した大学職員関係のランキングは、大学教員の方々にもぜひ読んでいただきたいです。特に、3人の方々による熱い文章は、とても参考になると思います。
なお、豪華な執筆陣にまぎれ、ひっそりマイスターも別のランキングで文章を書かせていただいてます。
2008年度版:大学発ベンチャーランキング
2009年度版:同窓会ランキング
2010年度版:オープンキャンパスランキング
……と、今回で3年目になります。
いつもありがとうございます。
大学を色々な角度から語れるようになりたいと思っているマイスター、おかげさまでいつも良い経験をさせていただいてます。
そう言えば毎回、早稲田塾という、予備校の肩書きで書かせていただいておりますが、入試に関連するトピックは今回は初めてだなぁ、と今さら気づきました。
よろしければぜひ、ご覧になってみて下さい。
マイスターでした。
※この記事は、現役高校生のための予備校「早稲田塾」在籍当時、早稲田塾webサイト上に掲載したものです。
現物をまだ目にしていないので、この記事だけでの印象ですが、職員の場合は専任、任期つき、嘱託、派遣、アルバイトなど、教員以上にさまざまな待遇で雇用されています。それらを区別せずに統計とっているのだとしたら、出されたランキングは百害あって一利なしだと思います。
>OneWord氏
雇用の別は大事ですね。大学ランキングの場合、使っているデータはどう考えても正規職員のものですよ。というかこの手の調査では普通、正規以外の職員の数字が入っていることなんてないように思います。