日本の介護の問題がよく分かる、オススメのマンガ

マイスターです。

マイスター、今はまだ心身ともに元気いっぱいです。でも、いつか人間は老いていきますよね。年金制度の破たんだの、介護保険制度の問題点だのと、将来の社会制度の見通しについてはあまりいい話を聞かない世の中です。
そんなわけで、まだ先の話とは言っても、福祉の問題にはやはりそれなりに関心を持っています。

「教育・福祉」とか、「少子高齢化」とかいった言い回しで、教育と福祉はいっしょくたに扱われてしまうことも多いです。もちろん実際には、色々と違うことのほうが多いです。

ただ、お互いにリンクするところもあるので、そういう点については、色々と大学側も社会に提案していっていいと思います。

・生涯現役学生主義! 日本初、カレッジリンク型シニア住宅が誕生
http://blog.livedoor.jp/shiki01/archives/50222030.html

・シニア向けの大学選びポータルサイト
http://blog.livedoor.jp/shiki01/archives/50226344.html

例として、↑最近ではこんな記事もご紹介しました。

ところで、そんな高齢者の世界について、皆様はどのくらいご存知ですか?
マイスターは、福祉コンサルタントとルームシェアしていることもあり、それなりに本などを読んで勉強しているつもりですが、まだまだイメージできないことが多いです。

「介護保険って、結局のところ利用者からしたら、どんな制度なの?」とか、「高齢者の皆さんは、日々、どんな風に生活しているの? 生活を楽しめているの?」とか。
正直、実態をどれだけ知っているかというと、今ひとつ自信がありません。

今後、高齢者福祉と大学とが連携をしていくことは、間違いないと思うのです。そのためにも、実際の、現代の高齢者の皆様の生活イメージをつかんでおかないとなあと思います。
きっと、心身ともに元気な方もいれば、体の機能が弱まって介護のサポートを活用されている方もおられるでしょう。仕事の充実感を、老後も何かの形で得たいと思っておられる方もいれば、趣味に没頭したいという方もおられるでしょう。
実際のところはこのように千差万別でしょうから、一人一人の生活者の皆様と向き合って、学んでいくしかないところも多いんだろうと思います。

それはそれで機会を見つけて経験を重ねていくとして、現在の高齢者を取り巻く「制度」についてもある程度、知識として仕込んでおくことが大事かなと思う今日このごろです。
介護保険の仕組みも説明できずに、高齢者と大学の連携を提案しても、説得力がありませんからね。

そんなわけで今日は、忙しい教育業界人の皆様のために、高齢者介護の問題がよくわかる文献をご紹介します。
文献といってもマンガですから、あっという間に読めます。でも、内容は非常によくできています。同居人の福祉コンサルタントも、「いや、こりゃあリアルだわ」と言っていましたから、そう実態とかけ離れた描写ではないんじゃないかと思います。

ヘルプマン! (1)

↑これです。
ご存知の方は、ほとんどおられないんじゃないかと思いますが、いかがでしょうか?

簡単に言えば、介護問題版『ブラックジャックによろしく』、みたいなマンガです。
登場人物たちの視点で、介護の問題がわかりやすく生き生きと描かれていると、マイスターは感じました。それでいて、日本の介護政策の欠点や矛盾点も鋭く指摘されていますので、読んでいてとても面白いのです。

※しかし、あまり知られていないからか、書店で見かける事は少ない気がします。見つからない場合は、Amazonでご購入ください。

※どっちかというと重い、ヘビーな内容のマンガですから、「楽しく読める」という保障はできません。でも、「高齢化社会が抱える問題」は、よくわかります。

マイスターはこの他にもいくつかの本を読みましたが、

○スラスラ読める
○具体的な想像ができる

という点では、このマンガが一番だと思いました。
介護業界以外に属している方が、具体的なイメージを持つきっかけにするには、いいと思います。

現在、6巻までが発売されています、
各巻ごとにテーマがあります。

ヘルプマン! (2)

老人介護で家族が疲弊していく様子を描いたのが、2巻です。
どうして介護のプロが必要なのか、
介護をプロに任せて、家族はじゃあ何をすればいいのか、ということがわかります。

ヘルプマン! (3)

介護に疲れた家族による「虐待」をあつかったのが、3巻です。

ヘルプマン! (4)

高齢者の「性」の問題を取り上げたのが、4巻です。

ヘルプマン! (5)
ヘルプマン! 6 (6)

5巻、6巻では、「ケアマネージャー」という職の位置づけと役割を通じて、介護保険の問題を訴えています。
マイスターは、この2冊で、介護保険の仕組み(と問題)がすごくよくわかりました。

マイスターが一番、興味深く読んだのはこの5、6巻です。
介護の難しさとか、虐待とかいったテーマは、他のメディアで扱われる事もありますが、ケアマネージャーの働き方を追ったコンテンツはほとんどありませんから、読んでいてびっくりできますよ。

以上、今日は直接教育とは関係がない話題でしたが、いつかご紹介したいと思っておりましたので、旅先から書かせていただきました。

詳細は、マンガを読めば分かりますから、あんまりくどくどご説明はいたしません。
(というか、今日は携帯端末で書いておりますので、あんまり長文が書けないのです、すみません。これもちょうどいい機会(?)なので、本のご紹介にさせていただきました)
1冊あたり、30分もあれば読めますから、よろしければどうぞ。

 マンガで、ざっくりとしたイメージをつかむ
→詳細については、専門家による別の書籍を読む

という順番がお勧めです。

以上、マイスターでした。