ビジネスマン向け一般雑誌が、一斉に大学特集を!

本屋に入ると必ずお金を使ってしまうマイスターです。

今週は、サラリーマン向けの雑誌が、こぞって大学特集を組んでいます。
この一斉のタイミング、各編集部がはかったとしか思えません。むむぅ。

【教育関連ニュース】——————————————–

■「週刊東洋経済 10/15号」(東京経済新報社)
http://www.toyokeizai.co.jp/mag/toyo/2005/w1015.html
特集名→「本当に強い大学 2005年版」

■「週刊ダイヤモンド 10/15号」(ダイヤモンド社)
http://dw.diamond.ne.jp/index.shtml
特集名→「出世できる大学 7万人の役員・管理職を徹底調査」

■「プレジデント 10/31号」
http://www.president.co.jp/pre/20051031/index.html
特集名→「大学と出世 人事部の証言『役に立つ大学、期待外れの大学』」

■「ニューズウィーク日本版 10/19号」(阪急コミュニケーションズ)
http://www.fujisan.co.jp/Product/5766
特集名→「ぜんぶわかる 世界の大学」

(ついでに言うと、「財界」も、表紙が慶應義塾大学の塾長どのだったり)
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えー、こうした雑誌は、実は割と高い頻度で大学特集をやっています。
電車の中吊りでこうした「最新大学ランキング!」みたいなコピーをよく見かけるところを見ると、きっと、売り上げに貢献する特集テーマなんでしょう。

が、その理由は、

日本社会を支える存在たる大学の変革が関心を集めているわけでも、
少子化が高等教育に与えた影響を憂う人が多いわけでもなく、

ただ、

「世の中のサラリーマン、ビジネスマンが、学歴ネタ大好き」

であるから、なんだろうなとマイスターは思います。

自分の母校がほめられているとうれしい。
ライバル校に押されていると「何やってるんだ!」と憤る。
ランキングに入ってすらいないと、
「この本の編集部は、見るべきところを見てない!」
なんて思ってしまう…。

そんなささやかなドキドキを味わいたいんじゃないのかな、
なんて、個人的には感じています。

あと、自分の出身校が少しでも評価されると、自分のステータスアップにもつながるんじゃないかな?なんて甘い期待も抱いているに違いありません。

そのへんが、各誌の特集タイトルによく表れています
わかりやすいですね、おじさん社会。

(別に母校がこれから評価を上げたからって、自分が出世できるわけではないと思うんですけど…)

さて、マイスターは職業柄、上記の4誌をすべて購入してしまいました。
同じようなおっさん雑誌に2,000円以上費やし、本屋で店先でちょっとむなしくなりました。

しかし、買った甲斐はあった。

掲載されているランキングの内容が4誌で全部同じだったら間違いなく帰りの電車の中で泣いていましたが、それぞれ異なる調査、異なる視点でデータを取り上げていました。よかった。

個人的に、最も驚異深く読んだのは、「東洋経済」の特集
「本当に強い大学 2005年版」
です。

・財務力
・経営革新力
・研究力
・教育力
・就職力

という独自の指標で大学を評価しています。
そのため、普段はあまり知名度が高くないけど実はしっかりとした経営や教育をしてますよ、という大学がキラリと光るランキングになっています。

図表も見やすいし、解説もわかりやすい。
私立、国立にわけた分析も親切。
注目大学の学長インタビューも掲載されています。

なによりお役立ちなのが、全国95有力私立大学の、財務データの分析と解説
非常に丁寧に作られています。
普段なかなかお目にかかれない記事ですよ、これは。

こうした一般雑誌に出ている大学の順位付けっていうと、「上場企業社長数」とか、「役員になりやすい学部」とかいうランキングばっかりでしたが、今回の東洋経済は、大学の経営サイド、財務部分に関する記述も充実させています。

特集のページ数も、66ページと、4誌で最多。
大学のマネジメントを任されている大学職員なら、ぜひ一度は目を通し、デスクの片隅にでもおいておきたい1冊です。

続いて「週刊ダイヤモンド」。特集名はズバリ「出世できる大学」です。
大学名で出世が決まるんでしょうか。うーん、決まることもあるんでしょうねぇ。

そんなビジネスマン達の期待と不安に答えるべく、出世関連のデータが満載。

おなじみ「上場企業の役員になる確率が高い大学は?」みたいなのから、
「旧財閥系企業の役員・管理職で出身者の数が最も多い大学は?」
「北海道・東北に本社を置く上場偉業の役員・管理職で出身者の数が最も多い大学は?」
など、地域別のランキングも網羅。
業界別の役員・管理職ランキングまであります。

総選挙で政界の「出身大学シェア」がどう変動したか、なんてことまでグラフを交えて懇切丁寧に解説。
正直、「それ出身大学関係ないやろ」みたいなものも!

ただ、「学界」という業界での、出身大学シェアは、興味深いです。
あからさまに私大卒が差別されているのがわかります。一見の価値有りよ。
卒業大学を最も気にする業界は、大学なのであった。

分野別に、堅固な影響力を持つ大学を紹介する「業界の大学」のコーナーも面白いです。

で、次。
「プレジデント」なんですが…。

この雑誌のランキングは、正直言って、あまり目新しいものはありませんでした。

従来からの、「社長になりやすい大学」「役員の多い大学」「資格の合格者ランキング」といった項目ばかり。
その順位も従来からのイメージとあまり代わり映えせず、東大、早大、一橋、慶応が上位を争うような構図のものがほとんどでした。
前の2誌と比べるとグラフやランキング表などの編集に工夫がなく、文字が多いです。
エライ人は、格調高い(っぽい)感じを好むということでしょうか。

気づいたことなんですが、「ダイヤモンド」と同じような分析項目を扱っていても、「プレジデント」の方は、上記の4校のような伝統校が上位に並ぶような評価指標になっています。
(たとえば、前者は「役員と管理職数」の評価で、後者は「社長と役員数」を評価方法に使っていたりする…)

思うに、「プレジデント」を愛読するような読者には東大や早慶のOBが多いから、彼らの自尊心が満たされるような指標を選んでいるのではないでしょうか。

っていうか、「東洋経済」や「ダイヤモンド」で健闘していたマイナー大学(失礼!)は、「プレジデント」でははなっから調査の対象にすらなっていなかったりします。
きっと、日本のエグゼクティブにしてみれば、そんな大学は眼中にないのでしょう。

大学の特集と一緒に、なぜか全国の進学校(高校)ランキングが掲載されているあたりも、有名高校からエリート街道を爆進してきた読者たちには好評を博すと思われます。

もちろん、「プレジデント」ならではの長所もあります。
「ダイヤモンド」と同じで業界別の社長数ランキングがありますが、分類がダイヤモンドよりも細かいです。
大学ごとの、企業別就職者数なども、不必要なくらい具体的で詳細です。

貫禄ある社長になりたい方は、読んでおいてもいいかもしれません。

最後は「ニューズウィーク」です。

他の3誌とはことなり、ランキングデータなどはありません。
個別のケース紹介で記事が構成されています。

特集名のとおり、世界の大学を紹介しているので、日本の大学の情報はほとんど出てきません。
話題の「立命館アジア太平洋大学」くらいです。

「加熱する留学生獲得ウォーズ」と題して、海外の大学の戦略や取り組みが紹介されています。
日本の私達にとっても、学ぶところ大、です。

中国国内の大学に関する紹介もいくつか紹介されていますね。
またアメリカに対する、欧州の大学の巻き返しについての記事も興味深いです。

入学準備を請け負う専門の業者と手を組む大学や、海外の英語学校と提携して生き延びようとする伝統大学なども。
「米国の超一流大学もアジアで高校訪問」しているとか。
日本国内で、こうした取り組みに二の足を踏んでいる場合ではないですね。

ちなみに日本への留学生は少ないと言われますが、それでも2003年度は8万6,500人で、「世界の6大留学大国」に入っているのですね。
知りませんでした。

普段、「日本への留学生はほとんどいない!」なんて言われ方をしていますが、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、オーストラリアに次いでの6位です。
アジアでは首位。ロシアやカナダなどよりも留学生を集めている、という見方だってできないことはありません。
日本の経済規模から言ったらまだ満足できる数字ではありませんが、
それにしても、普段の言われ方が若干偏っているんじゃないかな?って気はします。

以上、とりとめのない文章になりましたが、各誌の雰囲気はつかんで頂けたでしょうか?

各誌とも、ちょくちょく大学特集を組む雑誌ではありますが、それにしてもこんなに一斉に特集のタイミングが揃うことは、なかなかありません。
世間が、大学に注目しているあらわれと言えるかも知れませんね。

お時間のあるかたは、各誌を読み比べてみるのも面白いのではないでしょうか。
ビジネスマンが、大学のどういうところに関心を寄せているかも、よくよくわかりますよ。

とは言え、ランキングに過度に振り回されるのも禁物。
適度に参考にする程度にとどめておきたいマイスターでした。

2 件のコメント

  • 超遅めのレスです。
    この手の雑誌は入試前に特集されるのが一般的でした。
    昨年の物と比べて頂くと分かると思うんですが、
    ほとんど代わり映えしません。
    客観的かどうか分からない(判断できない)データを
    こねくり回したという印象が一段と深くなりました。
    私は、この手の雑誌は学校の図書館で見ることにしております

  • こんにちは、お返事が遅くなってすみません。
    私も、雑誌コーナーでちょくちょくこうした特集を見かけますが、そんなに毎回で変化はありませんね。
    特に、「プレジデント」はそれが顕著だったように思います。
    それでもこうした特集が各誌で組まれるということは、世間がそれだけこうしたランキングを気にかけていることでしょうか。