不祥事を起こしたときの謝りかた(1):松下電器に見る、企業の不祥事対応

「クレームへの対応」について、よく考えるマイスターです。

元々、大企業のwebサイトの企画・設計を行ってきました。
webサイトを企画することは、

「その企業は、お客様に対して、社会に対して、どのように接していくのか」

ということを考える作業でもあります。

オンラインメディアのことだけを考えていては、企業webサイトというものは設計できません。

企業広報というのは、その活動を通じて、
お客様や社会と、企業のすべてのスタッフをつなげるのが役目です。
それゆえ、広報部門に「コーポレート・コミュニケーション部門」といった名前を付ける企業もあるわけです。

webサイトは、そうした企業と社会とのコミュニケーションの場でもあるわけですから、
webサイトの先にあるサポートセンターの体制はもちろんのこと、
街中にある店舗の受付カウンターや、生産工場の方々など、
様々な人々のことを考えなければ、設計できないというわけです。

お客様からお問い合わせが寄せられれば、企業全体でもって回答する。
質問があれば、誠意を持って、お答えする。
そうした姿勢は、webサイトでも、実際の店頭窓口でも、同じように求められるのですね。

現代の広報活動というのは、企業と社会との、双方向のコミュニケーションです。
元々、メディアの特性として双方向性を保持しているwebサイトというのは、コミュニケーションのステージとして、大変な可能性を秘めているわけです。

さてさて、企業の広報担当者が常日頃から心を砕いているテーマの一つが、

「不祥事対応」です。

不祥事が起きたときの対応ひとつで、企業のイメージは大きく悪化します。
ここ数年、そういう事件が絶え間なく発生していますから、皆様も具体的な事例を思い浮かべやすいことでしょう。

雪印、三菱自動車、最悪でしたね。マイスターなどは、未だに牛乳はメグミルクを避けていますし、バターも雪印製は買う気がしません。
(そう簡単に企業の体質は変わらないと考えるからです。まだ数年は様子を見たいです)

逆に、昨年末から続いている松下電器のヒーター回収活動は、やりすぎと感じられるくらい徹底していますね。すごいの一言です。

年末商戦用に抑えていたテレビCM枠のすべてを、あの、回収呼びかけメッセージ映像に差し替えたのは、見事な英断だったと思います。
本来予定されていた、各商品の宣伝効果は失われましたが、その代わりに、普段得ようと思っても簡単には得られない「お客様と社会に対して誠実な企業」というイメージを手に入れました。

その後も、回収・点検修理の告知はがきを日本中の全世帯に郵送するなど、熱心な取り組みを行っています。

普段、日本中の全世帯に無差別にハガキを送りつけたりしたら、スパム行為として非難されることでしょう。
人命に関わる問題でこんなことを書くのは不謹慎かも知れませんが、このハガキ郵送活動を通じて、松下電器は日本中のあらゆる世帯に公然と、「誠意ある企業」という姿をPRできているわけで、それを考えればハガキ代など、安い出費なのかも知れません。

松下電器のサイトにアクセスすると、トップページが、事故への対応のための特設ページにすり替わっています。危険性が明らかになってから、ずっとこの状態です。

■松下電器産業株式会社 webサイト
http://panasonic.co.jp/

この松下電器産業の事故対応の姿勢には、重要なポイントが含まれています。
それは、以下の3点です。

●自分達の非については、徹底的に詫びる

●経緯を明らかにし、原因を徹底的に調べ、情報を公開する

●問題を解決するために、どのような対応を行っているかを、明確に説明する

つまり、
可能な限りを尽くして説明責任を果たし、社会を納得させているのです。

ただ平身低頭な姿をさらすのではなく、具体的な情報を順次公開し、徹底的にできることをやり続ける。
これこそ、理想的な、不祥事対応の姿でありましょう。

ところで、学校はどうでしょうか。

学校は社会に対して、企業以上に大きな説明責任を負った組織だとマイスターは思います。

さて学校は、きちんと社会に対して、コミュニケーションを取れているでしょうか?

というわけで、大学の不祥事について、調べてみました。

【教育関連ニュース(不祥事編)】———————————

■「情報漏洩」(大学職員.net -Blog/News-)
http://blog.university-staff.net/archives/cat45/cat16/

■「職員の不祥事」(大学職員.net -Blog/News-)
http://blog.university-staff.net/archives/cat45/cat11/

■「教員の不祥事」(大学職員.net -Blog/News-)
http://blog.university-staff.net/archives/cat45/cat19/

■「学生の不祥事」(大学職員.net -Blog/News-)
http://blog.university-staff.net/archives/cat45/cat12/
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「大学職員.network」の管理人さんが運営する「大学職員.net -Blog/News-」は、大学の不祥事情報速報サイトとしては、他の追随を許しません(^_^;)

上記のように、誰が原因の不祥事か、にあわせてカテゴリが分けられているという親切設計です。
私達の所属する業界の悪い面を、嫌でも直視してしまうわけで、これは自己改善のためにも、実に有意義な取り組みだと思います。

さっそく見てみましょう。

大学は、個人情報の宝庫であるだけに、
情報漏洩のニュースに事欠かない場所でもあるみたいです。
とりあえず、持ち歩くノートパソコンに個人情報を保存するのはやめましょう。
不要になった情報は、確実に削除しましょう。あと、採点簿は無くしちゃダメです。

情報漏洩を除いた職員の不祥事は、お金が絡むものと、下半身が絡むものに大きく二分されるようです。
同じ大学職員として、恥ずかしいです…。

それに比べると、教員の不祥事は、バラエティに富んでいます。
(いや、まったく良いことでも何でもないんですが)
セクハラ関係も多いですが、研究費の不正受給や、論文の盗用、データのねつ造など、研究者ならではの問題も。
ねつ造関係は、最近メディアでも多く取り上げられていますので、印象が強いかも知れませんね。

しかし、上記のニュースの多くは、そんなに一般生活者の印象には残っていないと思います。
一部のねつ造問題を除き、マスメディアがあまり取り上げないからです。
情報漏洩なんて、こんなに事例がたくさんあるのに、あんまり知られていませんよね。

もちろん、印象に残らないからいいということでは全然なく、むしろこうして他の情報の中に埋もれていることは、また別の問題につながっていくと思います。

最後に、「学生の不祥事」を見てみますと…
メディアで大きく取り上げられたニュースがいっぱいです。

京大生の集団強姦容疑、
早大アイスホッケー部員の女子部屋侵入、
ウサギの解剖のブログ、
そして、アルバイト塾講師の、宇治市小6刺殺事件。

お茶の間を震撼させた、大きな事件がズラリです。

こうして振り返ってみると、ここしばらく、大学生の起こす重大事件のなんと多かったことか。

たまたま大学生の年代の若者が起こした事件であるのか、
それとも、大学に関する特定の何かに起因する部分があるのか、

そのあたりは、それぞれのケースによって当然違うと思いますが、
いずれにしても、こうした事件が起きた時、社会は大学の発表に注目するわけですね。

さて、では、大学で問題が起きた場合、大学はどう対応すれば良いのでしょうか?

それは、ケースバイケースです。

特に「謝罪」の部分に関しては、必要な場合と、そうでない場合があると思います。

慎重な対応が求められるのはもちろんですが、
大学が何に対応し、何に対応しないか、ということも、大きなテーマの一つになってくるのかと思います。

長くなりそうですから、この続きは、明日に。

以上、マイスターでした。

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(おまけ)

マイスターがかつて働いていた会社は、主として大企業の広報部を相手にするプロダクションでしたが、仕事が、やたら3月に集中していました。

他の業種でも3月の年度末にあわせて、予算消化のためにお金を使うところはあるでしょうが、広報業界はその中でも別格なのです。

なぜだかわかりますか?

大企業の広報部は、万が一の不祥事対応に備えて、3月まで、たっぷりと予算を残しておくからです(本当)。

メディアが取り上げるような大不祥事を起こすことを想定して、突発的な対応にも耐えられるくらいの予算です。

で、3月まで何もないと、「あぁ、今年度は、何もなかったな。じゃ、何か作るか」といって、webのコンテンツを増強してくれたりするわけです。

マイスターはその意味でも、取引先企業で不祥事が起きないことを、いつも祈っていました(^_^;)。

話は変わりますが、そう言えばマイスター、とある企業様に対して、
不祥事が起きた場合、簡単な操作一つで、企業のトップページやメニューを

「緊急お詫びバージョン」

に切り替えられるシステムの提案をしたことがありました…。
お詫び文章は、中高齢のお客様の心に誠意を届ける「縦書き」にも対応できる仕様です(笑)。

超高価なカスタムプログラムだったので、その時は売れませんでしたが、松下に売り込んでおけば良かったかも…あぁ、なんて時代を先取りしたシステムだったんだろう。

なーんて思う今日このごろ。