マイスターです。
↓こちらの取り組みの一環として、現在、仙台に出張中です。
■「SNP:スーパー ナノメカニクス プログラム」
さて、日曜日になりましたので、今週も一週間の教育ニュースの中から、いくつかを選んでご紹介します。
【医学部への献体、増加。】
■「死生観に変化、献体急増21万6千人…登録制限も」(読売オンライン)
大学の医学部に、献体を申し出る人が増えている。解剖実習は医師免許を得るために欠かせない課程の一つ。大学はかつて献体集めに大変な苦労をしたが、最近では希望者が多すぎて登録の制限を始めたケースもある。世の中、何が変わったのか。
(略)献体は自らの体を医学の教材にと、代償を求めず提供すること。しかし遺族にとっては、死後であっても遺体にメスを入れるのは、かわいそうに思えるし、遺骨が家族に帰るまでに平均2年かかる。「娘」が戸惑うのはこうした事情からだ。
「県内を駆け回っても、なかなか必要な数が集まらず、東京の医大から分けてもらっていました」。こう振り返るのは、琉球大の担当者。本人がその気でも家族が反対したりで、なかなか確保が進まなかったという。
ところが、近年、状況は一変している。長く献体運動を進めてきた「篤志解剖全国連合会」(東京、87大学加盟)によると、20年前、10万人に満たなかった献体登録者は現在、21万6000人と倍増している。
神戸大学の献体窓口団体「のじぎく会」には現在、約5500人が登録しているが、一時は献体が必要数を上回る事態に。「解剖されないまま遺体の保管が長くなるのは、遺族を心配させる」と1997年から9年間、入会者を年50人に制限した。
このほか、千葉大など多くの大学が、年齢制限や面接といった方法で登録数の調整に踏み切った。献体の実態調査をする財団法人「日本篤志献体協会」(東京)は「相当数の大学で制限や登録の一時停止など、何らかの措置を講じた」としている。
献体運動にかかわってきた順天堂大の坂井建雄教授は、日本人の死に対する意識が変わったことが大きいと分析する。「通夜から納骨に至るまで、何日もかかる一連の儀式を見届けることで、日本人は肉親の死を受け入れてきた。でも、医学の進歩に役立つという意識を持つことで、多くの人が死に理性的に対処できるようになったのでは」と話す。
(上記記事より)
「献体」の登録申し出が集まりすぎて、登録に制限をかけるほどになっているのだそうです。
臓器移植の「ドナーカード」も、ここ数年で少しずつ浸透してきた仕組みですが、ああいったものの普及も、献体の増加に影響を与えているのかな、なんて気がします。
このように増えてきたとはいえ、非常に貴重な贈り物であることには違いありません。
医学部の学生さん達は、心して受け取ってください。
【気の長い講座。】
■「歩き遍路、結願 徳大講座『空海と歩く』受講生、3年がかり 」(徳島新聞Web)
健康づくりや生涯学習を目的に四国霊場八十八カ所を歩いて巡る徳島大学大学開放実践センターの講座「空海と歩く」の受講生二十一人が、三年がかりで結願を果たして二十二日、出発地の鳴門市大麻町の一番札所・霊山寺に帰り着いた。
参加者は二〇〇四年に始まった講座の一期生らで、五十-八十代。遍路の歴史や文化について学ぶ傍ら、〇五年から五回、計四十日間の遍路で霊山寺から愛媛県四国中央市の六十五番・三角寺まで延べ千百キロを歩いてきた。
今回は初参加者ら十九人と一緒に、十五日に三好市池田町の六十六番・雲辺寺を出発。七日間で約百七十キロ歩き、二十一日に結願の地となる香川県さぬき市の八十八番・大窪寺に着いた。
(上記記事より)
3年もかかる公開講座というのは、かなり珍しいケースかも知れません。
でも、歴史や文化を学びつつ、実際にお遍路を実践するなんて、面白そうですね。
【卒業制作で大学をPR。】
■「『武庫女を満喫』学生らHP…兵庫・西宮」(読売オンライン)
武庫川女子大(兵庫県西宮市)生活環境学部の松野精教授(コミュニケーションデザイン学)のゼミに所属する4年生たちが、学生生活や授業の内容などを紹介したホームページ「ほんとのむこじょ」を作成した。在校生にインタビューを重ね、授業やアルバイト、サークル、一人暮らしの様子などを掲載、学生たちは「大学生活を知るためや、志望校選びに役立ててほしい」と話している。
13の学科ごとに「プライベート」「学科紹介」のコーナーを設置。「プライベート」では各学科の学生が1人ずつ登場し、アルバイトの月収、時間割などを記載。「学科紹介」では、「雰囲気は?」との質問に「マイペースな人が多く、自由」などと学生が感じているままに記したQ&A、就職先と就職率、「先生は親切。何でも相談しよう」といったアドバイスもある。
(上記記事より)
こちら、学生の卒業制作の一環なのだそうです。
■「ほんとのむこじょ」
学生が、卒業制作で大学をPRするwebサイトを立ち上げるというのは、あまり聞いたことがありません。
せっかくなので、後輩達にも引き継ぎ、ずっと拡張・更新されていくサイトにしてはいかがでしょうか。
また、webサイトを立ち上げるだけでなく、お問い合わせを受けるなどの運営や、アクセス状況の解析といったことから、色々と面白いデータが取れるかも知れませんよ。
【海外遊学をしてから大学へ。】
■「米プリンストン大、新入生に1年の『海外遊学』推奨へ」(CNN)
ニュージャージー州トレントン(AP) 米アイビーリーグの名門プリンストン大学が、新入生の約1割に「海外で1年間、何らかの社会奉仕活動を行う遊学」を推奨することになった。高校卒業後、大学で勉学を始める前に見聞を広めることで、より有意義な学生生活を送ることができるとしている。
対象となるのは、2009年度に入学する新入生からで、年間約100人もしくは学年の1割が、プログラムを受けられる。
この1年間は授業料を払う必要はなく、逆に生活費や渡航費などを受けられる。ただし、単位は取得できない。
クリストファー・アイスグラバー学長は、「こういった社会経験を通じて広い視野を持つことにより、プリンストンで受ける教育が、より有意義になるだろう」と話している。
また、このプログラムの目的は2つで、大学入学が決まった学生に一休みしてもらい、世界を知ることを通じて他人に奉仕する機会を与えたいとしている。
現在、プリンストン大学の2年生、エリザ・マックファーレーンさん(21)は、1年生の時にアイルランドで、自閉症の子供たちを助ける活動に参加。この経験によって大学生活だけではなく、人生への準備ができたと指摘し、「1年間を、助けが必要な誰かのためにすごせば、プリンストンは生まれ変わると思う」と話している。
また、2006年から1年間、イスラエルのテルアビブで英語を教えたりしたアリ・ハイスタインさん(20)も、「大学に入るための猛勉強から、ちょっと離れる必要があると感じた。この1年間で、自分を取り戻したし、本当によい状況になった」と、新入生が国外で何らかの活動をすることの意義を語っている。
(上記記事より)
もともとアメリカの名門大学などでは、大学卒業後に非営利組織などで1~2年働き、自分の目標などを見つけた上で大学院に進学するという学生が少なくないと聞きます。
またイギリスなどでは「ギャップイヤー」といって、高校を卒業してから大学に入学する前の期間に、NGOなどでボランティアに参加したり、発展途上国などを旅してまわるようなことがよく行われています。
プリンストン大学の制度は、大学入学後に、大学から生活費や渡航費を受けながら「海外で1年間、何らかの社会奉仕活動を行う遊学」を行うというもの。
この間は授業料も不要だとのことで、学生にとってはかなり魅力的な制度だと思います。
こういった体験をしておくと、その後の学びの質や意義が変わってくるのでしょう。
9月入学の導入に伴い、日本でもこれからギャップイヤーのような時間を過ごす方が増えてくるでしょうから、参考になるかもしれません。
以上、今週のニュースクリップでした。
冒頭にご紹介した「スーパープログラム・ブログ」も、随時更新していきますので、ご興味のある方はご覧ください。
今週も一週間、本ブログを読んでくださいまして、ありがとうございました。
来週も、お互いがんばりましょう。
マイスターでした。
※この記事は、現役高校生のための予備校「早稲田塾」在籍当時、早稲田塾webサイト上に掲載したものです。