こんにちは、マイスターです。
ここしばらく、観光日記みたいになってて、失礼しました~。
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研修が終わっての感想です。
全体的には、どの講義も役に立ったと思います。
ただ、どの講師も
「今はまだみなさんでは、こうした改革の中心になることはないでしょうが…」
「君たちにはこうした動きを起こす権限はありませんが、上司に不満を言う権利はあります」
「いつかみなさんが職場の中心になったときに、こうした内容を思い出して…」
などと、必ず講義の中で言うのですね。
権限がないのは百も承知なのですが、これでは大学職員の改革が進むはずがありません。
なんて言うか、これらはどれも平時の心構えであって、非常事態の対応の仕方ではない気がします。
主体的な人材が育たないはずです。
マイスターがいたIT業界は、入社した3ヶ月後にプロジェクトの責任者になっていても不思議でない雰囲気が、おおむねどの会社に行ってもあったので、こうした講師の言葉にはちょっと辟易しました。
講師の方々は、
・プランナーやディレクターが必要
・コーディネーターが必要
・教員と渡り合える人材が職員にも必要
といったことをプレゼンの中でおっしゃっていましたが、
そうした人材をどう育てるか、という内容が、絶望的に欠けていました。
むしろ、意図的に見ようとしていない感じでした。
残念です。
こうした人材は、これまでの大学職員が従事していたような通常業務を何年こなしていても、つくものではありません。
若いうちからプロジェクトリーダーを任され、
実力以上の仕事を期待され続けて、
自分で考えて人に指示する立場に5年、10年いてこそ育つのです。
というより、こうした人材が必要なのは今すぐなのです。
今すぐ、有望な若手の人材を現場の上に立たせなければならないのに。
10年、受け身の仕事を続けていては、絶対に人材は死にます!
それに、10年後に、何を改革すべきかわかるのは、10年後に入ってくる新人です。
10年後の私たちでは、手遅れです。
そういう意味で、講師のみなさんも、まだ、行為を伴った本当の危機感は持っていないようでした。
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ちなみに、マイスターは「元プロデューサー」という自己紹介をよくします。
よくある誤解ですが、どの業界でもプロデューサー職は、現場の様々な仕事を体験して年齢がある程度いってから、任命されるものと世間から思われています。
それは間違いで、プロデューサー候補生は、入社してからすぐプロデューサーです。
(でなければ、「若手研修会」に参加するようなマイスターは、プロデューサーにはなれませんよね)
テレビ局の仕事で言えば、ADやディレクターを経験してからプロデューサーになるのではなく、最初からプロデューサー業務しかしていない人間がいるということです。
民放ではディレクター上がりのプロデューサーが多いようですが、海外の放送局やNHKには、はじめからプロデューサーとして鍛えられた、優れた人材がいます。
映画でも、音楽でも、プロデューサーは本来、現場の経験だけでなれるものではありません。
なぜなら、プロデューサーの仕事は、現場の延長にはないからです。
プロデューサーの業務は、独自の物です。
下積みを何年やっても、プロデューサー思考で物を考えることには関係ありません。
プロジェクトの現場で指揮を執り続けることが、実力あるプロデューサー育成の方法だと、特に海外では考えられています。
むしろ、現場をあまり深く詳細に知りすぎることは、プロデューサーの思考にとってマイナスになると判断されることもあります。
現場の作り手にとって楽しいことが、顧客にとって楽しくないことは、とても多いからです。
マイスターは、現場経験を積んだプロデューサーがいてもいいとは思います。
というより、ある程度は必要です。
しかし、現場の通常業務とプロデューサーの育成がまったく異なっている、という点については、とても強くそう思います。
若いうちに自分で問題を見つけ、プロジェクトを立ち上げられるようでなくてはダメだとマイスターは教えられました。
20代のうちに身につけたことしか、その後の仕事では発揮されない、とも言われていました。実際、そうだと思います。
そういうバックグラウンドを持っているマイスターなので、余計に、
講師の方々の言葉は気になりました。
彼らが講演で必要性を訴えた、能力や仕事のかなりの部分は、
他の業界で言う、プロデューサーのものです。
大学業界にまず必要なのは、人材育成の発想を変えることではないでしょうか。
この間の研修にご一緒させていただいた者です。
新卒で入職して3ヶ月目の私は、
新人育成の努力がない職場には、見切りをつけ、自己努力で自分を高めるしかないと思っています。
マイスターさんが、「マネジャー養成の教育は違う」と言い切れるのは、少しうらやましいです。
その機会が与えられたということですから。
大学職員は実際、本当に固いお仕事ですよね。
でも堅い割りには、境界線があいまいで自分次第でチャンスをものにする機会も得やすいのかなと思います。
そして、日本の高等教育の激動を体験できるというスリルが味わえるのです。
若手のうちは、表立って引っ張るのでなく、下から上をコントロールするってことをしなくてはいけないとは思いますが。
大学職員への批判に加え、アクションに向けたコメントも是非お願いします。
こんにちは。
コメント、私の名前のとこだけ、勝手に直させていただいちゃいました、すみません。
いちおう、匿名ブログなもので…。
アクションに向けたコメントも、各記事でそれとなく書いているつもりですが、ブログで書いているのは、どちらかというと、私よりもっと偉い人、職場で中核になっている人へのメッセージかも知れませんね。
で、自分が何を考えて、何をやっているかというと…最近は、結構、地道なことをしています。
大学の偉い人を捕まえて昼食に行ったり、
学内で有志の勉強会を企画していたり、
若手×役員の交流会を企画したり、ですね。
もといたIT業界というのは、ある意味とても幸福な世界でした。
ブログに書いているような「こういうところはダメダメだろ!」っていうことを、そのまま企画書にすれば、「それもそうだな、よし、やってみろ」と言ってもらえるところでした。
でも、半年くらい大学にいて、大学はどうもそういう組織じゃないらしいぞ、ということがわかりました。
ここは合理的なことをするのにも、不合理な手続きがまず必要になる世界、かな?そんな印象を持っています。
しほさんのおっしゃる「あいまいな境界線」は、みんなが前向きな意識を持っている中では有効ですね。でも、残念ながらマイスターのいる大学は、自己変革の経験をあまり持っていない大学なんじゃないかと、最近思っています。
どう動いて何をすれば何が変わるか、おそらく、何十年も、誰も体験してこなかったのかな、と思います。それは幸せなことだったのかも知れません。
こうした話はきっと大学だけではなくて、日本の大企業や、歴史のある組織にはついてまわっていることなのでしょう。
これからは、変化を体験したことがないというのは、弱点になってしまう時代ですから、ちょっと困りものですね。
で、自分なりに色々なことを考えた結果、学内では、上記のような地味なことをはじめてみています。
結果がどうなるのかはわかりません。
自分にしては、似合わず地味でこつこつとした取り組みをしているなと思います。
私もしほさんと同様に、自己努力で自分をみがくしかないと思いながら毎日を過ごしています。
でも幸運なことには、この半年くらいで、同じような気持ちでいる人を学内に何人も見つけることができました。
どうやら大学というのは、一人で動かせる組織ではないらしい。
かといって、本当の「仕事の成功体験」を知らない上司をコントロールするのは、どうも自分の性格的に苦手というか、なんとなくそういう方法論が自分の考えにしっくりこないというか、そんな感じなのです。
なので、上司とか若手とかにこだわらず、部署の境無く、とりあえずは学内にvisionalistを増やすような取り組みをしようかな、なんて考えているわけです。
とは言っても、まだ準備段階なので、成果も出てません。
ブログに書くのは、もうちょっとしてからにしようかな、とも思ってましたが、先にブログに書いた方が、色々といいかもしれません。
いつも割と、苦言とか提言みたいな記事が多いので、「マイスターはこんなことをしてみました」というのが、確かにそろそろ書きたい頃合いです。
なので、こうしたことを、記事の本文として近々、書いてみますね。
転職して、半年と書きましたが、正確にいま数えたら、255日でした。
8ヶ月あまりも過ぎてしまっています。
ここらで、今までやれたこと、今後やるべきことを整理して記事にしてみるには、十分な時間が過ぎてましたね。
おかげで色々と考えがまとまりました。ありがとうございました。
ちなみに、「マネージャー育成の教育の機会が欲しい!」ということでしたら、その気になればなれますよ。
まだお若いのですし、いったん、他の業界を経験すればいいんですって。
もしくは他の国の大学かな。
本人が望めば、3ヶ月後には他の国の国民になってる可能性だってあるくらいです。
結構、人生なんでもアリですよ。
何かを手放すのって、けっこう簡単です。ちゃんと考えて計算して行えば、あんまりおそれるものでもありませんしね。
(それもすごい世の中ですね)
マイスターも、一回くらい職員として海外の大学で働きたいなぁと思い始めました。
だとしたらいつ行くのがベストか?とか、費用や投資リスクは?とか、煮詰め中です。
もっとも私の場合は、日本の大学のことを知ってからだと思いますので、どっちにしてもまだ数年先ですけど…。