学舎で誓う愛 キャンパス結婚式(1) 宗教系の大学

最近、結婚式に出席する機会が多いマイスターです。

最近では、結婚式や披露宴のスタイルも、かなり多様化しているようです。
マイスターが出席しただけでも、結婚式場あり、ホテルあり、レストランウェディングあり、色々でした。

結婚式というのは、結婚する当人達にとって、一生の思い出になる特別で大切なイベント。
そんなわけで、結婚式を、なるべく二人の思い出の場所で行いたいと考える方々は、少なくないと思います。

そんなわけで本日のテーマは、キャンパスで結婚式を挙げよう! です。

実は、大学のキャンパスで式を挙げている人というのは、少なくありません。
実際に、主役として、あるいは親族・友人として呼ばれたことがあるという方、いらっしゃるのではないでしょうか。

多いのは、ミッション系の大学の卒業生。
ミッション系大学の多くは、キャンパス内にチャペルを併設しています。
キリスト教の精神を教育に活かそうというわけですから、チャペルがあるのは当然ですよね。本来は、礼拝など、宗教儀式のために用いられるこのチャペルですが、卒業生には結婚式場として貸し出すという大学も、結構あるのです。

■「関西学院会館 -大学のキャンパスで結婚式-」

↑こちらは、関西学院大学が所有するチャペルに関するサイトです。
今回見つけた中では、群を抜いて情報が充実していました。

■思い出に残っている夫婦はいらっしゃいますか?
たくさんいますよ。…例えば新婦が関学生で新郎がそうでないケース。最初彼女が彼を関学を気に入ってもらおうと、何回かデートに、といっても式場の下見ですが、訪れたそうです。ただ施設を見ただけでは、彼はなかなか決意が固まらなかった。彼の考えを変えたのは、説明会を通して、および司式者である僕の話を聞いていく中で理解した、関学の持っている結婚についての考え方でした。私と話している時にも、関西学院の持っている人間理解に触れられたことを非常に喜んでもらいました。
この例に限らず、関学の場合は、普通の挙式場と異なり、司式者と挙式者との間に非常に濃密な関係が、出来ていると思います。やはり伝統が持っている「人格・精神性」というものが非常に濃く強いものだからという気がしています。司式を通してこの力を感じるたびに大変嬉しく思いますし、これからも大切にしていきたいと思っています。
「関学の結婚式とは -司式者インタビュー-」より)

なるほどなぁ、と思わせる内容です。こういった形でも大学は、深く人に関われるのですよね。

この関学のサイト、「よくある質問」のページもおもしろいです。

Q.関西学院大学のキャンパスで結婚式をおこなっても、披露宴をする場所がないので、移動がとても大変だって聞いたんですが?
A.関西学院会館の中には、ベーツチャペル以外にも、レセプションホールや会議室、レストランなどがあります。レセプションホールはテーブル席で200名の披露宴がおこなえます。また別会場では、最近人気の高いレストランウェディングやハウスウエディングもできますよ。
「よくある質問」より)

なんと、披露宴も一緒に申し込めるのです。大学キャンパス内で披露宴まで行えるというのは、珍しいんじゃないでしょうか?

Q.関西学院大学のキャンパスでの結婚式を申し込むためには、まるで、履修登録のように複雑な手続きが必要だと聞いたのですが本当ですか?
A.結婚式や披露宴を専門におこなう施設やホテルと比べると確かに、煩雑な手続きになっているかも知れませんね。ただし、これまで宗教センターと関西学院会館予約センターと2カ所にいって頂かねばならなかった手続きを、2005年の4月からは関西学院会館予約センターだけで済ますことができるようになりました。
「よくある質問」より)

大学っぽいやりとりです。「履修登録のように複雑な手続き」と来ましたか(笑)。

Q.関西学院大学のキャンパスで結婚式を申し込むためには、90分の講義とテストを受けて合格しないと駄目だって噂もあるんですが本当ですか?
A.まったく困った噂ですね!もっとも、月に一度おこなわれる結婚式説明会に出席しなければ、申込がおこなえないのは事実です。ただ、この結婚式説明会は、講義とかテストをおこなうような内容では無いんですよ。関西学院が何故、キャンパスでの結婚式をおこなっているのか、その理由を理解していただくことを目的としておこなっています。
「よくある質問」より)

面白い説が、学生さんの中で流れているようです!
チャペルがある大学って、こういう噂が生まれるものなんですかね。楽しそうです。
もっとも、新郎新婦のいずれかが「卒業生」でないとダメみたいですから、最低限、卒業する必要はあるわけです。将来キャンパスで式を挙げたい現役学生の皆様は、頑張って卒業してくださいね。

この関西学院のように、卒業生の式を許可する大学は、けっこうあるようです。
例えば以下のような形で、申し込みを受け付けているようですね。

■「立教チャペルで結婚式を希望される方々へ」(立教大学)
■「大学聖堂での結婚式について」(聖心女子大学)
■「Wedding Information」(ICU教会)
■「明治学院サービス-ウェディング」(明治学院サービス)

ミッション系の場合、キリスト教の精神に基づき、「結婚とは」といったテーマで、神父からちょっとした講義を受けることを求めるところもありますね。このように、キリスト教の教義に関わる意味もあるのでしょう。
マイスターはミッション系の卒業生ではありませんが、こういう行事を通して深く人生を考えられるように、大学やその付属機関が関わっていくというのは、それはそれで大変に意義のあることだと思います。

↓こちらは、仏教系の例。

■「仏前結婚式の申し込みについて」(大谷大学同窓会)
■「仏前結婚式」(龍谷大学)

本学3学舎の礼拝施設で仏前結婚式を挙げることができます。(略)衣装は和装が多いようですが、純白のウェディングドレスも、ひときわ映えます。どちらにするかはもちろん自由です。また、新郎、新婦をはじめ列席者全員が念珠を持参していただくことは、いうまでもありません。そして、当日の披露宴については、学内施設(生協など)を利用されるか、別の会場へ移動するということになります。
このような雰囲気の中で結婚式を挙げることは、単に青春の思い出の地であるということ以上に、人生の一時期を過ごした龍谷大学で、再びその建学の精神について触れ、親鸞精神を自ら人生の指針として生きていこうとすることを、本尊阿弥陀如来の前で二人揃って誓う告白の儀式であると言えるでしょう。卒業してしまうとなかなか大学で学んだことが生かせませんが、仏教の教えを龍谷大学で学んだ方は、是非、本学礼拝施設で結婚式を挙げて、そのことを思い返していただきたいものです。
なお、浄土真宗では挙式日の吉凶など、いっさい問題にしませんから、列席していただく人が集まりやすい日などを中心に、大学の授業や学内行事等と重ならない日に日取りを決めていただきます。
「仏前結婚式」(龍谷大学)ページ記述より)

仏教式の流れによる結婚式。
龍谷大学の場合、ウェディングドレスでもいいそうですが、念珠の持参は必須だそうです(不思議な組み合わせ?)。

こちらはあまり列席された方はいらっしゃらないかも知れませんが、仏教系の大学を出られていて、ご興味のある方は、大学に問い合わせてみると良いかもしれませんね。

このように何らかの宗教・宗派に基づいて設立され、かつ教会や寺院など日々の宗教活動を執り行う宗務部のような組織を持っている大学では、活動の一環として、結婚式を行えることがあるようです。

では、宗教系ではない大学の場合、結婚式は出来ないのでしょうか?

……ということを続けて書こうと思ったら、ちょっと長くなってきましたので、続きは明日にします。

以上、マイスターでした。

※この記事は、現役高校生のための予備校「早稲田塾」在籍当時、早稲田塾webサイト上に掲載したものです。