神戸芸術工科大学  「学長の部屋」

大学webウォッチャーのマイスターです。

これまでも、色々とおもしろコンテンツを探してきました。

(過去の関連記事)
■「おバカコンテンツで、インパクトあるメッセージを送る大学!」(2005年10月26日)
https://unipro-note.net/wpc/archives/50081179.html
■「学長ブログ対決!」(2005年11月19日)
https://unipro-note.net/wpc/archives/50096468.html
■「公式サイトでYouTubeを積極的に活用 明治学院大学」(2007年06月16日)
https://unipro-note.net/wpc/archives/50320816.html
■「美大・芸大志望者必読 『ムサビ日記』」(2007年08月06日)
https://unipro-note.net/wpc/archives/50332519.html
■「帰ってきた! 超インパクトコンテンツ by 岐阜経済大学」(2007年08月07日)
https://unipro-note.net/wpc/archives/50332744.html

そんなマイスター、大学のサイトを見るとき、ちょっと気になるのは学長のページ。
おそらく受験生はあまり学長のページを見ないと思うのですが、マイスターは見てしまうのです。
何か面白いことが書かれているんじゃないだろうか……という期待とともに。

とは言え、学長のページで、良くも悪くも予想を裏切られることは、あまりありません。
学長は立場上、自分のことを自由に語るだけではなく、大学の顔として、語らなければならないことを色々背負うので、どうしても語る内容が制限されるのだと思います。

だからでしょう。その大学の学長ページも、大学の歴史が何年だとか、建学の理念がどうだとか、大体似たようなことを語って終わりであることがほとんど。
仕方がない部分もあるのですが、何か工夫ができないものかなぁ、なんて思ったりもします。

そんな中で、ちょっと珍しいコンテンツを見つけました。

【教育関連ニュース】—————————————–

■「学長の部屋」(神戸芸術工科大学)
http://www.kobe-du.ac.jp/topics/president/index.htm
・バックナンバー
http://www.kobe-du.ac.jp/topics/guest/list_bk.html
————————————————————

神戸芸術工科大学のwebサイトにつくられた、その名も「学長の部屋」。
同大の教員でもある「ひろ」さんのブログ「ひろの日記帳@神戸芸術工科大学」に、リンクが張られていたので、どれどれと思って拝読したところ、とても面白かったので、ご紹介させていただきます。

上記の「学長の部屋」のリンクをクリックしてください。

見てみると、「○○さん」という名前が並んでいますので、試しにその中からひとつを選んで、クリックしてみましょう。

例えば↓こちら。

浅野 久枝さん

今月のお客さまは、大学院の非常勤講師をお願いしている浅野久枝さんです。浅野さんは民俗学がご専門ですが、ここでは民俗芸能を中心に、人間文化論を教えて頂いています。授業を聴講した院生たちから、大変面白い講議だと評判が高いので、私も話を伺いたくなってお出で頂いた次第です。(上記記事より)

土肥:恒例で伺うのですが、御出身はどちらですか。

浅野:生まれたのは東京の葛飾ですが、父の仕事の関係で生まれてすぐ愛知県の安城というところに移り、そこで高校までを過ごしました。でも、母が東京の人間でして、夏休みになると東京に行っていました。だから15年以上も居たのに、愛知にはほとんど根を下ろしていないんです。

土肥:それで東京の大学に。

浅野:そうです。たまたま父の転勤と重なって、親子揃って東京に戻りました。

土肥:どうして東京学芸大学を選んだんですか。
   :
   :

(上記記事より)

こ、この、どこかで見た感じ……

これはもしや、そう……

「徹子の部屋」!

なんてことでしょう、学長が黒柳さん状態ではありませんか。

しかも、ゲストとして呼ばれているのはどうやら、神戸芸術工科大学の教員の皆様。

学長の対談をwebサイトや学内広報誌に掲載する大学というのは、たくさんあります。
学外の有名人や、地位の高い方(他大学の学長や政治家など)と対談していることが多いです。
ただ、ご自身の大学の教員の方々と対談しているものも、それほど珍しくはないでしょう。

しかしマイスターも、「徹子の部屋」風の学長対談コンテンツは初めて見ました。
誰でしょうか、こんなことを考えたのは。楽しいじゃありませんか。

学長も、黒柳徹子さんを意識しておられるのか、冒頭から語りかけを工夫されています。

土肥:お生まれになってから現在に至る間の人生での、いろいろな岐路についてお話しを伺いたいと思います。(「学長の部屋:野口 正孝さん」より)

土肥:講義が終わったばかりでお疲れのところ、お呼びしてすみません。2時半から5時半まで、3時間連続のお話は大変だったと思います。話をされた側からの印象はいかがでしたか。
(「学長の部屋:戸田 ツトムさん」より)

……と、なんだか暖かい感じ。

このコンテンツ、どうやら、「教員一人一人の人となりを感じさせ、身近な存在にする」というのがコンセプトらしく、かなりプライベートな質問も飛び出します。

土肥:芸大は一浪ですか。

(「学長の部屋:戸矢崎 満男さん」より)

とか。

でも、このくらいの方が読んでいて楽しいし、興味をひかれますよね。

学長の対談というと、上述したように、VIPの方々とやたら壮大で漠然とした話をして終わる、みたいなものが多いです。それは別に悪くないのですが、読者の興味をひこうとしていない、自己満足なものもしばしば見かけます。

そういった自体を補完する上でも、この「学長の部屋」のようなコンテンツがあると良いんじゃないかな、なんて個人的には思います。

ちなみに神戸芸術工科大学は、デザインやアートが学べる芸術系の大学。
「先端芸術学部」なんて学部も擁しています。

だから、↓こんな方々も「学長の部屋」に登場します。

■「学長の部屋:しりあがり寿さん」(神戸芸術工科大学)
http://www.kobe-du.ac.jp/topics/guest/guest_070724.htm
■「学長の部屋:安彦良和さん」(神戸芸術工科大学)
http://www.kobe-du.ac.jp/topics/guest/guest_070925.htm

この他にも、クリエイター、アーティストとして活躍されている方々が出てきます。

芸術系大学の場合、「評価の高いクリエイターやアーティストをどれだけ教員として抱えているか」という点が、大学の評判につながったりする部分もあると思います。

その点でも、このコンテンツは、良いPR効果を生んでいるかも知れませんね。

というわけで、ちょっとユニークな大学webコンテンツをご紹介いたしました。

マイスターでした。

—————————————————————
※「大学プロデューサーズ・ノート」では、面白い大学webサイトやコンテンツの情報を集めています。
ご存じの事例がありましたら、ぜひ教えてください。どうぞよろしくお願いいたします。

3 件のコメント

  •  ご紹介ありがとうございます。
     徹子の部屋……その発想はなかったわ(笑)
     Web サイトはこれから更に充実しようという話になっていますので、今後にもご期待ください(^^)v
     ……てゆうか、成り行き(+過去の悪行?の数々)で、あたしも巻き込まれつつあったりするのですが(苦笑)
     やっしーさんこんにちは。うちのお隣のご出身なんですね(^_^;)

  • ひろ@神戸芸術工科大学、、、
    ってほんまや。
    お隣さんだったんですね。
    学生当時は芸工さん含め学園都市の色んな大学にお世話になりました。
    まだUNITYできる前から個人的に。。。
    母校に勤めたいけど神戸市の所有物という立場は変わっていない。
    学長さん色んな取り組みしてる方なので、独立法人化後の転職狙ってたの
    にぃ〜。
    話題それてすみません。