マイスターです。
教育再生会議で議論されている内容、いつも大きく報道されますね。
■教育再生会議
http://www.kyouiku-saisei.go.jp/
現在は、「第3次報告書」のまとめにむけての議論が行われている段階です。
賛否両論を生みそうな「徳育」の教科化など、様々なトピックがあります。
すべてをご紹介しているときりがないので、ここでは大学、高等教育に関係するものをいくつか拾ってみます。
「6・3・3・4制」の弾力化により、伸びる子を伸ばし、時間のかかる子に丁寧に指導する。小中一貫校の制度化、飛び級の検討、大学への飛び入学の促進
(「報告書原案の要旨 教育再生会議」(中国新聞)より)
大学は産業界との連携を深め、社会で役立つ卒業生を送り出す▽国立大学の学長選挙をやめ、学長は招聘、公募で登用▽国立大学・学部の再編統合を進める。
(「報告書原案の要旨 教育再生会議」(中国新聞)より)
大学改革について、「学長が最終責任者として、大学の運営管理を行うため」として、学長・学部長選挙の廃止を盛り込む。学内の「派閥」などによる無用な争いを避けることが眼目だ。
(「知事・教育長「学力向上サミット」、再生会議素案で提言」より)
大学の全授業の3割を英語で実施することも明記。
(「教員採用、社会人2割に・教育再生会議、バウチャーは試験実施」より)
大学・大学院改革では、指導力ある学長を登用するため、国立大の学長選挙を廃止し「学長は招聘、公募で登用する」とした。国立大学・学部の再編統合を進める必要性も明記した。
(「小中9年一貫校を制度化 教育再生会議の原案」より)
原案は、大学進学者の学力レベルを維持するための「高卒学力テスト」導入に関し、受験生の負担増につながるとの委員の慎重意見を考慮、「全国学力調査を徹底的に検証し、指導方法を改善し、学力向上に生かす」と言及するにとどめている。
(「小中9年一貫校を制度化 教育再生会議の原案」より)
いかがでしょうか。
「学長・学部長選挙の廃止」というのが目を引きます。
「学内の『派閥』などによる無用な争いを避けること」がその目的だそうで、学長は招聘、公募で登用しなさいとのこと。
確かに、同じ学部からずっと学長が出続けている大学などを見ると、学内の力関係とか、色々と邪推してしまったりしますが、……しかしこれは、激しい議論がおこりそうです。
少し前も、山形大学の学長選で、学内の投票結果では二位だった元文部科学事務次官の結城氏が学長に就任し、賛否両論、色々と話題になりました。
「大学の全授業の3割を英語で実施」というのも、あまりメディアは大きく報じていないのですが、何気にすごい内容です。
確かに、そういう方向に向かうことは必要かなと思いますが、果たしてこれ、本当に実現できるのでしょうか?
すべての大学の学生にそこまでの英語教育を施すことが可能かどうかも怪しいです。
が、それ以上に「英語で授業を行える大学教員がそんなにいるのだろうか」という疑問が。
「高卒学力テスト」に関する議論は、ちょっとおとなしくなった感じです。
センター試験と並列で進めるという前提だとしたら、確かに受験生の負担増にはなるでしょう。
このほか、↓こんな議論も、あわせて進んでいるようです。
■「教育再生会議:大学の研究、小中で実践 「教育院」構想を議論」(毎日jp)
http://mainichi.jp/life/edu/archive/news/2007/11/20071127dde007010047000c.html
政府の教育再生会議(野依良治座長)の合同分科会は27日午後、各地の国公私立大学での研究内容を小中学校の教育現場に生かす「教育院(仮称)」構想の実現に向けて具体的な議論を始める。東京大学や京都市教育委員会、NPOなどを中心に検討チームをつくり、成果を踏まえて全国に拡大する方針。12月の第3次報告に盛り込むことを目指す。教育院は「教員養成」「教員研修」「研究・調査」の機能を組み合わせたもので、各地の大学や教育センターに設置し、段階的に全国でネットワーク化する構想。同会議が提唱する「社会総がかりの教育再生」の具体策の一つとなる。
教育院では、先端的な研究成果を取り入れた教材や学習プログラムを開発し、模擬授業などを実施するほか、現職教員の専門性を高めるための研修も行う。研究者が短期の研修で教員免許を取得できるようにすることも検討する。
(上記記事より)
以上、大学に関係する議論のいくつかを拾ってみました。
間接的には、教育再生会議で議論されていることのほとんどは、大学に関わってくるのですが、ここでは直接、大学に関して議論されている内容だけを取り上げました。
いずれも、現在のあり方を大きく変えるような提言です。
あくまでもこれらは、教育再生会議が議論している提言であり、政府がこれを実現させるかはわかりません。
最終的な報告書に、実際に掲載されるかどうかもわかりません。
しかし、実現される可能性がある以上は、どのような内容が話されているのか、途中途中で知っておくことは大切です。
すべてが決まってから反対しても遅いですし。
それに、教育再生会議で議論されている内容のひとつひとつは、以前から色々なところであがっていたアイディアです。
それらを本当に実現させようとするのなら、どのような問題が起き、どのようなところを変えなければならないのか、皆で考え尽くしてみる良い機会かもしれません。
以上、マイスターでした。