今、中国のビジネススクールが熱い?

マイスターです。

日経ビジネス・オンラインで、興味深い記事を見つけました。

【教育関連ニュース】—————————————–

■「中国ビジネススクールの人気が急上昇 海外留学より中国国内でMBAを取る学生が増加中」(NBonline)
http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20071213/143118/
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「中国の大学のMBAに対する評価はかなり高まっている」と、ユニベルサムのアジア太平洋担当副社長、ヘンリク・シュミット氏は言う。

中国のビジネス教育は大きく進歩した。国内9校の大学でMBAプログラムが開始されたのはほんの16年前のことだが、今では96校の大学が230以上の MBAプログラムとエグゼクティブMBAプログラム(社会人向けのプログラム)を提供している。学費は1年コースで約3万2000ドルで、ほかの学位コースよりも高額だ。

過熱する中国経済が、中国国内はもちろん、海外でのビジネスチャンスを急速に拡大させている。それが、MBA取得者への需要を高めているのだ。中国政府は2008年に、ビジネススクールの定員を24%増やす計画で、新たに約30校にMBAプログラムの開設を認可する。

「ベスト・ビジネススクール」への投票は、ほんの一握りの大学に集中した。回答者の38%から最高のプログラムとして評価されたのは、上海市政府とEU(欧州連合)が共同出資した中欧国際工商学院(CEIBS)のプログラムである。北京大学が米大学コンソーシアムと共同で開催している国際MBA (BiMBA)は31%と僅差で第2位。また、約9%が中国の清華大学経済管理学院(SEM)と米マサチューセッツ工科大学スローン経営大学院の共同プロジェクトを挙げた。

こうした著名なスクールには、少し前なら海外でMBAを取得することを選んだような中国でもトップクラスの学生が集まっている。中国経済が非常に好調であるために、国を離れてしまうと帰国した時に就職にマイナスになるかもしれないと懸念する学生が少なくないのだ。

(上記記事より。記事は2ページにわたっており、2ページ目は無料の会員登録を行えば読むことができます。)

このように中国国内のビジネススクールが人気を集めているようです。

背景にあるのはもちろん、中国経済の高度成長。
急成長する中国企業が国際的なビジネスを展開するのにあわせて、MBAコースの内容(と学位)の需要が高まっているということです。

「海外に行っているとチャンスを逃すのでは」と思う学生もいるようで、それが「国産ビジネススクール」の人気に繋がっているみたいです。
それくらい、今の中国は、熱い局面にあるということなんでしょうね。

記事の続きには、さらに興味深いことが書いてあります。
簡単にいくつかを抜き出ししますと、例えば留学生の状況。

■BiMBA(北京大学)の学生の約9%が海外からの留学生

■長江商学院(前述の調査で第7位)は留学生が全体の15%

■SEM(清華大学)に昨年入学した生徒118人のうち、34人が外国人

■CEIBS(中欧国際工商学院)に今年入学した191人のうち約30%がイタリア、ロシア、マレーシア、インド、米国など25カ国からの留学生

このように、海外からも学生をたくさん集めているあたり、これらのビジネススクールに対する評価は国際的にも低くないようです。

留学してくる学生の側には、おそらく「中国に明るい人材になっておけば、将来、世界のビジネスシーンで活躍する場が得られる」という思惑もあるのでしょう。

中国の経済状況にただ乗っかっただけというわけではありません。
MBAプログラム自体にも、力が入っているようです。
こちらも記事からいくつか、気になる記述を抜き出してみます。

■CEIBSの常勤教員50人のうち約60%が、19カ国から集まった外国人

■BiMBAはコロンビア大学、スタンフォード大学、カリフォルニア大学バークレー校といった米国の一流大学から教授を招集

■SEMには国際諮問委員会が設置されており、「米ウォルマート・ストアーズのリー・スコット氏、米アメリカン・インターナショナル・グループの前会長モーリス・グリーンバーグ氏、米ゴールドマン・サックスの前社長兼共同COOジョン・ソーントン氏など」ビジネス界の著名人が名を連ねる

このように、国際的な評価につながるような教育体制を敷いているのですね。
ビジネス教育を専門にする教授達にとっても、中国は非常に刺激的な活躍の場なのかも知れません。

教授の報酬も相当な額だと思います。
記事には、↓こんなことも書かれています。

中国のビジネス教育は大きく進歩した。国内9校の大学でMBAプログラムが開始されたのはほんの16年前のことだが、今では96校の大学が230以上の MBAプログラムとエグゼクティブMBAプログラム(社会人向けのプログラム)を提供している。学費は1年コースで約3万2000ドルで、ほかの学位コースよりも高額だ。

(冒頭記事より)

約3万2000ドルって、結構な額です。
この額を支払える学生というのは、もともとそれなりに社会で成功している人達かもしれません。
「勝ち組が、より強くなる」という図がちょっと頭に浮かびますが、実際のところ、どうなのでしょうね。

ともかく、中国のビジネススクールが今、熱いようです。

この記事を読む限り、中国では大学や政府などが、「中国の経済発展のために、世界的なビジネススクールを中国に設立しよう」と結構本気で考えているのかな、と思えます。

中欧国際工商学院(CEIBS)は上海市政府とEU(欧州連合)の共同出資で誕生したプログラムですし、北京大学も清華大学も、アメリカのMBAと連携しています。

北京大や精華大は、中国を代表する屈指のエリート校。「海外の力を借りなくても、自力で教育できる」というプライドだって、もしかしたらあったかもしれません。
でも、今はこうしてなかなかアクティブに、教育環境を整備しているみたいです。

日本の私達にとっても、学ぶところはありそうです。

以上、中国のビジネススクールに関する記事をご紹介しました。

マイスターでした。

1 個のコメント

  • はじめまして。
    この拝見には、新卒での就職難が
    おきているのも理由かもしれませんね。
    でも、ホワイトカラー職が大学卒にたいして
    すくないのも理由だと思うので
    中国人MBAのひとには、卒業後もまだまだ大変そうな気がしました。