マイスターです。
ひそかに楽しみにしている連載があります。
【教育関連ニュース】—————————————–
■「お宝発見」(Asahi.com)
http://www.asahi.com/edu/university/otakara.html
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Asahi.comの「教育」コンテンツ内にある、「お宝発見」という連載です。
週に一回の更新ですから、ふと思い出したときに読みに行ったりしています。
見ていただくとわかるのですが、日本各地の大学が管理・保管している様々な歴史的物品が紹介されているのですね。
・竹取物語絵巻(国学院大学)
・ピーターラビット私家版本(大東文化大学)
・モーツァルト自筆譜(聖徳大学)
・15世紀の神学書(南山大学)
・混一疆理歴代国都之図(龍谷大学)
のように、人類の文化・芸術史を考証する上で貴重な史料の数々は、研究機関としての歴史を感じさせます。
自然科学分野も、目を引くものが多いです。
・ニホンオオカミの本剥製(和歌山大学)
・動物標本8000点(同志社大学)
・第2世代コンピューター(東京理科大学)
・「日本初」の恐竜(北海道大学)
・エジソンダイナモ(東京電機大学)
等々、ですね。
各大学の地域性が表れていたり、大学ゆかりの人物にまつわるものもあります。
・八郎潟干拓当時の土壌(秋田県立大学)
・賢治が集めた石16点(岩手大学)
・緒方洪庵の薬箱(大阪大学)
・早慶戦の挑戦状(慶応大学)
ひとつの物品が、それぞれの大学の歴史やアイデンティティを静かに語っているようで、実に興味深いです。
各記事には、どのような経緯でそれがその大学にやってきたのかという逸話が書いてあり、そこにまた、様々なドラマがあります。
1954年3月1日、太平洋・ビキニ環礁で、米の水爆実験により静岡県焼津市のマグロ漁船・第五福竜丸が被曝(ひばく)した。このとき船に降った「死の灰」が、静岡大のキャンパスミュージアムに保管されている。
灰は、教育学部の塩川孝信教授(当時)らが採取した。塩川教授らは第五福竜丸の被曝を知ると、放射能を測るガイガーカウンターを持って焼津港に飛んでいった。同年3月17日付の朝日新聞には「船体から20メートルばかり離れた岸壁の辺りから(ガイガーカウンターが)すでに検出音を放ち、船員たちが寝泊まりしていた船室では大きな連続音が出て、最も強烈な放射能を示した」と記されている。
塩川教授らは採取した灰を大学に持ち帰って分析を続け、24種類の元素を検出したと学会で発表した(5月31日付朝日新聞)。
(「お宝発見:死の灰 静岡大」(Asahi.com)より)
それぞれの研究者が、その時々の活動の中で出会った「お宝」の数々。
まさに大学にとって、お金では買えない財産達です。
大学関係者にとっては、ちょっとした大学の自慢であり、誇らしい歴史の一つでしょう。
普段は存在を忘れていたとしても、ふとしたときに「これ、学生時代、俺の大学にあったんだよ」と思わず言いたくなる、そんな、アイデンティティのかけらのようなもの、なのかもしれません。
というわけで、静かなコンテンツではありますが、マイスターはこの連載が好きなのです。
皆さんの大学にも、自慢の「お宝」がありましたら、記者の方に資料などを送ってみてはいかがでしょうか。
大学の財産は、社会の財産でもあります。世の中にその価値を広く伝えることは、意義があることだと思いますよ。
以上、マイスターでした。
明治大学には鉄の処女がありますよ。
http://www.meiji.ac.jp/museum/criminal/keiji.html
かなりのインパクトです。