教育再生会議、存続

マイスターです。

教育再生会議。
教育改革を旗印にした安倍前首相が、肝いりでスタートさせた組織です。
その議論の内容には常に賛否両論が寄せられたものの、既存の教育関連組織が踏み込めない非常に大胆な提言や方向性を出すこともあり、一定の存在感を発揮しておりました。

しかし首相の突然の辞職により、活動は一時停止。
これからどうなるのか……と、存続も危ぶまれている状況が続いていたわけです。

(過去の関連記事)
・首相辞職 教育改革にも影響が?(2007年09月12日)
https://unipro-note.net/wpc/archives/50340678.html

それが、とりあえず、福田新内閣でも存続することになったようです。

ただ……やはり課題もありそうです。

【教育関連ニュース】—————————————–

■「教育再生会議 再スタート」(読売オンライン)
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/news/20071010ur03.htm
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10月中の再開が固まった政府の教育再生会議は、先導役が安倍前首相から福田首相に代わったことで、改革内容の軌道修正は避けられない見通しだ。

ただ、福田首相は、教育改革を続ける意向は示しているものの、どのような「福田カラー」の教育を目指すのか、明言していない。

「山谷補佐官を再任した意味は、福田内閣も教育再生に一生懸命取り組むことを表している。私自身、文相(文部科学相)を2回経験した者として全力で応援する」

町村官房長官は9日夕の記者会見でこう述べ、安倍前内閣でも教育担当を務めた山谷えり子首相補佐官の下、教育再生会議を「改革のエンジン」として引き続き活用する考えを強調した。

(上記記事より)

というわけで、委員もそのまま、補佐官もそのままという体制で継続するとのこと。

安倍さんが退任したのは、再生会議の活動にとって非常に中途半端なタイミングでしたので、ちゃんと何らかの結論・成果を出すまで議論を続けることになったのは、良かったのではないでしょうか。

それに、せっかく教育改革についての議論が活発になってきたのに、首相が辞め、またすべてがゼロに戻るなんてことになると、国民の間にも、政局に振り回されているような感覚が残ってしまうでしょうし。

ただ、そうは言っても、安倍前首相が号令し、鳴り物入りで始めた教育再生会議。
そこでの議論は、安倍さんが示した方向性にある程度は沿っていたでしょうし、安倍さんの教育観が多かれ少なかれ影響を与えていたでしょう。

その首相が替わるのですから、やはり、再生会議の提言にも、影響が出るのだと思います。なんだかんだで、何かと政局に振り回されるのは避けられないのですね。

中でも、いくつか問題になりそうなものがあります。

第3次報告に向けた課題は「教員の資質向上」「6・3・3・4制の在り方」など多岐にわたる。中でも、最大の論点となりそうなのが、教育への競争原理導入の典型となる「教育バウチャー制度」だ。導入には文科省や私立学校側が抵抗しており、委員間でも賛否が分かれる。

自民党内では、「積み残しの課題は、もともと実現が難しい内容が多い」(文科相経験者)などと、冷ややかな反応が多い。山谷氏自身も「議題見直しも含めて検討したい」と語り、今後、会議の性格が大きく変質する可能性がある。

首相本人は、教育問題について安倍前首相ほどの思い入れはないようだ。官房長官時代を通じ、自分なりの政策提言を披歴したことはほとんどない。所信表明演説などでも、「家庭、地域、行政が一体となって教育再生に取り組む」といった説明があっただけだ。

(上記記事より)

上記の教育バウチャー制度の他、小学校からの英語教育、大学への九月入学推進など、具体的なトピックで、今後の議論がストップする、覆される、もしくは形骸化される可能性のあるものがあります。

いずれも、現在の教育システムを大幅に変えるものばかり。当然、反対意見も根強いはずです。
したがって、本当にこうした改革を行うのであれば、首相の強い姿勢が絶対に欠かせないと思うのですが、新首相にはまだその雰囲気がありません。

なんとなく、どのトピックも

「当初のコンセプトがかなり薄められた形で、ハンパに実現する」

……つまり、骨抜きにされるということになりそうな予感がしないでもありません。

ちゃんと議論がされた上で、改革の方向性を変えるという結論がでるのならいいのですが、「顔の見えない何者かの手によって、いつの間にか形骸化させられている」というのは、個人的にはやって欲しくないなぁと思います。
(日本の政策って、そういうのが結構、多いような気がするのですが)

さて、これからどうなるでしょうか?

以上、マイスターでした。