マイスターです。
今週も日曜日になりましたので、恒例のニュースクリップをお届けします。
今日は、海外のニュースを集めてみました。
バージニア工科大学乱射事件に関する報告書。
■「見逃された『危険信号』米大学銃乱射事件で調査委報告書」(産経Web)
http://www.sankei.co.jp/kokusai/usa/070831/usa070831005.htm
米バージニア工科大学で4月、32人が殺害された銃乱射事件で、チョ・スンヒ容疑者の犯行前の異常な行動を大学や警察当局が認知しながら、プライバシー保護を理由に本人への対応や家族への通報を怠っていたことが、30日公表されたバージニア州調査委員会の報告書で分かった。1回目の犯行後、大学・警察当局が学生らにすぐ警告すれば、より多くの人命が救えたとも指摘。キャンパスの凶悪犯罪防止と危機管理に警鐘を鳴らしている。
「学生、両親、大学、警察、カウンセラーなど、多くの人がチョ容疑者の異常に気づいていた。しかし、情報を収集して対応するメカニズムがなかった」。調査委員会を設置したケーン同州知事は、記者会見でこう語った。
(略)遺族の一部は「指導力の欠如であまりに多くのミスが起きた」と大学や警察の責任者の辞任を求めているが、ケーン州知事は「キャンパスの将来の暴力のリスクを下げるのが(報告書の)目的」と強調した。
(上記記事より)
報告書の内容の詳細は、上記の記事にあります。
また、報告書の原文は、以下のリンクで閲覧することができます。かなりの分量です。
■「Report of the Virginia Tech Review Panel(英語)」(Official Site of the Governor of Virginia)
http://www.governor.virginia.gov/TempContent/techPanelReport.cfm
確かに、こうした分析結果を読む限りでは、兆候はあり過ぎるくらいあったように思われます。多くの関係者が、各々「危険」を察知していました。
ただ、ケーン知事が指摘しているように、「情報を収集して対応するメカニズムがなかった」のです。
個人情報の保護を理由に、チョ・スンヒ容疑者の保護者と十分な連絡を取り合えなかったことなども、報告書は指摘しているとのこと。
私たちにとっても、参考にすべき点が多く含まれているようです。
なおバージニア工科大学は現在、事件のケアとサポートのために、以下のようなサイトを設けています。
■「Office of Recovery and Support」(Virginia Tech)
http://www.recovery.vt.edu/
緊急連絡システムなどについても、こちらで紹介されています。
痛ましい事件を乗り越え、少しずつ、前進していたのですね。
ロシア製 ニセ学位。
■「『もうひとつの学位工場』ロシアの学位偽造の実態 」(東亜日報)
http://japan.donga.com/srv/service.php3?bicode=060000&biid=2007082329828
モスクワ市内で電車に乗れば、「注文から1日で出来上がる卒業証書の販売」というチラシが、電車の中に1週間以上貼られているのが容易に目に付く。ヤンデクスやランブラーなどのロシアの有名ポータルサイトに入って「卒業証書購入」という言葉を打ち込めば、数百に上るホームページや連絡先が現れる。
国立モスクワ大学の学生、イゴリ・スハロフ(22)氏は、「学位偽造サイトの連絡先が変わった跡はあっても、ホームページそのものがなくなったケースは見たことがない」とした上で、「晴れて卒業証書を購入する人が多い」と話した。
(上記記事より)
ニセ学位を販売しているディプロマ・ミル(学位工場)と言うと、通常はアメリカ国内の機関を指すようです。
一方こちらは、ロシアのディプロマ・ミル。
びっくりするようなことが記事には書かれています。
ある卒業証書偽造ブローカーは21日、「国立モスクワ大学のある講師は、「先端技術を利用して卒業証書や卒業証明書を偽造すれば、顕微鏡で見ても本物と偽物との見分けがつかない」と語った。
(略)モスクワ南部のプロプサユズナヤ街で出会ったあるブローカーは、「ロシアでは卒業証書が本物か偽物かを確認する大学はほとんどなく、確認の要請をするところもまれなので、安心してもいい」と自身ありげに言った。
これについて、国立モスクワ大学やバウマン工科大学、グネシン音楽大学など有名大学の学位管理の実務者たちは、「ほかの機関から要請があれば学籍簿を見て確認する」と話した。
しかし、講師たちや教授たちの説明はブローカーたちの話と似ていた。モスクワ州立師範大学博士課程のある非常勤講師は、「多くの大学が社会主義崩壊後、激しい人材難に苦労しており、卒業証書の偽造如何を確認するシステムを備えている大学はほとんどない」と説明した。
(上記記事より)
えぇ!? 確認できないんですか!?
というわけで、技術的に、本物そっくりの証明書を偽造できれば、通用してしまうという状況なのだと、記事は報告しています。
日本に住む我々には、にわかには信じがたい話ですが、本当だとしたらニセ学位、流通し放題ですね。
そうやって学位を手にした方が、国家の要職に就いていたりもするのでしょうか……?
どうやらロシア、高等教育の危機みたいです。
仮想空間に図書館。
■「ボール州立大学図書館、セカンドライフに『仮想図書館』建設を計画」(THE SECOND TIMES)
http://www.secondtimes.net/news/world/20070830_bsu_libraries.html
アメリカのインディアナ州にあるボール州立大学図書館が、同大学が所有しているテキストデータや写真、音楽、映像などの資料を仮想世界のユーザーも自由に閲覧できるよう、セカンドライフ内に図書館を作ることを計画している。
同大学のアーサー・ハーフナー学部長は、6月にセカンドライフ上に図書館を作る研究グループを発足。セカンドライフに提供できる図書館サービスについて現在研究しているとのこと。
(略)現在、同大学はこの”仮想図書館”プロジェクトに協力してくれる学生や教授陣を募集しているという。(上記記事より)
「Second Life」も、様々なプロジェクトに使われているようです。
もっとも、Second Life内に図書館を建て、アバターを通じて閲覧するくらいなら、最初からブラウザで読めるデータベースを構築すればいいじゃないかという気がしないでもありませんが……。
うーん、色々と楽しい工夫がされていたりするのでしょうか。
とりあえず、実現したら、一度訪れてみたい図書館です。
大学入学後に待っているのは……。
■「大学入学後最初の試練、恒例の軍事訓練がスタート」(中国情報局)
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2007&d=0827&f=national_0827_006.shtml&pt=large
中国の大学生にとって、入学後の最初の試練が軍事訓練だ。国防意識を高めるためとして義務づけられており、精神面の鍛錬、規律性を養うといった目的も挙げられている。内容は、整列、行進、整理整頓、軍歌斉唱などだが、初めての経験とあって、決して楽ではないという。
(上記記事より)
これは、ぜひリンク元の写真をご覧ください。
写っているのは、女子学生です。
それほど訓練期間は長くないようですが、本当に全学生必修なのですね。
どういう制度なんだろうと思って検索をしていたら、いくつかニュースを見つけました。
■「『人民解放軍予備役訓練』、大学生・高校段階の生徒の必修に」(大紀元時報)
http://jp.epochtimes.com/jp/2007/04/html/d41516.html
■「今年の上海市の大学軍事訓練、14日間を下回るべからず」(エクスプロア上海)
http://www2.explore.ne.jp/news/article.php?id=6834&r=sh
かの国では、軍事訓練も正式な「教育」。大学のカリキュラムも、政治や社会のあり方と無縁ではいられないようです。
「スター同窓マーケティング」!
■「スター同窓マーケティング」(中央日報)
http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=90783&servcode=100§code=120
「今日はまた誰だろうか」「もううんざりだ」という不満の声が聞かれる。次々に飛び出す文化人や芸術家の虚偽の学歴波紋による。最近は大衆芸能界が中心だ。知的なイメージで知られた人々が嘘の主人公だとは、とまた衝撃も大きい。学歴主義と道徳的な弛緩の結果だ。
中でも積極的に大学卒業生になりすました人々はより激しく非難を浴びた。にせ物であるにもかかわらず、在校生対象の特講をし、学校行事に参加して同窓賞も受けた。この場合は大学も道徳性是非を避けることができない。すでに学内でニセの学歴疑惑が提起されたにもかかわらず、これに目をつぶったという疑惑だ。スターたちのニセの学歴と大学のスター広報を交換したという疑いである。
大学のスターマーケティングは最近ますます激しくなっている。出身芸能人たちを前面に出した大学広報物・CMは基本だ。広報大使のタイトルも与えられる。大学の力を確認する各種イベントにも芸能人たちは華だ。入試シーズンならスターたちを新入生として誘致しようとする戦争ならぬ戦争が起こる。忙しい芸能活動で不良学生になる確率が高いが、スターが通う学校だという人気集めを狙ってだ。
(上記記事より)
ニセ学位騒動で揺れる韓国で、こんな記事が。
程度の差はあるかもしれませんが、アメリカや日本でこれに近いことが行われていないと、誰が言えるでしょうか。
スター同窓マーケティング、うむむ、実に考えさせる言葉です。
以上、今週のニュースクリップでした。
今週も一週間、本ブログをごひいきにしていただき、ありがとうございました。
これからも、どうぞ宜しくお願いいたします。
マイスターでした。