日本財団 英国12大学に、現代日本に関する講師のポストを設置

マイスターです。

今日は、↓こんな報道を見つけました。

【教育関連ニュース】—————————————–

■「知日派を育てよう 日本財団が6億円支援」(MSN産経ニュース)
http://sankei.jp.msn.com/life/education/071005/edc0710051018002-n1.htm
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もっと知日派を育てよう-。英国の主要12大学に来年9月から、現代日本に関する計13人分の講師ポストが新たに設置され、それぞれで研究と授業が始まることになった。日本財団が4日、ロンドンで発表した。5年計画で計約250万ポンド(約6億円)を支援するという。

英国ではオックスフォード、ケンブリッジ両大などが日本研究の中核となってきたが、高い経費やスタッフ不足などの問題が浮上。経済悪化による日本の地盤沈下や中国の台頭も背景に日本研究の優先順位は低下し、過去10年でエセックス、サセックス大などで日本研究の学科や学部が閉鎖、縮小に追い込まれた。

しかし近年はマンガやアニメ人気にも支えられ、中学や高校で日本語を勉強する生徒が増加。大学でも日本研究の受講希望者が、2006年は前年比で約40%アップし、需要は高まっている。

このため日本財団はオックスフォード、ケンブリッジ、シェフィールド、ブリストル、カーディフなど計12大学を対象に支援を決定した。

(上記記事より)

これ、なかなか興味深い活動だと思います。

5年間で6億円ということですので、ものすごーく単純な計算をすれば、1年あたり1.2億円。これを13人で分配すると、一人当たり1,000万円弱です。
年間1,000万円によって、イギリスの有力大学で、現代日本の研究および授業が行われる。
後々、波が拡がっていくことを考えれば、これは、悪い使い方ではないのではないでしょうか。

本当に「需要が高まっている」のであれば、これをきっかけにして、6年目以降も講師のポストは存続するはずですし。
実際、この記事には

支援終了後は各大学が自己資金でのポスト継続を確約している

という、日本財団理事の言葉が取り上げられています。

こうした活動は、大企業の寄付の使い方としても、なかなか効果的かもしれません。
特に、ヨーロッパやアメリカ、アジア等々、国際的に活動する大企業にとっては。
PRになりますし、後々の人材ネットワークづくりにも役立つ……かもしれませんし。

(こんなことを言うと、「そんなカネがあるなら日本の大学に投資して欲しい」と怒られるかも知れませんが、どっちも大事なので、お許しください、はい)

待てよ、それならいっそ、「日本で育てた現代日本文化研究者を、海外に派遣する事業」なんてものも、いいかも知れませんね。

人文科学系のポスドク問題解決にも、少し貢献できて、一石二鳥です。
どこかの企業、もしくは大学の方、いかがでしょうか?

以上、マイスターでした。

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(過去の関連記事)
・「日本のアニメや漫画が、世界の大学生に与える影響」(2005年09月26日)
https://unipro-note.net/wpc/archives/50059242.html