山口大&広島大が生んだ「工学系数学統一試験」 全国に

マイスターです。

おぉ、と思う報道を見つけましたので、ご紹介します。

【教育関連ニュース】—————————————–

■「山大と広大が共同開発の『工学系数学統一試験』が全国標準に定着」(宇部日報)
http://www.ubenippo.co.jp/one.php?no=4369
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山口大工学部(三浦房紀工学部長)が、広島大工学部と共同で開発した「工学系数学統一試験」が、全国の大学に広がっている。ビジネス界で英語力の指標とされる「TOEIC」の工学系数学版。年々、参加大学が増加し、工学系学生の数学の基礎学力を評価する指標の全国標準として定着してきた。

対象は、工、理工、情報、農などの学部生。問題は、大学二年生までに学ぶ微分積分、線形代数、常微分方程式、確率・統計の四分野から出題。いずれも三年生以降の専門分野で「道具」として使いこなすことが求められる必須科目。山大は今年度から大学院試験に導入。広大も来年度から導入する。

(上記記事より)

というわけで、↓こちらがその「工学系数学統一試験」の公式webサイトです。

■全国工学系学部 工学系数学統一試験 実施要領
http://www.aemat.jp/exam/

恥ずかしながらマイスター、つい先日までこの試験のことを存じ上げなかったのですが、これは非常に興味深い取り組みだと思います。

工学系数学の学力を備えていることは工学系分野に携わる者にとっては必須要件と言っても過言ではありません.そのため,数学学力全般にわたる強化は工学系学部カリキュラムのポイントの一つになります.とりわけ,数学基礎学力強化は工学系基礎教育として極めて重要です.

なお,「工学系」は数学を応用する立場にあることを強調する意味で用いており,「工学系学部」は,例えば,工学部,理工学部,情報学部,農学部,といった(数学自体を教育研究対象とするのではなく,それを基本的な道具として必要とする)学部を含んだ表現です.本稿の目的は,工学系学部における数学基礎学力の強化方策の一つである「工学系数学統一試験(EMaT:Engineering Mathematics Test)」の概要を説明して,

1. 学生には受験のすすめとし,大学教員には更なる理解と協力を求め,

2. 企業の方達に「工学系数学基礎学力を測る共通的物差し」の存在を伝え,

3. 工学系学部を目指す高校生には数学基礎学力の必要性を肌で感じてもらうこと

です.(高校生の方にとっては,表現が硬くて少し分かりにくいかも知れませんが,ご容赦下さい.)
(「全国工学系学部 工学系数学統一試験 実施要領:実施理由と目的など(PDF)」より)

このように、「工学系の数学基礎学力」をはかる統一のモノサシを作ろう、という取り組みなのです。

冒頭の記事にあるように、広島大学工学部と山口大学工学部が協力して作った試験です。
二大学での共同申請として、特色GPにも認定されています。

■平成17 年度「特色ある大学教育支援プログラム」採択取組の概要および採択理由:工学系数学基礎学力の評価と保証 -グローバルスタンダードをめざして-(PDF)」(文部科学省)
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/17/07/05071904/004/003/012.pdf

エンジニアに求められる数学力を、どの大学でも気軽に使える「試験」という形で規定し、提供する。
これは、なかなか社会的意義のある取り組みであるように感じます。

技術者教育の質保証を行う機関としては、JABEEという組織もあります。
ただ今回の「工学系数学統一試験」の場合、個別の大学が開発した試験が全国に広まっている、という点が新しいです。

2006年度は、北海道から沖縄まで、全国34箇所の大学が受験会場になりました。
試験案内のポスターを掲示している大学は、さらに多いです。

■「全国工学系学部 工学系数学統一試験 実施要領:ポスター掲示の学部・学科」
http://www.aemat.jp/exam06/bulletin.html

個別の取り組みとして始めた試験が、全国でだんだん「標準」として広まってきているという事実には、なんだか勇気づけられます。

大学教育の質を統一する、という点で、ユニークな事例なのではないかと思います。

以上、マイスターでした。

1 個のコメント

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