「福沢諭吉のおすすめランチ」 慶應義塾大学学食に登場

学食大好き、マイスターです。

■ニュースクリップ[-4/13] 「1食で20円、途上国に寄付。大妻女子大の学食でTFT」ほか

■「食料自給率、こんなに低いの? 東北大学食に特別メニュー」(河北新報)
(ニュースクリップ[-1/20] 「AdWordsの最強の使い手はどの大学? Googleがオンラインマーケティング・コンテストを開催」ほか

発展途上国の学校給食費1回分に相当する20円を価格に上乗せする社会貢献活動「TABLE FOR TWO(TFT)」を始めた大妻女子大学の学食や、日本の食料自給率の低さを実感してもらうために敢えて国産の食材だけを使ったメニューを提供した東北大学の学食など、学食が関係する取り組みをこれまでご紹介して参りました。

食育という言葉もありますが、学食というのは、食事を通じて様々なことを学び、体感できる格好のフィールド。
お楽しみの要素を入れながら、さりげなく何かを学んでいるというところがポイントかも知れません。

そんなわけで、今日はこんなニュースを。

【今日の大学関連ニュース】
■「『福沢諭吉のおすすめランチ』 慶応大学食に22日登場」(Asahi.com)

創立150年を迎えた慶応義塾大学で、創始者の福沢諭吉(1835~1901)にちなんだ期間限定の学食メニューが在学生らによって考案された。22日から、学生に限らず一般の人でも、三田(東京都港区)、日吉(横浜市港北区)、矢上(同)、湘南藤沢(神奈川県藤沢市)の各キャンパスの生協食堂で味わえる。
記念メニューは「過去」「現在」「未来」に分かれ、第1弾の過去は「文明開化の昼餉(ひるげ) 福沢諭吉のおすすめランチ」と名付けられた。創立記念事業の一つとして、学生有志6人が企画した。
150年前は幕末から明治にかけての激動の時代。日本の食生活にどんな変化が起きていたのか、昨年10月から学生たちが図書館で文献にあたり、調査を進めた。
(上記記事より)

慶應義塾大学各キャンパスの学食に、福澤諭吉に因んだメニューがお目見えするそうです。
創立150周年ということで、150年前の食生活を調査した上でのメニューだとのこと。
有志の学生による企画を、こうして全学的に展開するというのは、いいですね。

ここで注目したのが、諭吉が明治時代に創刊した新聞「時事新報」で連載した料理献立欄「何にしよう子(ね)」。晩ご飯の献立に悩む主婦のために始まったこの欄には、揚げ物や牛ロースを使ったメニューなど、当時まだ珍しい料理のレシピが紹介されていた。「これこそ文明開化の象徴」と、この中から慶応生協と相談しながらメニュー選定や試食会を開いてきた。
22日から登場するメニューは3種類。「味噌(みそ)すき牛鍋風」(252円)は、諭吉が好んで食べ、学生にも振る舞ったというみそ味の「牛鍋」からヒントを得た。「慶応土耳古(トルコ)プレート」(483円)は「何にしよう子」のレシピから、チキンスープで米を炊いた「土耳古めし」を選び、カツレツを合わせボリューム満点の現代風に仕上げた。しょうゆ風味の豚汁のような「空知汁」(157円)も「何にしよう子」を参考に再現した。
メニュー作りにかかわった文学部4年の荒木結香さん(21)は、諭吉が腸チフスにかかった時、当時嫌悪感を示す人が多い中、牛乳を飲んで回復したエピソードを知り「学問だけでなく、食に対してもチャレンジャーだったんだ」と感じた。法学部2年の吉田詠美子さん(19)も「家族の体を心配するお父さんのようで、ぐっと身近な存在になりました」と話す。
(上記記事より)

文明開化の象徴であったレシピを、現代風に復活させるというのは面白いですね。
福澤諭吉と、現在の学生達とのコラボレーションです。

以下に、写真付きのメニューが掲載されています。

■「創立150年記念メニュー(生協食堂×塾生スタッフ企画) 第1弾 『文明開化の昼餉(ひるげ) 福澤諭吉のおすすめランチ』」(慶應義塾大学)

上述した味噌すき牛鍋風やカツレツの他、ライスカレーやきゃべつ巻き(ロールキャベツ)など、現在、私達が普段食べているメニューの原型と言えそうなラインナップ。

「ビン入り牛乳」
「あんぱん」
「ラムネ」

なんてメニューも。

文明開化で、生活の風景が大きく変わっていった頃の日本が想像できて、楽しいです。

こうしたメニューは、学生だけでなく、一般の人でも味わえる……と記事にはありますが、上述したとおりこのメニューは期間限定。
第1期のメニューは4月22日~5月10日まで、
第2期のメニューは5月20日~5月31日までと、
そんなに長くやっていないようです。
食べたい方は、お急ぎください。

ほんのり学術的な意味合いも持たせつつ、学生主体でプロデュースされたこれらのメニュー。
日常の食事を通じて、他の学生や教職員も成果を共有し、楽しめるという点で、とても面白いと思います。

学食というのは、こういった試みが行える実験場でもあるのですよね。
他の大学の皆様も、様々な企画や取り組みを発信する場として、ぜひ学食を活用してみてください。

以上、マイスターでした。

※この記事は、現役高校生のための予備校「早稲田塾」在籍当時、早稲田塾webサイト上に掲載したものです。