マイスターです。
小中学校のときの、夏休みの宿題と言えば、自由研究ですね。
毎年、何をどうやればいいのか、困ったものです。
(それが、自由研究の醍醐味なんですが)
最近では、企業や博物館、公共団体などが、親子向けの夏休み理科体験イベントや工作教室などを開いていることも多いです。
いくつかテーマが用意されていて、その中のどれかに参加するというスタイルが基本。一日で複数のテーマを体験できるイベントも多いです。
そんな体験イベントの主催者として多いのは、やはり、大学。
理学系や工学系、生命科学系などの大学が中心となって、こうしたイベントをよく行っています。
社会貢献として、あるいは大学生の教育の場として、何年も継続的に取り組んでいるところもあります。
夏休み理科教室の運営で「特色GP」に採択されている大学もあるくらいです。
■「特色GP・理科教室の展開と支援学生への教育波及効果」(工学院大学)
http://www.kogakuin.ac.jp/education/tgp/2004/gaiyo.html
さて、社会にとって意義の大きい理科・工作イベントですが、これを大学単位で企画・運営するのはなかなか大変です。
やるのなら、集客の告知などもそれなりにやらないと、お客さんは来ません。
そこで、日本学術振興会が、↓こんな取り組みを行っているようです。
【教育関連ニュース】—————————————–
■「ひらめき☆ときめき サイエンス~ようこそ大学の研究室へ KAKENHI~」(日本学術振興会)
http://www.jsps.go.jp/hirameki/02_jisshi_program.html
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現在、活躍している研究者と大学の最先端の研究成果の一端を小学校5・6年生、中学生、高校生が見る、聞く、触れることで、学術と日常生活との関わりや、科学(学術)がもつ意味を理解してもらうプログラムです。
・大学でみんなどんなことをしているの?
・○○教授ってどんなことを考えているの?
・どうしたら学者になれるの?
・研究員の人は普段どんな研究をしているの?研究者がプロデュースする体験・実験・講演などを通して、そんな疑問に答えます。
普段はめったに見ることができない大学の研究や研究者との対話などから、科学の楽しさ、難しさ、不思議に触れてみましょう。全国の大学が、いろいろなプログラムを用意して、大学で行う研究に興味と関心のある小学5・6年生・中学生・高校生のご参加をお待ちしております。(上記ページより)
日本学術振興会がこのような催しをやるというのは、なかなか意義のあることだと思います。
■「ひらめき☆ときめき サイエンス:実施プログラム一覧」(日本学術振興会)
https://cp11.smp.ne.jp/gakujutu/seminar
↑こちらにプログラムの一覧がありますが、なんと、全国78大学から、112プログラムが参加しています。
もちろん、実際にはひとりの参加者が全国の大学をまわってすべてのプログラムを受けることは不可能ですが、「地元で参加できるプログラムはないかな?」と、保護者の方が調べるのには便利です。
一覧の中に、国立大学が多いというのも特徴的です。
そして、タイトルの中の「KAKENHI」の文字。
小学生相手に「KAKENHI」って……と違和感を覚える方もいると思います。
その謎は、個別のプログラム紹介ページを見てみると判明します。
(例)
■「北海道大学:生き物はなぜ動くの? ~分子・細胞・個体のかたちと動き~」
http://www.jsps.go.jp/hirameki/ht3000/ht3001_hokkaido.html
上記のページをご覧ください。下にスクロールしていくと、実験担当となる教員の名前から始まり、内容やスケジュールなどの紹介が掲載されていますね。
その先、ページの一番下をご覧ください。
「KAKENHI(テーマのもととなる科学研究費補助金)」
なんて項目がありますね。
実は、すべてのプログラム紹介に、この情報がついています。
なんてことはない、この「ひらめき☆ときめき サイエンス」は、
「科研費による研究成果を、世の中に還元しましょう」
ということを目的としたイベントなのです。
だから、タイトルに「KAKENHI」なんて、とってつけたような文字が入っているわけです。
おそらく、科研費の意義を社会にPRするためのキャンペーンイベント、という意味合いも持っているのではないでしょうか。
逆に言うと、科研費に関係するプログラムでなければ、このサイトでは紹介してもらえないということになります。
国立大学が多い理由も、その辺にあるのではないでしょうか。
でも、それはそれで意義のあることです。
科研費をとって行われている研究の成果に、普段大学に関わりのない一般の方々が触れられる機会、大切ですよね。
夏休みの自由研究ネタ提供、という形で、研究成果が還元されるというのは、なかなか面白いではないですか。
ついでに、参加する各大学にとっては地域貢献に加え、将来の顧客に対する大学PRという意味合いもあるのだと思います。
対象者に「高校生」というのが入っているあたりに、そんな意図が見え隠れしています。
でも、高校生にとっても、気になっている大学や、そこにいる研究者に触れられるチャンスですから、メリットがあるでしょう。
というわけで、この夏休み、宿題に困っているご家庭は、大学キャンパスを訪れてみるのもいいのではないでしょうか。
以上、マイスターでした。