LEC大学の改善計画が発表されました

マイスターです。

「LEC東京リーガルマインド大学」、通称「LEC大学」の改善計画が発表されたようです。

【教育関連ニュース】—————————————–

■「LEC大、縮小の方針 キャンパス順次廃止へ」(Asahi.com)
http://www.asahi.com/life/update/0223/007.html
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授業の不備などで文部科学省から改善勧告を受けた「LEC東京リーガルマインド大学」(本部・東京都千代田区)が、全国14カ所にあるキャンパスのうち東京や大阪など一部を除き、08年度から順次廃止する方向で最終調整に入っていることがわかった。23日午後に文科省に提出する改善計画に、どのキャンパスを廃止するかを盛り込む。14キャンパスはすべて政府の構造改革特区の認定を受けており、特区を巡る議論にも影響を与えそうだ。

LEC大は、資格試験予備校を経営する「東京リーガルマインド」(反町勝夫社長)が04年4月に開校。千代田区と大阪市のキャンパス以外では、大半の授業がビデオなどを使った「高度メディア利用授業」として行われている。

開設当初から、大学生と予備校生が同じ授業を受けている点などが問題視され、文科省は繰り返し改善を求めてきた。それでも改善が見られなかったため、1月、大学設置基準などに違反するとして初の改善勧告に踏み切った。173人の専任教員のうち67人しか勤務実態がない点や、ビデオ授業で質疑応答などの対応ができる教員がいない点を指摘し、改善を求めた。

LEC大の計画によると、ビデオ授業では07年度から補助教員を配置するなどして改善する。ただ、こうした対応を長期間続けると経営の重荷になると判断し、キャンパスを縮小する検討に入った模様だ。

同大のキャンパスはほかに札幌、宇都宮、新宿(東京)、千葉、横浜、静岡、神戸、岡山、広島、松山、福岡、北九州にあり、学生数は約800人。廃止されても、在学生は、現在のキャンパスで履修できるようにするという。
(上記記事より)

と、Asahi.comがこんな報道をしています。

そこで、どれどれと思ってLEC大学のサイトを見てみると、そちらには↓こんな記述。

■「朝日新聞2007年2月23日(夕刊、東京版では22面)記事の事実誤認につきまして」(LEC東京リーガルマインド大学)
http://www.lec.ac.jp/news/improvement/imp_070223_03.html

標記の記事における「(LEC大学は)23日午後に文科省に提出する改善計画に、どのキャンパスを廃止するかを盛り込む」とする記述は事実に反しています。
本学が23日に文部科学省に提出した報告書には、「どのキャンパスを廃止するか」について記述しておりません。また、「キャンパスを廃止する」という表現は誤解を生じます。キャンパスを廃止するのではなく、新しい学生を募集しない、ということです。既に入学された学生は、今後も在籍するキャンパスで学修を続けることが可能です。
どのキャンパスで新しい学生の募集をしていかないかにつきましては、特区自治体との協議の結果決まります。現時点では決まっておりません。
(上記記事より)

おおっ、冒頭の記事は事実誤認報道だとな?
これは捨て置けませんね。どうやらLEC大学は、Asahi.comの

全国14カ所にあるキャンパスのうち東京や大阪など一部を除き、08年度から順次廃止する方向で最終調整に入っていることがわかった。

の部分に抗議しておられるようですね。実際にはキャンパス縮小において、どのキャンパスを残すか、といったことは述べていないとのことです。

気になりますので、さっそく今度はLEC大学の発表した資料を見てみましょう。
↓これらのページで、資料を閲覧することができます。

■「学校教育法第15条第1項の規定に基づく勧告に沿って講じた措置につきまして」(LEC東京リーガルマインド大学)http://www.lec.ac.jp/news/improvement/imp_070223_02.html
■「設置計画履行状況調査に基づく留意事項に沿って講じた措置につきまして」(LEC東京リーガルマインド大学)
http://www.lec.ac.jp/news/improvement/imp_070223_01.html

「(別紙)「勧告(平成19年1月25日付)に沿って講じた措置」」という資料に↓こんな記述があります。問題になっている報道の元はこれでしょうか?

(5) キャンパス数の縮小

(ア) すでに入学されている学生は、キャンパス数の縮小にかかわらず、当該キャンパスでの学修に変更はありません。今後は入学定員の規則を踏まえ、東京・大阪などのキャンパスへの所属の移動を希望する方は、積極的に認めます。
(イ) 勧告の趣旨である、自主的・自律的な教育研究活動を旨とし、かつ、各キャンパスにおいて同一の教育研究条件を確保するため、特区自治体との協議を経て、現在14あるキャンパスの数を縮小します。
(ウ) 速やかに特区自治体との協議を開始いたします。
(「勧告(平成19年1月25日付)に沿って講じた措置 (PDF)」記事より)

要旨としては

○現在14あるキャンパスの数を縮小する
○すでに入学している学生は、当該キャンパスでの学習を続けられる
○ただし、東京・大阪などのキャンパスへの移動を希望する場合、それは積極的に認める

という内容になりますね。
この資料の記述、一見「東京・大阪などのキャンパス」は縮小後も残り続けるように読めますが、実際にはそこまで「断言」はしていないんです。ですから、確かにLEC大学が主張するとおり、Asahi.comの報道は事実とは言えない……と言えなくもありません。
Asahi.comの記事の元ネタはここかもしれません。ただ、もしそうだとしたら、
これって朝日新聞の事実誤認というよりも、単にLEC大学の資料の記述が曖昧だってだけじゃないのかな、という気も、個人的にはちょっとします。

とは言え、LEC大学がこういった点に必死になるのもよくわかります。
ただでさえマイナスイメージを招く報道が続いているのに、朝日新聞のように影響力のあるメディアで、誤解を招く表現や、オーバーに感じられる記述をされては大変です。在学生や教職員の間に混乱を招いたり、保護者の皆様から問い合わせがバンバン来る事態になったりしかねません。

朝日の「08年度から順次廃止する方向で最終調整に入っている」という表現に対し、

「キャンパスを廃止する」という表現は誤解を生じます。キャンパスを廃止するのではなく、新しい学生を募集しない、ということです。既に入学された学生は、今後も在籍するキャンパスで学修を続けることが可能です。
(「朝日新聞2007年2月23日(夕刊、東京版では22面)記事の事実誤認につきまして」(LEC東京リーガルマインド大学)より)

……といった念入りな説明を行うのも、こうした報道ひとつひとつが、大学に大きなダメージを与えると理解されているからでしょう。

広報担当者の方も、きっとここしばらくは大変なんだろうなぁ……などと想像しながら、こんなサイト上のあれこれを読んでおりました。

ところで、LEC大学の発表した改善計画、読んでみるとなかなか興味深いです。

(1) 勧告を受ける以前の状況
全専任教員173名中、授業科目を担当せず、当該大学の他の業務にも全く従事していない教員が106名(うち無報酬の者が95名)いました。また、資格試験予備校と兼務する専任教員が47名いました。

(2) 2月23日現在実施済みの改善措置
平成18年12月現在で173名だった専任教員の体制を、35名の体制に再編成しました(大学設置基準上、本学に必要な教員数は33名以上です)。この専任教員の中に、資格試験予備校で教える教員はおりません。
(「勧告(平成19年1月25日付)に沿って講じた措置 (PDF)」記事より)

「全専任教員173名中、授業科目を担当せず、当該大学の他の業務にも全く従事していない教員が106名」だった事実と、ちゃんと整理した結果35名に再編成されたという事実がすごいです。カリキュラムを整理するにしてもすごい減り方です。これまで大多数の方が、言い方は少々悪いですが、広報用の「客寄せパンダ」に近い位置づけだったのかも知れません。

教員構成だけでなく、カリキュラムもかなり変わるようです。

教育課程を変更し、資格試験予備校の開設科目群との分離を行います。
専門科目について、学生が目指す職業別に編成していた、従来の教育課程(「法曹養成プログラム」、「司法書士養成プログラム」、「公認会計士養成プログラム」、「税理士養成プログラム」、「行政書士養成プログラム」、「土地家屋調査士養成プログラム」、「公務員養成プログラム」、「ビジネスパーソン養成プログラム」等)を、学問の分野ごとに再編成いたします(「法律学系」、「会計学系」、「経営学系」)
学生は、「憲法」、「民法」、「刑法」、「行政法」、「会社法」等の科目(法律学系)を学び、「財務会計論」、「管理会計論」、「監査論」等の科目(会計学系)を学び、「経営管理論」、「マーケティング論」、「金融論」、「経済学」等の科目(経営学系)を学びます。
(「勧告(平成19年1月25日付)に沿って講じた措置 (PDF)」記事より)

ビデオ授業では、全ての授業科目について「補助教員(授業時間直後の質疑に応答する者)」を配置し、授業の双方向性を確保します
(「勧告(平成19年1月25日付)に沿って講じた措置 (PDF)」記事より)

勧告の内容を真摯に受け止めた改善プランだという印象です。ただ、良くも悪くもかなり普通の大学に近づいたという印象でもあります。「LECらしさ」「LEC大学ならではの強み」をこれで打ち出せるか、それが同大の今後の課題になりそうです。

以上、LEC大学についての報道やリリースを見ながら思ったことでした。

マイスターでした。