就職では人気、受験生には不人気な理工系

マイスターです。

読売オンラインの経済系コラムで、大学に関するものを見つけましたので、ご紹介します。

【教育関連ニュース】—————————————–

■「一筆経上:理系人気に潜む影」(読売オンライン)
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/ippitsu/at_ip_07022601.htm
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今年も就職戦線はバブル期並みの活況が予想される。中でも技術系学生の就職は「超売り手市場」となりそうだ。

ある大手精密機器メーカーでは、20歳代の技術系社員が出身大学の研究室に通って後輩たちを直接、勧誘している。教授からの推薦で内定が出ることが多い理工系では、採用のために若手社員が研究室にまで足を運ぶことは少なかったという。

しかし、景気回復を受けて事業拡大を目指すメーカーは、団塊世代の技術を受け継ぎ、新たな研究開発にあたる優秀な技術系社員がぜひとも欲しい。多くの企業が採用を増やす中、若手社員も動員した人材の奪い合いが始まっているようだ。

さらに、技術系の学生を求めているのはメーカーだけではない。学生向け就職情報サイト「リクナビ」の前川孝雄編集長は「金融機関や商社、コンサルティング会社なども技術系の採用に意欲的だ」と指摘する。

銀行では、金融商品の開発やシステム部門の強化などに理数系の人材が必要だ。技術系の学生が得意とする論理的な考え方も、ビジネスの現場で求められているという。

しかし、これとは逆に、若者の「理科離れ」には歯止めがかかっていない。

文部科学省の2006年度の学校基本調査を見ると、大学の理工系学部(情報工学なども含む)を志願した生徒数は合計で約65万人と、02年度の約78万人から大きく減った。全体に占める比率も06年度は約19%で、02年度より2ポイント以上下がった。
(上記記事より)

マイスターを始め、多くの人達が感じている疑問が取り上げられています。受験産業が行った調査などを見ますと、高校生が大学選びの際に重視する項目として、

「就職実績」
「資格を取れるかどうか」

あたりがかなり上位に食い込んでいる結果が出ていたりします。「高校生は、就職など、現実的なことを重視して進路を選んでいる」と読める結果です。

そんな調査結果を見る度に、

だったら、理系進学者がもうちょっと増えてもよさそうなものなのにっ……!

……と、理工系大学の関係者は歯がみするわけです。

いったい、どうしてこういうことになっているのでしょうか。

おそらく実際には、こういったアンケート調査の対象になる前の段階で、多くの生徒は「理系」「文系」に分かれていたりするのだと思います。そして、いくら「理工系の就職が絶好調」なんてことを知ったとしても、既に文系コースに進んでいた場合、選択肢に理工学部が入ってくることはありません。
技術者になれるかどうかの選択肢が、高校1、2年生だったりするわけです。とても早いとマイスターは感じます。マイスターは以前から、高校段階で生徒を理系・文系に分けるこの仕組みを止めるべきだと主張しています。

もちろん、大学教育側のPR不足なども多分にあるでしょう。
ちなみに冒頭の記事では、↓このように書かれています。

要因として、教育の問題が挙げられている。国際教育到達度評価学会(IEA)の03年の調査では、「理科の勉強は楽しいか」との問いに、「強くそう思う」と回答したのは中学2年生で19%と、国際平均(44%)の半分以下だった。

インターネット調査会社のマクロミルが05年1月、技術系の会社員らを対象に行った調査でも、理系離れの要因を学校教育とする回答が33・8%と最多だった。身近な製品に科学技術がいかに役立っているかなど、楽しくわかりやすい理科教育を充実させるべきだろう。

さらに、マクロミルの調査では、「文系への進学が生涯所得に有利と思われている」との答えも7・5%あった。青色発光ダイオード(LED)の発明を巡る訴訟が起きたように、技術者の間にも待遇への不満は根強い。ものづくりに貢献した技術者にどう報いるかも、さらに論議すべき課題だ。
(上記記事より)

この通り、解決すべき課題は多そうです。マイスターも理工系学部出身なので、他人事ではありません。

「理科が好きじゃない」
「数学が難しい」

といったネガティブな印象を減らすこともさることながら、

「技術者はかっこよくて、やりがいがある」

といったポジティブなイメージを伸ばすことも求められているような気がします。

昨日の記事でもJABEEについてすこし触れました。このように技術者教育については、様々な努力が行われています。また理系離れを防ごうと、国や各大学などが、小中高校生に対する様々な事業を展開しています。
大学も、就職の良さだけではなく、理工系の学問それ自体の印象をPRできるようになりたいものです。

以上、マイスターでした。

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※体調不良につき、今日は短めで失礼します

1 個のコメント

  • 理工系は恵まれていないと考える高校生が増えているからではないでしょうか?
    私は情報系に携わるものですが、ネットワーク系で世界的にもっとも難易度が高い資格はシスコ社のCCIEという資格があります。
    世界中でこの資格保持者の平均年収は1000万円を越えていますが、日本ではこれだけの給料をもらっている技術者はわずかだと思われます。
    技術者としてのピークは事実上30代ですし、それ以降はめまぐるしく移り変わる技術についていくだけで必死な現実があります。
    世界的に見ても、日本における技術者の待遇はかなり悪いように思います。
    給料がすべてではないとは思いますが、安定した高収入が確保されている医学部は空前の高倍率になっています。
    企業もただたんに口で技術者がほしいというのではなく、待遇面ではっきりと反映するべきだと思います。