マイスターです。
想像通りというか想像以上というか、とにかくこれ以上ないくらい明快に影響が出ているようです。
【教育関連ニュース】—————————————–
■「共立薬科大、慶大との合併効果で志願者倍増」(Asahi.com)
http://www.asahi.com/life/update/0125/007.html
■「慶大と合併方針、共立薬科大の入試戦線に“異変”あり」(読売オンライン)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070116i414.htm
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Asahi.comは一般入試の状況を、読売オンラインはセンター利用入試の状況を、それぞれ報じているようですね。
それぞれどのくらい増えたのでしょうか。
08年4月に慶応義塾大(東京都港区)に統合される共立薬科大(同)の入学試験で、募集が多い一般入試前期の志願者数が24日、まとまった。95人の定員に昨年の2倍近い2659人が出願。合格者が昨年並みの306人なら競争率は8.7倍(昨年は4.5倍)になる。今春の入学者が「慶大」の卒業生になるかどうかは未定だが、薬学部人気が低迷する中、慶応ブランドの威力が証明された格好だ。
(「共立薬科大、慶大との合併効果で志願者倍増」(Asahi.com)記事より。強調部分はマイスターによる)
慶応大と2008年に合併する方針を発表している共立薬科大(東京・港区)のセンター試験利用入試の出願者数が、昨年の3倍近く増えたことがわかった。
同大が昨年と同数の合格者を出す場合には、昨年に8・5倍だった競争率が一気に19・6倍に跳ね上がることになる。今年度に4年制から6年制に移行した薬学部の受験者数は全般的に減少傾向にあるだけに、同大では、合併計画に対する反響の大きさに驚いている。
(「慶大と合併方針、共立薬科大の入試戦線に“異変”あり」(読売オンライン)記事より。強調部分はマイスターによる)
どうやら、ちょっとやそっとどころの影響力ではないようです。
組織の「ブランド力」をどうやって測定するか、ということについて、企業の間で色々な試みがなされているのですが、今回のようなケースほどわかりやすい例はおそらくないでしょう。共立薬科大学の元々の評価の高さはもちろんあるでしょうが、これだけの急増ぶりは、どう考えても慶應のブランド力が作用したからでありましょう。
(過去の関連記事)
・慶應義塾大学と共立薬科大学が合併 慶大薬学部新設
http://blog.livedoor.jp/shiki01/archives/50265022.html
以前、ブログで両大学の合併報道をご紹介したのが、11月20日。
で、共立薬科大学の、「センター試験利用入試」出願締切が1月15日。「一般入試前期」の出願締切は1月23日です。
(「共立薬科大学:入試スケジュール」参照)
2ヶ月で志願者を倍にする戦略なんてのが、存在したのですね……。
「慶應義塾大学薬学部」が誕生した際には予備校などが発表している難易度ランキングの様子が変わるだろうな、とは思っていました。
しかし、まさかたった2ヶ月でこんなに影響が出るとは。正直言って、マイスターの予想を超えておりました。
個人的には、他大学の志願者がどう変化したかも知りたいです。
ライバル校の志願者を奪う形でこのような「急増」を果たしたのでしょうか。
あるいは、「これまでは薬科大学に行こうと考えていなかったような層を取り込んだ」という要素もあるかも知れません。
たった二ヶ月で志望学部を変えるか…?という疑問も感じますが、実際、読売オンラインの記事には↓こんな興味深い記述もあります。
例年は出願者全体の3分の1程度だった男子の数が約45%に増えたのも今回の特徴という。
(「慶大と合併方針、共立薬科大の入試戦線に“異変”あり」(読売オンライン)記事より)
マイスターは、この「男子」の中には、もともと他の医療系学部や生物・応用化学系の学科を志望していた方も混じっているんじゃないかなーと、なんとなく感じるのです。
今回の合併がどんなターゲットの方々にどういった影響を与えたのか。それを詳細に調べたら、非常に貴重なデータになると思います。大学側が予想していなかったようなターゲット層にも影響を与えたんじゃないかな、という気がするのですが……。
(今後、慶應義塾大学薬学部が本格始動したら、例えば同じ慶應の看護医療学部と薬学部とを併願する受験生だって出てくるかもしれません。ある一面においては、最大の競合校になる可能性があります)
そういった受験生の動向に及ぼした影響力、ぜひ知りたいところです。
こうした影響力を大学関係者の皆様がご覧になった結果、今後一層、大学同士の合併が盛んになったりするんだろうか……
などと想像するマイスターでした。