マイスターです。
今年はたぶんこういう記事が出るのだろうな、と皆様も予想されたことでしょう。
【教育関連ニュース】—————————————–
■「大学入学辞退、3月末までなら授業料が返してもらえる」(読売オンライン)
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/news/20070121ur03.htm
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受験もいよいよ大詰め。複数の大学や専門学校に合格して入学金や授業料を納めることもあるだろう。そうした場合、3月末日までに入学を辞退したら、学校側に授業料を返還してもらえることを知っておきたい。
入学を辞退する時には早めに学校側に伝えるように専門家はアドバイスする。
(略)
この問題にくわしい明治学院大学法学部助教授(消費者法)の角田真理子さんは「トラブルを避けるために、入学しない時には、早めに学校側に伝えるようにしましょう。その場合は、伝えた日付や担当者の名前を控えておくことが大切です。返還に応じてくれないなどの問題があれば消費生活センターなどに相談しましょう」とアドバイスする。また、日本私立大学連盟(124校)によると、加盟校の多くは、授業料などの納付期限を3月下旬に設定しており、「要項などをよく読んで、受験する大学の入試日程や納付期限を考えて納付するようにすれば、問題は少ないのではないか」としている。
(上記記事より)
昨年11月に最高裁の判決が出た、前納金返還訴訟を受けての記事ですね。ちょうど受験が本格化するぞというタイミングでしたから、タイムリーな判決だったのでしょう。
(過去の関連記事)
・前納金返還 各紙の社説の論調は?
http://blog.livedoor.jp/shiki01/archives/50269556.html
各大学とも、入試の出願日や試験日、手続きの締め切り日は、おそらく上記の判決のずっと前から決めていたはず。
となると今回の入試では、
3月末までに辞退さえすれば授業料を払う必要がないと知っているので、安心して併願校に出願する受験生が増える
↓
合格しても入学してくれない人の割合が高まるので、昨年と同じように合格者を出すと危険
……みたいなことが起きたりするのかも……。いやでも、払わなくてよくなったのは「授業料」だけで、今のところ「入学金」は必要なわけですし、そこまで大きな影響はないのかな……などと、各校の入試課の皆様もあれこれ考えておられることでしょう。実際はどうなんでしょうね。
高校の進路指導教員や予備校の相談員などは、大学の手続き期間を考慮に入れた受験指導を行われている方が少なからずいらっしゃるようですから、そういった現場にはそれなりのインパクトがあったのかもしれません。
今年の入試シーズンが終わった後で、影響があったかどうか、各大学に聞いてまわってみたいところです。
いずれにしても次回からは、こういった手続き日の影響を考慮に入れてスケジュールを組む大学が増えるのだと思います。
多くの大学が、2月の入試の他に、「3月中に試験を行って少人数の合格者を出す試験(大学によって、B日程だとか、C日程だとか、呼び名が違っています)」を実施しているかと思いますが、あの日程には何らかの変化が起きそうな気がします。
「早くに合格を出したのに3月末ギリギリで入学を辞退されるというのは困るから、出願から合格発表までの期間をなるべく3月の後半にずらそう」
とか考える大学も出てくるのかも、知れません。
個人的には、先日の判決は、あくまでも受験生側の負担を軽減させるためのものですから、その主旨に反することがないよう、何か工夫をしていくのが大学側の責任ではないかな、と思います。
双方にとって良い仕組みを探すのは大変だと思いますが、ノウハウを蓄積していきましょう。今回の入試は、そんなことを考える機会でもあるのだろうと思います。
以上、マイスターでした。
(今日はちょっと短めです)