はしかの驚異 各大学が対策を進める

マイスターです。

インフルエンザが猛威をふるっているらしいですね。
街中でマスクをしている人の姿も、多くなってきました。

予防のためにワクチンを打つ人も多いようです。
ちなみにインフルエンザのワクチンが十分な効果を維持する期間は、接種した日の約2週間後から、5ヶ月間程度だそうですので、多くの人がいる中に行く予定がある方は、お早めに。
(※参考)

さて、インフルエンザの話題は冬が過ぎると少なくなりますが、春以降も大学関係者などが警戒しているのが、「はしか」です。

【今日の大学関連ニュース】
■「主要大学の8割、入学前のはしか予防対策求める」(読売オンライン)

大学生のはしか流行が問題になっているが、全国の主な大学の8割が、来年度の入学予定者に対し、入学前の感染予防対策を求めることが日本小児科医会などの調査でわかった。
予防接種済み証明書などの提出を義務づける大学もある。国は今年度から高校3年生全員に、はしかワクチンの追加接種を始めたが、接種率は5割未満と低迷。受験シーズンを迎え、同医会では「接種率の向上につながるのでは」と期待している。
調査は昨年末、同医会、京都小児科医会、京都市学校医会が、一学年の定員が2000人以上の総合大学と医学部のある全国の大学計112校に行い、93校から回答を得た(回答率83%)。「入学前にはしか対策を行う」と答えた大学は72校(77%)にのぼった。
うち、「予防接種を受けるよう指導する」大学は51校(55%)、「感染や予防接種歴の調査を行う」大学は41校(44%)だった。
接種指導など「入学後に行う」とした20校(22%)を合わせると、ほとんどの大学が対策を予定。はしかの免疫があることを教育実習や病院・介護実習などの参加条件にする大学も48校(52%)あった。
(上記記事より)

2007年、4月頃から全国的にはしかが大流行しました。

はしかの感染力は超強力。
以前マイスターがどこかで目にした表現で、「体育館のはじっこにはしかの感染者がいたとしたら、その反対側のはじっこにいる人に感染する」みたいな説明がありました。
えぇー!? と思いましたが、本当だとしたらやっかいです。

そんなはしかの大流行を受け、2007年は、多くの大学がキャンパスごと、または全学的に数日~2週間程度の休講措置をとりました。
数名の学生から感染の申告があったら休講決定、という状況で、「休校」の連鎖が続いていたように思います。
上記の記事によればその数は、およそ80校にも上るとか。

2週間も授業が止まったら、授業計画にも大幅な影響が出ます。
補講も追いつきません。きっと全国の大学教務課の皆さんが、頭を抱えたことと思います。

そこで、そんなリスクを減らそうと、多くの大学がはしか対策を打ち出してきているのですね。

一昨年、昨年と2年連続で、はしか流行のため休講措置を取った神戸大では、来年度の入学者全員に対し、予防接種済み証明書か、抗体検査で免疫があることを証明する書類などの提出を義務づけることを決めた。
「予防接種を受けてから免疫ができるには2週間程度かかる」として、北海道大は、現役合格者には入学式の2週間前までに接種を受けるよう通知。「浪人生には大学の費用負担で検査や予防接種をすることなどを検討中」という。
東大は募集要項に「予防接種自己申告書」を入れ、発病歴がない場合は入学までに追加接種を「極力完了しておくこと」と、太字で注意喚起した。
また九州大は昨年から、入学前に予防接種歴などを調べる調査票と、注意喚起を行う文書を配布。入学後に回収しているが「かなり効果が上がった」と話している。
(上記記事より)

小さな頃に一回だけしか予防接種を受けていない場合、十分な免疫がつかず、成長してからはしかにかかるケースもある……ということが、2007年のはしか流行時に報道されていましたね。
それまでは、はしかは子どもがかかる病気であるとか、一度接種をしたから大丈夫だとか思っていた人も多かったのではないでしょうか(マイスターも、その一人でした)。

2006年度からは制度が変わり、1歳と小学校入学前の「二回接種」に変更されたそうですが、現在の高校~大学生は、「一回接種」世代。
誰かが何らかの対策をしなければ、2007年のような大きな事態になりかねません。
そこで、最も直接的に影響を受ける側である大学が、上記のような手だてを講じてきているということなのでしょう。

免疫を持っていることを証明する書類を入学時に提出させるというのは、アメリカなどの大学でもよく行われている措置だと聞きます。
入学書類と一緒に提出させるわけですから、一番確実と言えば確実なのかもしれません。

ところで、キャンパス中のはしかを撲滅するとなると、大学で働く教職員も全員、はしかの予防接種を受けておく必要がありそうです。

在職している教職員に対しては、2007年以降、、大学で予防接種を受ける機会を設定した大学も多いと思います。
理屈で言えば、4月から大学に就職する新人の方々には、学生同様、就職時に免疫の証明証を提出させることになるでしょうか。
キャンパスで働く方々に求められる必須条件の一つになりそうですね。

以上、マイスターでした。

(※早稲田塾でも2007年のはしか流行の際、全スタッフが予防接種を受けました)

※この記事は、現役高校生のための予備校「早稲田塾」在籍当時、早稲田塾webサイト上に掲載したものです。