センター試験のトラブル対策

マイスターです。

明日はセンター試験ですね。

■「過去最高の大学・短大755校が参加 センター試験」(Asahi.com)
http://www.asahi.com/edu/news/TKY200701170390.html

推薦入試が増えている昨今ですが、それでもやはり多くの受験生にとって、明日のセンター試験こそが、「初めての試験本番」なのでありましょう。

マイスターも、自分が受験生だったときのことを昨日のことのように思い出します。
その日は早朝から、最寄り駅まで親が車で送ってくれました。天気は大丈夫かな、とカーラジオをつけると、「本日はセンター試験です」というニュースキャスターの言葉。東大の会場からは、現地レポーターが会場の様子などを伝えていました。
あぁ、自分もいよいよ今日から受験なんだなぁ……と、息を白くしながら考えたことを覚えています。

大学職員になった今では、センター試験のスタッフとして受験生達を出迎えるために、早起きするようになりました。
朝の寒さと、早起きが辛いのは相変わらずですが、センター試験の業務はとても好きなマイスターです。

とは言え、センター試験は今や、国を挙げての一大プロジェクト。
トラブルがないよう、色々と気苦労は絶えません。

【教育関連ニュース】—————————————–

■「リスニングテスト、今年は大丈夫? センター試験前に」(Asahi.com)
http://www.asahi.com/national/update/0119/TKY200701190344.html
————————————————————

昨年のテストでは、457人が「プレーヤーから音が出ない」「音が大きくなったり小さくなったりする」などの理由で試験をいったん中断した。トラブルに見舞われたのは全受験者の0・1%弱だが、事態を重視したセンター側は不具合が申告されたICプレーヤー444台を検証。その結果、機器に問題のあるケースが7割強の321件を占めた。

センターは昨年来、プレーヤーそのものと試験会場での配布・使用方法の見直しを進めてきた。イヤホンの接続部には酸化を防ぐため金めっきを施し、昨年はプレーヤーと別々に配ったのを改めて、今回はあらかじめ接続した状態で配布する。むき出しで配っていた音声メモリーカードも、ゴミの付着を防ぐため一つずつポリ袋に入れる。
(上記記事より)

センター試験会場で起きるトラブルの原因の一つが、昨年から導入された英語リスニング試験です。しかし大学入試センターも、昨年トラブルが起きた原因を分析し、様々な改善、改良を続けてきたようです。

「英語」の受験生は50万人もいるわけで、トラブルを「ゼロ」にするというのはほとんど不可能であるようにも思われます。しかしそれでも「ゼロ」を目指して問題を無くしていく努力を続けていくことが大切なのですよね。
(もしいつか本当に「トラブルゼロ」を達成する日が訪れたなら、それは日本のプロジェクト・マネジメント史に残る快挙となるでしょう)

でも心配なのは、機器の動作だけではありません。
地域によって、試験会場の内外に、色々と心配な要因があるのです。

信州大は、プレーヤーが室内外の寒暖差で結露しないよう温度管理にまで配慮。「万一の事態を避けるため、プレーヤーは受験生並みに大切に扱うよう、監督官に指導している」(入試課)と気を引き締めている。
(「センター試験 「英語リスニング」聴こえる?」(Sankei WEB)記事より)

リスニング試験のある20日は官製談合事件で前知事が辞職した宮崎県など3県が知事選最終日のほか、愛知県でも知事選の告示期間中だ。各選管は会場周辺での街宣活動を自粛するよう陣営に要請している。
(「センター試験 「英語リスニング」聴こえる?」(Sankei WEB)記事より)

(九州大学では)昨年まで試験場だった福岡市東区のキャンパスの校舎のうち、近くの福岡空港を離着陸する航空機の騒音が響く校舎の使用を取りやめ、空港から離れた早良区の高校を試験場にする。
(「センター試験英語聞き取り、九州など各会場でトラブル防止対策」(読売オンライン)記事より)

熊本大は、隣接する学校などに対し、試験中の2日間、大きな音を立てるスポーツ活動や校内放送などを控えるように求めた。
(「センター試験英語聞き取り、九州など各会場でトラブル防止対策」(読売オンライン)記事より)

米海兵隊岩国基地から約5キロの距離にある山口県立岩国高(岩国市)を試験場にする山口大も、同基地に対し、リスニングの時間帯に同高上空を飛行しないように申し入れた。
(「センター試験英語聞き取り、九州など各会場でトラブル防止対策」(読売オンライン)記事より)

全国735カ所の試験会場すべてを「どこで受けても不平等がないよう、同じように受験できる環境」にするのが目標。とは言え実際には、会場ごとに色々と違いがあるわけです。
そこで、その差を少しでも埋めるために、大学入試センターや全国の大学関係者、それに会場周辺の方々が協力して様々な対策をこらしているわけですね。

気をもんでいるのは、試験会場となる大学関係者だけではありません。

受験生をかかえる高校や予備校は、昨年末に感染者が激増したノロウイルス対策に力を入れている。

大手予備校「河合塾」(本部・名古屋市)では「試験前にノロウイルスに感染すれば、人生が台無しになってしまう」として、全国の校舎の手洗い場所に、ハンドソープや使い捨てのペーパータオルを設置。塾生には「30秒手洗い」を徹底させるとともに、独自のポスターを掲げて感染予防を呼びかけている。

京都市立堀川高校(京都市中京区)でもノロウイルスの基本的な知識を掲載した「保健だより」を全校生徒に配布。せっけんの入ったポンプの校舎内への配備数を増やして、生徒に手洗いを徹底させているという。

一方、受験生が宿泊する奈良市のホテル日航奈良では、調理場で普段から2時間おきの手洗い励行のほか、社員に検便を実施し、ノロウイルスが検出されれば出勤停止の措置を取ることにしている。人事総務支配人の丸尾昌さん(61)は「大切な受験を控えた受験生の方にも、その他のお客さまにも感染しないよう気をつけている」と話す。
(「センター試験 「英語リスニング」聴こえる?」(Sankei WEB)記事より)

こうした報道を見ていると、センター試験実施日というのは、国中の人々が若者達の将来に思いをはせる日でもあるんだな、と思います。

しかしそれでも、やっぱり起きてしまうのがトラブルというもの。
ですから最終的には、「トラブルが起きたときにどう対応するか」をしっかり把握しておくことが大事でありましょう。
仮に機器などの不具合をゼロにできなかったとしても、「トラブルによって不利益を被る受験生をゼロにする」ことは、可能かも知れません。
会場スタッフに課せられた使命は、まさにそこにあるのでしょう。

そんなわけで試験を運営する私たちスタッフもがんばりますので、受験生の皆さんも悔いのないように力を尽くしてくださいね。がんばってください!

以上、明日に備えて今晩は早く寝る予定の、マイスターでした。