オリコンが「塾・予備校」の満足度ランキングを発表

マイスターです。

ちょっと興味深い情報を見つけたので、ご紹介します。

【教育関連ニュース】—————————————–

■「塾・予備校・大学入試・受験・推薦入試のオリコンランキング」(オリコン)
http://www.oricon.co.jp/news/juken/rank/
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あのオリコンが、塾、予備校のランキングを発表しました。

現時点でのランキングは、上記のリンクからご自身でご確認ください。なかなか興味深い結果です。
調査の方法については、↓こちらで概要が説明されています。

■「オリコンCSランキングとは?」(オリコン)
http://www.oricon.co.jp/news/juken/information/method.html#method

■調査回答者(有効回答者数)
塾・予備校:746サンプル

■調査対象者
 ・現役高校生を対象とした予備校に通学したことのある高校生もしくは大学生(通年コース限定)
 <高校生の条件>
 ・首都圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)在住の高校1、2、3年生 男女
 ・大学&短大進学の希望者
 <大学生の条件>
・現在大学生もしくは短期大学生の男女
 ・首都圏在住もしくは出身高校が首都圏の男女
(上記ページより)

こうしたランキングが作成されるというのはつまり、世の中の多くの方々が塾や予備校に関心を抱いているということを意味しているのでしょう。大学も少子化で大変ですが、予備校業界の競争もかなりのもの。より良いサービスを提供できるのはどこかと、常にしのぎを削っているような状態なのだと思います。

さて、このランキングのポイントは、「満足度調査」であること、それも「通学したことがある方を対象とした調査」であるという点にあるように思います。
そしてこうした視点は、塾や予備校に限らず、大学を含めた教育産業全体にとっても、非常に重要なのではないかと個人的には思うのです。

例えば大学について行われるランキングについて考えてみると、その多くは客観的なデータや数値に基づく評価です。例えば「図書館の蔵書数」とか、「教員一人当たりの学生数」とかですね。そういった客観的な調査は、言うまでもなく非常に重要です。

しかし、では「主観に基づくランキング」に意味がないかといったら、そうではないと思うのです。
教育というのは、車や家等と並んで、かなり値段の高いサービスに入ると思います。しかし車や家と違うのは、「自分でお金を出してサービスを受け終わってみるまで、どんなサービスだったか評価できない」というところです。
考えてみてください。どんな教育を受けられるかわからないのに高額のお金を払うのは、考えてみれば非常におかしな話だと思いませんか。
だからこそ、「その学校の卒業生が、受けたサービスをどのように評価したか」という情報は、実は顧客層からは強く望まれているのではないか……とマイスターなどは考えるわけです。

そして主観評価であっても(いや主観的だからこそ)、できるだけ公平に多くの方の意見を見ていった方がいいわけです。ご近所にたまたまその学校の卒業生がいれば直接話を聞けるのでしょうが、実際にはそう都合良くはいきませんし、それに1~2人からの聞き込みだけだとどうしても偏りができてしまいます。たまたま大満足していた人や、たまたまその学校に合わなかった人の意見しか聞けないかも知れませんからね。
ですからオリコンのような機関がこうした調査を行うことは、サービスを選ぶ顧客の側にとっては、非常にありがたいことなんだろうと思います。

「でも主観だろう、科学的なデータとは言えないのではないか。そんな不確かなもので安易にランキングをされるのはたまらない」
なんてお感じになる方も、おそらくおられることでしょう。

でも大事なのは、客観的なデータから読み取れる情報と、主観的な感想や評価から読み取れる評判、それぞれ役割や意味合いが異なるということなんだと思います。どちらも絶対的なものではなく、あくまでも参考のための情報の一つに過ぎません。
同社のサイトにも、↓このように書かれていますし。

当サイトに掲載されたランキングは、利用者の主観的な評価に基づいたものです。評価の仕方、判断基準は個人により異なります。従いまして、実際に利用してみて、必ずしもそうではないということもあり得ます。当サイト及びランキングはあくまでも「いいサービス」を選ぶための情報源の一つであり、実際に利用した人がどう評価しているのかを知るための参考としてお使いください。
(「オリコンCSランキングとは?」(オリコン)より)

もちろんランキングというのはそれなりの影響力を持っていますから、結果について不満を持つ方は常におられることと思います。だからこそ、オリコンのような機関が定期的に調査を行い、常にランクが変動しうる仕組みを作っておくことが大事なのだと思います。

では今回、オリコンはどのような軸で塾や予備校を評価したのでしょうか。
オリコンのサイトによれば、以下の項目それぞれで満足度を調べ、そのポイントの合計で総合ランキングを出したとのことです。

「講師の質」
「施設・設備の充実度」
「適正な人数やクラス分け」
「情報の充実度・適確性」
「スタッフ の対応」
「カリキュラムの充実度」

有名大学に何人送り出した、といったデータが入っていないという点にご注目ください。
もちろん実際のビジネスの場では、各予備校ともそういった数字をアピールしているでしょう。でもここで調査されている「顧客満足度」は、そういった数字とは少々意味合いが違います。
世の中、誰もが有名大学を受験するわけじゃありません。「自分はこの予備校にこれだけのお金を出し、結果的に満足いく成果を得られたか」と顧客自身が納得できるかどうかを、この調査では明らかにしようとしているわけです。
有名大学合格者の絶対数を重視する(この場合校数が多い予備校が有利になります)か、それとも顧客満足度の調査結果を重視するかは、顧客次第。でもとりあえずは
、両方の情報が用意されていることが大事なのではないか、という発想です。

このオリコンランキング、大学にとっても大いに参考になる視点が含まれているように思います。

例えば「卒業生がどれだけ大企業に入れたか」という視点をアピールする大学は、「東大にどれだけ現役で合格させたか」だけをアピールする予備校と同じです。悪いことではありませんが、これではあまりにもサービスの評価が一面的です。
そこで、さらに「大学4年間の教育サービスを受けた卒業生達がどのくらい満足したか」とか「払った学費に見合う対価を得られた、と卒業生達から思われているか」とかいった情報も提供されていたら、顧客はよりよい選択ができるようになるのではないかと思うのです。(ちゃんと信頼できる外部の機関がランキングを行うということが大切ですが)

マイスターは、「本学は卒業生の顧客満足度第一位!」みたいなキャッチコピーを、大学の入試広報でまだ聞いたことがありません。卒業生や在学生に対する満足度調査は各校とも行っているはずですが、表に出しにくいのでしょう。
でも、例えばオリコンのようなランキング会社が大学の「顧客満足度」をラング付けするようになったら、そういった広報も表れるようになるのかなと思います。
オリコンによる塾・予備校の満足度ランキングを見て、そんなことを考えた次第です。

いつかそのうち、大学の教育の満足度も定期的にランク付けされるという世の中になるかもしれません。

以上、マイスターでした。

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(過去の関連記事)
・あの身もフタもない大学ポジショニングマップが、webに登場……!
http://blog.livedoor.jp/shiki01/archives/50254840.html
・予備校が大学の指定校推薦枠を獲得:早稲田塾の取り組み
http://blog.livedoor.jp/shiki01/archives/50221370.html

3 件のコメント

  • すみません、私の読んでいる環境(FireFox+Sage) だと、この記事の
    中ごろにある下記の部分の文字に
    反応してうまく表示出来ません。
    「当サイトに掲載されたランキングは、利用者の主観的な評価に基づいたものです。評価の仕方、判断基準は個人により異なります。」
    この文章の「評価の仕方」の前に特殊な
    文字があるみたいです。
    すみませんが、修正して頂けると
    嬉しいです。

  • 八鍬忠雄さま:
    マイスターです。こんにちは。
    ご指摘ありがとうございます。確かに何か特殊な文字が入っていたようです。
    今、修正いたしました。これでいかがでしょうか?
    また、こういった問題がございましたら、教えていただければ幸いです。
    今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。

  • ありがとうございます。
    Saga でも見えるようになりました。
    今後とも有意義な情報発信を期待しております。