メールをサーバに残す設定にしているのですが、サーバのメールを何度も繰り返しダウンロードするようになってしまいました。
昨日、一晩メールソフトを付けっぱなしにしていたら、朝起きた時、未読メールが10万通を超えていました…。
誰か助けてー。
(現在も復旧作業中です)
そもそも、迷惑メールが多すぎます。
マイスターは普段、1日に100通近いメールを受け取っているのですが、
そのうち70通くらいは迷惑メールです。
■「メールトラフィックの90%以上がスパム?」
http://www.html-mail.jp/News-04/000052.html
↑ちょっと日付が古いですが、こんな記事もあります。
プロバイダやサーバー管理業者はこうした意味のないトラフィックのためにムダな設備投資をさせられているわけで、さぞ、日に日に増える迷惑メールを歯がみしながら見ていることでしょう。
迷惑メール業者が大量送信するメールに比べたら、トラフィックに与える影響は微々たるものかも知れませんが、放っておけない問題があります。
教育的にも問題が多いやっかいな迷惑メール、それがチェーンメールです。
【教育関連ニュース】——————————————–
■「チェーンメールは自分で止めよう -内容はデタラメ 何も起こりません-」(Asahi.com)
http://www.asahi.com/kansai/wakuwaku/info0928-3.html
■「チェーンメールの転送先」(迷惑メール相談センター 財団法人日本データ通信協会)
http://www.dekyo.or.jp/soudan/chain/tensou.html
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-チェーンメールとは、転送を呼びかけ、次々と鎖のように連鎖していくメールのことです。一般的に、メールサーバなどのネットワークに負担をかけてしまうことから、受け取っても回さないのがマナーです。
しかし、チェーンメールは転送されることを目的としているため、受信者の恐怖心をあおるホラーな内容や幸せになれるおまじないなど、善悪様々な種類の内容で転送させようとします。
ですが、こういったチェーンメールのほとんどはデタラメなので、安心してください。軽はずみな転送は、悪質なデマの情報を不特定多数の人にまで広げてしまうことになります。また、あなたの周囲からの信頼を傷つけることになりますので、どうか注意してください。-(「チェーンメールについて」迷惑メールセンター)
マイスターが初めて使ったモバイル機器は、大学4年生の時持った携帯電話でした。
既に落ち着ききった22歳だったので、メール機能ではしゃいだりしなかった気がします。
しかし今は、小学生の時から携帯電話を使っている時代です。
(「友達が持っているから」という理由で親に買ってもらう子供もいるでしょうが、
しかし最近では、「一人の登下校が危ないから」ということで、護身用に携帯電話を持たせる親も増えているのではないでしょうか。)
そうした環境では、これまで起こりえなかった問題も起こります。
その一つが、チェーンメールというわけです。
電子メール版「不幸の手紙」ですが、
その規模と子供に与える影響は、不幸の手紙どころではありません。
転送ボタン一発で、あっというまに送れてしまうわけですからね。
もし、受け取った人たちが止めずに「次の人」へまわしてしまったら、ねずみ算式に拡大します。
(これが切手を貼ってメールを送るシステムであれば、新生郵政公社も大喜びでしょうが、電子メールでは、NTTドコモやKDDIが余計な設備投資に泣かされるだけです)
「手軽さ」「気楽さ」が、簡単な問題を大きくしてしまうという例ですね。
必ずしも、悪意を持った文面でないところが、また問題です。
無差別な転送を目的にしたメールは、目的や内容がどうあれ、チェーンメールです。
友達同士の遊びで、チェーンメールを発信する場にまわってしまう子供達も出てきそうです。
マイスターは常々、早期情報リテラシー教育の必要性を訴えております。
小学生のうちから、
信用できる情報とそうでない情報を見分けたり、
有用な情報をうまく活用したり、
メディアごとの特性を考えて、メディアをうまく使い分けたりする能力を身につけておいたりすべきと考えています。
「読み・書き・そろばん」に続く、第四の基礎スキルです。
今後の情報社会で生きていくためには、情報を疑い、選び、評価する能力が欠かせません。これは仕方のないことだと思います。
しかし、ある程度の情報リテラシーを身につけられるのは、早くても4、5年生かな?と、個人的には思います。
チェーンメールは、自分のメールアドレスを持ったその日から、遭遇する可能性が出てきますから、
もしかすると情報リテラシーを身につけるより早く、こうした問題に直面する子供が出てくるかも知れません。
とてもやっかいな問題なのです。
きちんとしたリテラシーを身につけていないと、中学生、高校生になっても、チェーンメールの迷惑行為にあっさり荷担してしまいかねません。
(もしかすると、大学生や社会人になっても…)
今はブログとSNS全盛ですが、携帯インターネット中心の若年層としては、やはり一番身近なメディアは電子メールでしょう。
教育的な観点からも、メールの扱い方については、何らかの指導法が必要と思います。
インターネットのトラフィックに悪影響を及ぼすだけでなく、
配慮のない転送行為それ自体も、よくないことですからね。
冒頭でご紹介した「財団法人日本データ通信協会 迷惑メール相談センター」のサイトは、ふりがながないことから、中高生以上を対象にしたサイトであるように思います。
「チェーンメールは気にするな」ということを、イラスト入りで延々説明している内容なのですが、こういうサイトが作られるくらい、
「転送しないと不安」
と感じる人が多くいるってことなのでしょうね。
転送行為の無意味さ、無益さを説いた上で、
-しかし、さまざまな怖い文章や脅し文句などで 不安な時は、友達へ送ってしまう前に当協会へ転送してください。携帯電話のチェーンメール用に、10個のメールアドレスを提供しています。-(「チェーンメールの転送先」迷惑メール相談センター)
…と、転送用アドレスを用意しているあたりが、ちょっとユニークです。
情報リテラシー教育には、まったくなってない行為ですから、この対応については評価が分かれそうですが、問題の解決法としては面白い視点だと個人的には思います。
精神的に追いつめられて悩むよりは、ここに送れということですね。
「本当に」悩んでいる方にとっての、最終手段というわけです。
いずれは、こういうアドレスが必要でなくなることを願います。
ところで、なんで今日こんな記事を書こうと思いついたかというと、
それは今日、職場のac.jpアドレスに送られてきた、一通の迷惑メールが原因でした。
それは、こんな迷惑メールです。
↓ ↓ ↓
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突然のメール申し訳ございません。
大学受験研究会、チームZと申します。自分たちは
会社組織ではなく、受験マニアな大学仲間5人でやっている
半ボランティア精神の受験生応援チームです。
自分たちは暇があれば受験に関して様々なことを
研究、分析しており、大学受験をされる方を対象に、
無料で様々な相談やアドバイスをさせていただいております。
そこで今回、全国の私立大学の入試予想問題が
完成いたしましたので、
ご連絡させていただきました。当チームでは学校別に
出題傾向を特殊プログラムで研究しており、
去年の受験シーズンから予想問題の無料配布を
開始いたしました。当チーム完全オリジナルの予想問題
ですが、去年は高確率で出題された学校が多数あり、
全国の受験生の方々から多くの歓喜のメールを
いただきました。
この予想問題は無料配布させていただきますので、
丸暗記するなり参考にするなり、すこしでも皆さんの受験の
お役に立てればと思います。ただし全国の主要な私立大学は
網羅しているつもりですが、学校によっては予想問題が
ない場合もあります。また、すでに私大受験が
始まっていますので、
学校によって受験が終了してしまっている場合もありますので、
その点はどうかご理解願います。当チームは現在、
半ボランティア精神でこのような活動をしておりますが、
将来的には大学仲間で進学塾設立も目指しています。
ですので、その為の研究も兼ねてこの活動をしております。
よって受験後に予想問題がお役に立てたかどうか、
出題率はどの程度だったかなど、
ご感想だけでもいただければ幸いかと思います。
私大の入試予想問題をご希望の方は無料にて
配布させていただきますので、志望校名を記載し、
下記メールにてお問い合わせください。
(※マイスター注:ここにメールアドレスが記載されていました)
※このメールを受け取られた方へ
突然のメールまことに申し訳ございません。
大学受験とは無関係な方が受け取られた場合は、
まことに恐縮ではありますが、
ご友人、ご親戚、知人の方などに大学受験生がおられる場合、
もしよろしければ、このメ-ルを転送するなどして
受験生の方に今回の件についてお知らせいただければ幸いです。
お手数ですが、ご協力のほど何卒よろしくお願いいたします。
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↑ ↑ ↑
ここまでが、迷惑メールの内容です。
かなりアホな中身で、詐欺以外の何物でもないメールですので、同じ物を受け取った方は、迷惑メールリストに加えた後、すみやかにゴミ箱に捨てましょう。
どうもこのメール、全国の「ac.jp」アドレスに無差別送信されているのではないかと思われるのです。
(そのため、高校生より、大学生&大学教職員にいっぱい届いてしまう…)
文章の中身は、つっこみどころ満載で、取り上げる価値もない詐欺メールです。
転送を促しているあたり、チェーンメールの一種とも言えましょう。
こういう、受験生の弱みにつけ込む迷惑メールは、大学人として許せません。
そこでマイスターは今回、上記の通り、この迷惑メールの全文をこのブログ記事にコピーペーストしました。
ですから今後、全国で同じ迷惑メールを受け取った方が、事の真偽を確認しようと検索して、このブログ記事にたどり着くかも知れません。
そうした訪問者の皆様のためにマイスターが、誠に勝手ながら全国の大学教職員を代弁して、以下のことを断言させていただきます。
○上記の「チームZ」のメールは、間違いなく詐欺目的の迷惑メールです。大学関係者として断言します。
(そもそも「受験マニアな大学仲間5人」って、学生なのでしょうか? 所属や立場が、どの文を見てもあいまいです)
○入試問題の傾向を探る特殊プログラムなんて、実現不可能です。
そんなのが開発可能なら、四六時中、入試対策のことばっかり考えている代○ミや○合塾がとっくに開発して、大もうけしています。
○だいたい本当にボランティアのつもりで活動しているなら、そのプログラムや、作成された問題そのものを、webサイトで公開すればいいのです。
無料配布と言っているくせに、こちらからのアプローチを待っているあたり、どう考えてもおかしいと思いませんか。あぶない、あぶない。
○下手に問い合わせなどをすると、近所の本屋で購入した、手頃な大学の赤本コピーを「オリジナル予想問題」として買わされかねませんので、くれぐれも問い合わせのメールなど送ってはいけません。
返信しただけで、あなたのメールアドレスは「実在するアドレス」だとあちらは判断しますから、今後、余計に迷惑メールが届くことになります。
○もちろん、知り合いに転送するのもいけません。
このメールのアホさを伝えて友人と笑いを共有したい気持ちもわかりますが、その場合は、マイスターのブログのURLを伝えてくださればいいのです(ってオイ)。
以上、冷静に考えれば、というより、考えるまでもなくわかりそうなことを簡単に申し上げました。
受験で苦しんでいる学生さんや、わが子を想う保護者の皆様は、わらにもすがる気持ちでこうしたあからさまな詐欺メールに問い合わせてしまうのかも知れませんが、冷静になってくださいませ。
以上、
チェーンメールは、人の心の弱みにつけこむ卑劣な手口。
小学生も大学生も、大人も受験生も、みなさん、気を付けましょうね。
というわけで、地道にチェーンメール撲滅に協力してみたマイスターでした。
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注:最初
「ac.jpアドレスに送ったら、高校生に届かなくて、大学関係者にばっかり届いちゃうじゃないか」
と書いたのですが、私立高校や、大学付属高校のアドレスには届く可能性があるので、そのあたりだけ、少し文章を直しました。
100万通を無差別に送って、5万通がターゲットの元に届き、問い合わせが5通でも来ればいい、という姿勢も、迷惑メールの問題点でありましょう。
通信コストが安いから起きることなのでしょうが…うーん。