新型インフルエンザの対応に追われる大学・高校

マイスターです。

ニュースをつけたら、新型インフルエンザの患者が一気に増えていて驚きました。
せいぜい5人程度の話をしていたと思ったのに、いきなり100人以上。
他にも、びっくりされた方は多いのでは。

■「【新型インフル】国内感染者、150人に迫る勢い 『対策切り替える』と厚労相」(MSN産経ニュース)

メキシコで流行が始まったときから各国が念入りに対策を進めているのは、「パンデミック」と呼ばれる世界的な大流行を防ぐためですが、国内での急拡大ぶりを見て、その実感がわいた方もいると思います。

関西などでは、マスクが売り切れる地域も出ているとか。
個人個人が、自己防衛のための対策に追われています。

学校も、それぞれ対策を進めているようです。

【今日の大学関連ニュース】
■「大阪、兵庫の休校4043校に 文科省まとめ」(Asahi.com)

文部科学省は18日、新型インフルエンザで臨時休校した幼稚園、小中高校、大学などは大阪府内で1901校・園、兵庫県内で2142校・園の計4043校・園(同日午後5時現在、国公私立)にのぼると発表した。
内訳は、大阪府が幼稚園367園▽小学校535▽中学校535▽高校275校▽大学・短大52など。兵庫県は幼稚園532園▽小学校820校▽中学校392校▽高校219校▽大学・短大61校などとなっている。
(上記記事より)

■「京都の3大学が休校 兵庫、大阪の学生 登校自粛要請校も」(京都新聞)

新型インフルエンザの感染拡大を受けて18日、京都府内の大学で、休学を決めたり、発生地域である大阪府や兵庫県からの通学者の登校自粛を求める動きが出始めた。
京都創成大(福知山市)と京都短期大(同)は、学校に近い兵庫県朝来市で感染者が出たため19日から22日まで休校する。大阪成蹊大芸術学部(長岡京市)は、学生の約半数が大阪、兵庫から通学しており19日から25日まで休校する。京都医療科学大(南丹市)、京都情報大学院大(京都市左京区)は発生地域からの学生の登校自粛措置を取った。
龍谷大(京都市伏見区)は、大阪市内で開いていた市民向け公開講座を18日午前で急きょ打ち切った。明治国際医療大(南丹市)は登校した約700人の学生にマスクを配った。京都大(左京区)で23日に市民団体が予定していた世界交流イベントも中止が決まった。
(上記記事より)

■「関西の大学野球も延期に…新型インフル」(おおさか報知)

関西学生野球連盟は17日、所属する関大が新型インフルエンザの影響で、18日から23日まで全面休校・課外活動禁止となったため、23日の近大・関大戦を延期すると発表。24日の同カードも開催は未定。23、24日の立命大・同大戦は予定通り行われる。
また、関西六大学野球連盟は17日、所属する神院大が新型インフルエンザ発生により22日まで全学休校(課外活動の禁止)処置となったため、第8節の試合予定(すべて南港中央)を以下の通りに変更した。
(上記記事より)

感染者が増えている大阪、兵庫、京都を中心に、休校が相次いでいます。
「1人でも感染者がいたら隔離」というレベルの対策が行われている以上、こうなってしまうのはやむを得ないのかもしれませんが、2007年のはしかの流行をはるかに上回る規模。

(過去の関連記事)
■「新型の「豚インフルエンザ」に関する、大学の動き」

↑5月2日にご紹介したときには、文部科学省の指導を受けつつ、各校が個別に対応しているという感じでしたが、今は文字通り、国を挙げての緊急対応という様相を呈しています。

このあたりは大学よりも、小学校~高校までの方が、大がかりかもしれません。
教育委員会の指示のもと、その都道府県内の学校がすべて休校になったり、修学旅行が中止・延期になったりする事態が報じられています。

■「大阪府、中学校・高校すべて休校へ 新型インフル」(Asahi.com)

中には、修学旅行に出発するその日の朝、集合場所である駅で旅行の中止を生徒達に伝えた例もあるようです。教育委員会の決定がその日の朝8時に行われたからだそうですが、さすがに生徒達は気の毒で、「せめてもっと早くに決断してくれれば」と教員の方も憤っていました。

対策を巡っては、一部で混乱も見られる様子。

■「京都府、広域対応に苦慮 新型インフル」(京都新聞)

大阪府と兵庫県で全中学、高校の一斉休校など新型インフルエンザの拡大防止措置が強化され、京都府対策本部は近隣とどう歩調を合わせるべきか、対応に苦慮している。府内の市町村や大学からは18日、「休校やイベント中止は自主的に判断せよと言われても戸惑う」などとする声が相次いだ。
府内の大学・短大47校が出席した緊急連絡会議では「京都で感染例が出るまで府は休校を要請しないのか。足並みをそろえないと対策にならない」などの質問が続出した。府内の市町村連絡会議でも、京都と接する高槻市や島本町での感染例発生を受け「近接する市町村で食い違いがあっては困る」との意見が出た。
(上記記事より)

感染者が出た地域に隣接する自治体では、どのように対応すべきか議論が行われています。

考えてみれば、都道府県だの市区町村などの境界線は私達人間の都合で決めたものであり、ウイルスにとっては関係ないのですよね。
でも人間の側は、一本の線で対応が分かれる社会を作っているわけで、「自主的に判断する」のにも限界があります。

とは言え、特に大学は、それぞれが判断してイベント中止の判断をするしかない状況のようです。
↓こんなニュースもありました。

■「約5000人がマスク 関西大、在校生の父母ら集会」(Asahi.com)

大阪府吹田市の関西大で17日午前、在校生の父母でつくる「教育後援会」の年1回の総会があり、大学から現況説明を受けるなどした。新型インフルエンザの感染拡大をうけ、大学側は急きょマスクを用意し、約5千人の出席者につけてもらった、小林裕幸撮影。女子学生の母親(56)は「周りの目が気になって、せき払いするにも気をつかう。シーンとしていましたね」と話した。関西大は同日午後、23日までの休講を決めた。
(上記記事より)

たまたま、保護者を対象にした定例総会の時期だったのですね。
これだけのマスクを用意するのは大変だったと思います。

5~6月に、学園祭や、ちょっと早めのオープンキャンパスを実施する大学もあるでしょう。
もし厳戒態勢がこのまま長引けば、夏のイベントも影響を受けます。
大学も、大学訪問を生徒に促す高校の側も、気が気ではないと思います。

生徒に対し、大学オープンキャンパスへの参加を禁止する高校が出てくる、なんてこともあり得ないとは言えません。

既に、学会などの学術活動が中止される事態は相次いでいます。
これについては、興味深い報道がありました。

■「学会にも影 渡航自粛で軒並み欠席『なぜ日本だけ…』」(Asahi.com)

新型の豚インフルエンザの感染者が世界各地で確認されている影響で、日本人研究者が海外の学会を欠席したり、日本国内で予定されていた国際的な学会が急きょ中止されたりするケースが出ている。仲間に冷静に対応するよう求めている研究者もいる。
「科学的な判断が可能な皆様には、過剰反応ではない客観的な判断をお願いします」。レーザー技術の日本人研究者ら約190人に最近、こんな電子メールが届いた。31日から米国メリーランド州で開かれる国際学会への参加を呼びかけるためだ。
メールには、米国にいる学会関係者が、日本の研究者の学会欠席が目立つと指摘していることが書かれていた。他国の研究者にそのような動きはないらしく、「なぜ日本だけが……」と不思議がられ、新型インフルエンザを「トウキョウフルー(東京インフルエンザ)」と呼ぶ現地の研究者もいるという。
この学会に参加する電気通信大の植田憲一教授は「日本からだけ大量のキャンセルが出る事態になると、国際舞台での日本の存在感が下がることが心配だ」と話している。
(略)東京都千代田区の城西国際大学キャンパスでは、21~24日に予定されていたアメリカ映画・メディア学会の東京大会が中止された。32カ国から出席する予定だった約750人のうち、3分の1が欠席を申し出たからだ。
同大メディア学部によると、米国の学会事務局が、日本に行く国際便で新型インフルエンザの患者が出た場合、ホテルで足止めされる可能性があることを告げて出欠を取り直したところ、一気に欠席が増えたという。東京大会は50周年記念大会で、同大キャンパスではシンポジウムや上映会が予定されていた。
(上記記事より)

大学をはじめ、学校には多種多様な人達が集まりますから、感染対策に対する意識は高い様子。
教職員や学生に対し、海外渡航の自粛を呼びかける大学も少なくありません。
学会の中止や延期、参加自粛も、その流れでは自然なことかと思われましたが、「実は日本人だけ」だということを、上記の記事は報じています。

うーむ。
「結局、どうしろと?」……という大学関係者の困惑の声が聞こえてくるような。

自分で判断して学会に出かけた結果、万が一感染でもしたら、大学全体の問題になったりするのでしょうか。
リスクの大きさを科学的に判断することはできますが、リスクはゼロにはなりません。
想定外の感染経路だってあるかもしれませんし。

でも確かに、過剰反応も好ましいことではないでしょう。
このように世界的な混乱の中で日々、判断を迫られる関係者の方々は、大変だと思います。

新型インフルエンザの対応に関する最新情報は、文部科学省や厚生労働省で確認することができます。
次々に続報が発表されていますので、担当者の方はご注意下さい。

■「各国公私立大学長等宛 新型インフルエンザに関する対応について(第3報)」(文部科学省)
■「各都道府県・指定都市教育委員会等宛 新型インフルエンザに関する対応について(第3報)」(文部科学省)
■「新型インフルエンザ最新情報」(厚生労働省)

以上、ここしばらくの、新型インフルエンザについての話題をご紹介しました。

マイスターでした。

※この記事は、現役高校生のための予備校「早稲田塾」在籍当時、早稲田塾webサイト上に掲載したものです。