マイスターです。
↓こんなニュースを見つけました。
【教育関連ニュース】—————————————–
■「NHK、番組制作プロデューサーに現役大学生を起用!」(ORICON STYLE)
http://contents.oricon.co.jp/news/movie/49060/
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NHKに“学生プロデューサー”が誕生!? NHK京都放送局はこのほど、FM番組『キョウト学生ラヂオ部 Presents オトナチック!ラジオ』(10月26日(金)夜12時スタート ※京都府内ローカル)の番組制作プロデューサーに現役大学生10名を起用することを発表した。広報担当者も「学生がプロデューサーになることは、これまで聞いたことがない」と話しており、今回数多くの大学で学生があふれる京都ならではの夢の企画が実現した形となる。
(上記記事より)
これまでも、大学と地域の放送メディアが関わるユニークな事例を、いくつか本ブログでご紹介してまいりました。
(過去の関連記事)
・コミュニティ・ラジオでコンテンツを放送する、京都の大学達(2006年08月16日)
https://unipro-note.net/wpc/archives/50232988.html
・信州大学が、地元CATVに専門チャンネル開設(2006年08月25日)
https://unipro-note.net/wpc/archives/50236737.html
で、今回の企画なのですが、これは「大学×放送局」ではなく、「公募で集まった大学生×放送局」というコラボレーションなのですね。
様々な大学の学生さんが、番組の企画・制作段階から関わっていくということで、これはこれでとても面白そうです。
↓ブログもあります。
■キョウト学生ラヂオ部!
http://www.nhk.or.jp/kyoto-blog/300/
↓地元の新聞でも紹介されているようですね。
■「NHK京都放送局、「21歳」テーマに学生とラジオ番組を共同制作」(烏丸経済新聞)
http://karasuma.keizai.biz/headline/283/index.html
同番組はNHK京都放送局開局75周年を記念し、今年7月の公募により集まった学生10人による「キョウト学生ラヂオ部!」とともに制作されたラジオ番組。地域に密着した番組を制作するにあたり、10人に1人は学生という京都で学生は外せないことから番組制作を開始した。同放送局で、学生と一から作り上げる番組は今回が初めての試みだという。
(略)同番組のターゲット層の核は21歳。同じ学生でも1回生と4回生では感覚や考え方などが違い、幅広すぎると感じたため、大人でも子どもでもない「21 歳」にターゲット層を絞ったという。番組名もここから。参加した学生は全く番組制作の経験のない人がほとんどで、「学校の勉強に加え、毎週3〜4時間に及ぶ会議やインタビューなど、学生にとって番組制作は大変なように感じるが、『いろいろな発見ができる』と、とても楽しんで制作している」(同番組)という。
(上記記事より)
なるほど、21歳ですか。
私達は、つい「大学生は」と一言で言ってしまいがちですが、確かに同じ大学生でも1年生と4年生では、感じていることも考えていることもまるで違いますよね。
法律上は成人。でも学生であり、就職活動もこれから。
そんな「21歳」は、確かにラジオ番組づくりのターゲットとしては、面白い相手なのかも知れません。
ただ問題は、当の大学生達が、果たしてラジオを聞いているかどうか、です。
■「NHK京都『キョウト学生ラヂオ部〜』 大学生と制作するFM番組」(東京新聞)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/entertainment/news/CK2007101902057494.html
NHKは民放よりも視聴者の年齢層が高く、今回の試みは、学生との交流をきっかけに少しでも若いリスナーを増やしたいとの思いがあるようだ。
京都放送局は今年七月、「ラジオ番組を一緒につくろう」とテレビなどで学生に呼びかけ、キョウト学生ラヂオ部の部員募集を始めた。応募してきたのは十二人。最終的に十人でスタートすることになった。
(略)京都放送局で企画総務を担当する水野紗綾さんは「結果的にいい方が集まってくれたが、もう少し応募があるかと思った」と、やや複雑な表情。NHKと若者の距離がいかに離れているか、あらためて痛感させられたという。
京都放送局に限らずNHKの地方局は最近、ドラマ制作に乗り出すなど活動が活発。そこには「一連の不祥事で失った視聴者の信頼を取り戻したい」「格差の影響を最も受けている地方を、番組を通じて応援したい」など、さまざまな狙いや理由があるようだ。
さらに、NHKにとって最大の課題が若い視聴者の獲得。あるNHK関係者は「子供たちはNHKのアニメなどを見ている。しかし少し成長するとNHKから離れてしまう。特にラジオは『ラジオ深夜便』が中高年層の人気を集めているように、完全に大人の世界」と指摘する。
京都放送局の今回の試みも、そうした離れていく若年層へのアプローチの一つ。
(以上、すべて上記記事より)
このように、放送局側には、大学生を起用して事態を盛り返したいという想いがあるようです。
そのこと自体は、別に悪いことではないと思います。それに、番組作りに関わることは当人達の勉強にもなるでしょうし。
ただ、その大学生スタッフ達も、テレビ呼びかけて12人しか応募がなかったということですから……やっぱりそう簡単にはいかなさそうですね。
また、冒頭のニュースでは「プロデューサー」とありましたが、東京新聞の記事には、
学生たちは「実動部隊」として企画会議に参加したり、取材を担当。学生食堂などで「鴨川を一緒に歩きたい有名人は」といったアンケートを行って計百人の学生に回答を求め、その結果が番組で紹介される。
(上記記事より)
……とあります。
なんとなく、こちらの方がより実情に近い説明のような気がします。
とは言え、企画にも関われるわけですし、いずれにしても大学生にとって貴重なチャンスであるのは確か。この機会を、最大限に活かしてください。
個人的には、この番組が、21歳の間で広く聞かれるようになることを期待しています。
以上、マイスターでした。