無料のルーズリーフ 「ルーズフリー」

マイスターです。

・学生が立ち上げたベンチャーが、大学のコピー機をタダにした(2006年10月26日)
https://unipro-note.net/wpc/archives/50256891.html

↑以前の記事で、大学キャンパスに設置されている無料のコピー機「タダコピ」をご紹介しました。
コピー用紙の裏が企業の広告になっており、紙代を含めたコピー料金はそこから徴収するというビジネスモデルです。

さて、今度は、ノートがタダになる模様です。

【教育関連ニュース】—————————————–

■「日本初の「広告入り無料ノート」-学生団体が大学校門前で配布」(市ヶ谷経済新聞)
http://ichigaya.keizai.biz/headline/141/
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法政大学経営学部の学生を中心とした学生団体「ファインダウェイ」(千代田区富士見2)が12月15日、学生にルーズリーフ(広告付き)を無料で提供するサービス「ルーズフリー」を発表した。

「ルーズフリー」とは、米・カリフォルニア発祥のサービスで全米200以上のキャンパスの40万人以上の学生を対象として提供されているサービス。大学生が学習で使用するルーズリーフの余白に企業などがバナー広告のような広告を掲載することにより、学生への無料配布が可能になる。

同団体は昨年12月から法政大学内でのテスト配布を実施。学生らの意見を取り入れるなど試行錯誤を繰り返し完成した「ルーズフリー」10,000部を今月4日〜20日、早稲田や上智など都内5つの大学校門前で、手渡しで配布した。

(略)ルーズリーフの上部余白に広告を掲載することで、文字を書く間は広告が目に入りやすく、読み返したりする機会も多いため、既存フリーペーパーに比べて高い広告効果が期待できるという。同団体の独自調査によると、約9割の学生が「ルーズフリーをまた欲しい」と回答した。

(上記記事より。強調部分はマイスターによる)

というわけで、ルーズリーフを無料で提供するという試みです。

■「無料ルーズリーフのルーズフリー」
http://findaway.wordpress.ne.jp/

ただ、タダコピと異なるのは、授業中でも、否応なしに広告が目に入ってしまう点。

おそらく取材時に、記者の方もそういった説明を受けたのでしょう。冒頭の記事でも、その点が紹介されています。

ここは、ちょっと考えてしまうポイントです。

確かに広告効果は高いでしょうから、企業は喜んで出稿するでしょう。
また、タダなのですから、学生は喜ぶでしょう。

でも、授業の時間というのは、授業の内容に集中するためにあるわけです。
ルーズフリーを使うと、全体からすればごくわずかな時間かも知れませんが、それでも授業時間の数%が、広告を見るために使われることになります。

アメリカ発祥のサービスということですが、この点、どうなのでしょうか。

(過去の関連記事)
・大学で、「広告付きの」無料の教科書を利用する(2006年08月19日)
https://unipro-note.net/wpc/archives/50234682.html

↑同じアメリカ発のビジネスモデルに、「広告つきの無料教科書」というものがあります。
こちらの場合、広告が入るのは本文以外のページに限っており、授業中の集中力を乱すことがないようにと、一応の配慮はなされています。
また、大学側、教員側の要望を集め、教育方針に合わない、不適切と思われる広告は除外するような仕組みになっています。

こういったことを考えると、「ルーズフリー」については、色々と活用の仕方を考えていく必要があるような気もします。

ただ、ビジネスモデル自体は素晴らしいと思います。
ですから、今後運営をしながら、広告枠の大きさとか、どういった業界の広告をNGにするとか、配布場所とかといった部分を、詰めていけばいいのではないでしょうか。

以上、マイスターでした。