ニュースクリップ[-12/9]「琉大が観光産業科学部を新設 国立大法人で初」ほか

マイスターです。

日曜日になりましたので、恒例のニュースクリップをお届けします。

国立大学初、観光系学部。
■「琉大が観光産業科学部を新設 国立大法人で初」(琉球新報)
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-29445-storytopic-7.html
■「来春に観光産業科学部 琉大、09年度大学院を開設」(琉球新報)
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-29487-storytopic-7.html

琉球大学に、「観光産業科学部」が新設されるそうです。
以前から法文学部に存在した観光科学科と産業経営学科を学部にするという話ですが、それでも国立大学法人で観光系学部が設置されるのは初めてだとのこと。

考えてみれば観光系学部というのは、地方の国立大学にこそ求められているんじゃないかな、という気もします。
これから、少しずつ増えていくかも知れません。琉球大学の事例が成功するかどうかにもよるでしょう。

■「琉球大学観光産業科学部」(琉球大学)
http://www.u-ryukyu.ac.jp/faculty/tsim/index.html

同じく国立大学初の専攻ということで、↓こちらも話題を集めています。

国立大学初、アニメ専攻。
■「東京芸大大学院が万国橋会議センターに「アニメーション専攻」開設」(ヨコハマ経済新聞)
http://www.hamakei.com/headline/2854/

東京芸術大学は12月4日、映像研究科修士課程「アニメーション専攻」を2008年4月に、万国橋会議センター3階(横浜市中区海岸通)に設置すると発表した。国立大学の大学院にアニメ専攻が設置されるのは初となる。同専攻の設置が文部科学省から認可され、横浜市が誘致した同大学院映像研究科で予定されていたすべての専攻設置計画が完了する。
 
「アニメーション専攻」は、芸術表現としてのアニメーションを主体とした動画に関わる表現と研究を、動画の理解から通信・放送をはじめとするコンテンツ製作への応用で幅広く進展させることを理念に、アニメーション作品の製作を通して、作り手、プロデューサー、研究者の連携による人材育成を行うことによってアカデミックな拠点を形成することを目的とする。横浜・万国橋SOKOに拠点を置くクレイアニメーション「ニャッキ!」で知られる映像作家の伊藤有壱さんや、アートアニメーション作家の山村浩二さん、日本アニメーション学会の出口丈人さんら4人が専攻専任教員を担当する。定員は16人。

(上記記事より)

国立大学では初めてのアニメーション専攻が、芸大にできるそうです。

■「お知らせ:大学院映像研究科 アニメーション専攻の開設について」(東京藝術大学)
http://www.geidai.ac.jp/info/20071204_01.html

東京芸術大学の映像研究科は、北野武監督や黒沢清監督などを教員に迎えていることで知られます。
(マイスターの知り合いが、この映像研究科の学生の卒業作品展を観に行ったのですが、「どれも本気で面白かった」と感心していました)

いまや日本を代表するコンテンツビジネスの一つとなったアニメーション。
そのクリエーターを養成するのは、国としての戦略にも適うでしょう。
ここからいずれ、世界的なアニメーション作家が誕生するのかも知れませんね。

技術者不足をどう乗り越える?
■「技術者不足が深刻 携帯電話などの『組み込みソフト』」(神戸新聞)
http://www.kobe-np.co.jp/news/keizai/0000746265.shtml

薄型テレビやデジタルカメラ、携帯電話など、さまざまな製品に内臓されたコンピューターを動かす「組み込みソフト」を作る技術者の養成に、兵庫県や企業、職業訓練機関などが乗り出した。ものづくりの競争力の源泉といわれる同ソフトだが、技術者は全国で約十万人不足しており育成が急務。経済界も産官学連携へと動き出した。(小林由佳)

(略)県は、組み込みソフトの作動状況を検査する技術者の育成を二〇〇五年度に始めた。養成講座を持つ大阪の情報技術会社に委託し、現在、三期生九人が学んでいる。

経済産業省によると、組み込みソフト関連の産業規模は六十二兆円。技術者は全国に約二十三万五千人いるが、製品の機能が複雑になり、次々に新製品が登場しているため、技術者の需要が急速に拡大しているという。

関西経済連合会は八月に「組み込みソフト産業推進会議」を設立。シャープやダイキン工業、シスメックスをはじめ、大阪府や大阪大、兵庫県立大などが連携し技術者養成や独自のソフト開発を目指す。九州でも今月二十九日に産官学が同種の協議会を発足させる予定で、地域間競争も激しくなりそうだ。

(上記記事より)

静かに「技術者不足」が進行している領域というのが、しばしば問題になります。
原子力工学のように、昔から国を支えている巨大なインフラでもそういう現象が起きていると聞きますが、こちらで問題になっているのは、むしろ最新の家電やAV機器などに内蔵される「組み込みソフト」。

今や、専門のエンジニアを育成する学科を持つ大学もあるほどです。

■「組込みソフトウェア工学科」(東海大学)
http://www.u-tokai.ac.jp/gakubugakka/johocommuni/kumikomi/bunya.html

こうして記事など読んでみると、なるほど確かに人材が必要だろうなぁと思える分野なのですが、これを高校生や受験生に伝えるのは難しいんだろうな……とも思います。

で、こうした現状を乗り越えるための方法として、メーカーは↓こんな手を打っているわけです。

■「プレスリリース:東芝、ベトナム国家大学ハノイ校に組み込みシステムの共同研究所を設置」(NIKKEI NET)
http://release.nikkei.co.jp/detail.cfm?relID=177058&lindID=1

確かに、海外でエンジニアを育成するというのも、一つの解決法ではあるかも知れません。もっとも長期的に見た場合は、そこだけに頼っているというのもリスクがあるのでしょうね、きっと。

実は「天才」の娘が描いてました。
■「マンガ『天才柳沢教授の生活』モデルの蔵書を樽商大へ 作者ら遺族が1600冊寄贈」(北海道新聞)
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/culture/64553.html

週刊モーニング(講談社)で連載中のマンガ「天才柳沢教授の生活」のモデルで、今年4月に89歳で亡くなった元小樽商大教授の古瀬大六(こせたいろく)さんの遺族がこのほど蔵書約1600冊を同大付属図書館に寄贈した。古瀬さんの四女で、マンガの作者である漫画家山下和美さん=小樽市出身=もマンガ初版本全25巻を直筆のサインと絵入りで贈呈した。

(上記記事より)

『天才柳沢教授の生活』の原作者、山下和美さんのお父様は、小樽商科大で数理経済学を教える教授だったそうです。
なんと、モデルがいらしたのですね。

こちらの国でもPISAショック。
■「国際学力調査:『科学の英才教育国』韓国の転落」(朝鮮日報)
http://www.chosunonline.com/article/20071205000048
■「[社説]候補たちは『科学教育の危機』を知っているだろうか 」(東亜日報)
http://japanese.donga.com/srv/service.php3?biid=2007120568428
■「【社説】世界1位から11位に落ちた韓国の科学教育」(朝鮮日報)
http://www.chosunonline.com/article/20071203000034

今週は、日本のメディアの教育欄は、PISAの結果について嘆くものばかりでした。

お隣、韓国もその点ではほとんど変わりません。
「科学技術立国」を標榜している点でも日本とよく似ています。
今後の「対策」が、それぞれの国でどのように違ってくるか、そこに注目です。

以上、今週のニュースクリップでした。

今週も一週間、本ブログをごひいきにしていただき、ありがとうございました。
今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。

マイスターでした。

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